【2024年ジャズ】MoonDial / Pat Metheny
数ヶ月前から配信で小出しになっていたPat Metheny(パット・メセニー)の2024年新作が全曲揃いました。昨年の「Dream Box」同様ギター・ソロ作品。得意のバリトン・ギター(普通のギターよりもネックが長く、より低音が出る。主にカントリーやメタルで使用)に特注のナイロン弦を張ってみたら、興奮するほど素晴らしい音が出たという1枚でしょう。なるほど今までの弦とは違うタッチと音でした。
聴けばびっくりするほどの低音です。オーバーダビング無しとのことで、ベースをかぶせたわけではありません。いままでのアルバムにもバリトン・ギターは使用していたので予想はしていたのですが、上回る音域です。チューニングに工夫があるのかもしれません。いつものようにパット・メセニーの世界が美しいメロディとともに繰り広げられています。
秀逸なカヴァー作品が並んでいますが、ここではオリジナル作品からオススメを。1.MoonDial の低音に驚いていただいて。こうして和音やベース音を弾きながらメロディーを紡いでいくジャズギターの弾き方ですが、とてもじゃぁないが難しくてできません。メセニーのそれはコードチェンジも頻繁で大変。こんなにも優しくて美しい曲なので困難さを感じさせないところがメセニーです。6.Falcon Love のようなメロディーもメセニーらしい。うるうるします。The Unity Sessionsでの9.This Belongs to You をソロで聴けるのはうれしい。ちなみに空間オーディオ(Dolby Atmos)でも堪能できますのでお試しあれ。
▼ブログ「音楽を聴くことの雑感」も書いています。
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