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知的好奇心は生まれつき?文化資本の押し売りに食傷気味なわが子

娘トラの、知的好奇心の薄さが目下の悩みだ。
幼い頃は私に似ている部分もあったトラだが、成長するにつれ性格や行動がどんどん夫寄りに。
たぶん興味の幅が狭いところも夫に似たのだろう。

だが私はそれを素直に認めることができず、「子供の知的好奇心を高めるには」とか「探究心を育てるには」といったサイトを徘徊。
自分が生来の知りたがりで知る喜びを実感してきただけに、「わが子にも」との思いを捨て切れなかったのだ。

噂の「探求学舎」を勧めてみたこともある。
"
子供の探究心に火をつける"というカリキュラムが何とも魅力的なのだ。

しかし時すでに遅し。
低学年のトラなら素直にやると言っただろうが、当時のトラはすでに反抗期。
いくら勧めても「やらない」と言い張り、あえなく断念した経緯がある。

わが子の文化資本畑をせっせと耕してもみた。
20歳までに浴びた文化資本の差が、生涯覆すことの出来ない"心の貧富の差"となると知ったからだ。
それまでわが家の旅行といえばテーマパークだったが、以来美術館や博物館に路線変更。
トラに少しでも関心があると見れば県外も厭わず遠征し、コンサートやミュージカルにもよく連れて行った。(もっともこれは自分の趣味でもあるのだが。)

ところが本人の反応はいまいち薄く、中学生となった今も一向に何かが芽吹く気配はない。
イベントの後、私が感動の余韻に浸っているさなか、感想の一つも無く「つかれた〜お腹空いた〜」なんて言われるとガックリ。
もしや私は芽吹く種もない畑をせっせと耕していたのだろうか?と虚しくなるのだ。

常に欠乏感を感じて育った者(私)と、満たされて育った者の違いだろうか?
遺伝子にはON・OFF機能があり、満たされた環境では多くの遺伝子がOFFのままなのだと言う。
だとしたら、物心共に満たされたわが子に、貪欲になれと願うのはお門違いなのか・・・?

特に成績が悪いわけでもなく、人間関係に悩む様子もないわが子。
何を贅沢なと言われそうだが、本質的な部分で理想とも自分ともかけ離れて行くわが子の成長ぶりは、頼もしくもあり少し複雑でもある。

そして親が後天的に導けることの限界を感じながらも、気づけばわが子の興味を引き出す何か無いかと模索してしまう、実は子離れ出来ないだけの母なのだった。

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