見出し画像

『マンダロリアン』が好きで撮り溜めたベビーヨーダの写真でカレンダーを作った話

はじめに

『マンダロリアン』という海外ドラマが三度の飯よりも好きです。どれぐらい好きかというと、作中世界をイメージしたごはんを自作するぐらいには好きです。ドラマの概要や登場キャラクターについてはGoogleやWikipedia、マンダロリアン飯を作ったときのnoteを参照いただくとして、そのごはん作りの次にノリと勢いで生み出されたのが、ドラマをご存知の方ならみんな大好き、未見でもなんだかかわいい気がする(かもしれない)、でお馴染みの通称ベビーヨーダことグローグーさんをモデルにした2023年カレンダーです。

ネヴァロマグカップはUSのディズニーで売ってたやつ。大容量すぎて飲み干す前に中身が冷める。

あどけない表情、うるうるの大きな瞳、血色のいい頬、アヒル口に上目遣い。さいつよの被写体力をお持ちのグローグーさんはサイドショウというメーカー製のフィギュアです。なお見た目は愛らしいですが値段はあまりかわいくありません。

以前に個人のポートレートを撮ってもらう機会があり、その際に「スタジオまで行くのだからこの出来の良いグローグーも持っていっていい感じに撮影したら相当映えるのではないか」と考えたのが、フィギュアを被写体にした最初のきっかけでした(トンチキなものを携えて現れたわたしを面白がってくださった各位には感謝しています)。その「いい感じに撮影しよう」が「四季折々の景色に添えたらいい感じがより一層演出できて面白いのではないだろうか」になって、次いで「四季折々の景色に添えて撮影していけばゆくゆくはカレンダーも作れてしまうかもしれないね」に変わり、このノリのままで本当に12ヶ月分ネタを出して実行してしまった結果生まれたのが当カレンダー。その過程で

企画書を作るなどしたり、

撮影しながらレゴのアドベントカレンダーを開封して組み立てたり、

ホースで水を撒いたり、

スターツアーズに乗ったり、

ついでにホテルミラコスタに泊まったり、

せっかくだからいくらを食べたりもしました。

わたしは元々おしゃれなカフェ飯に推しのアクリルスタンドを添えて写真を撮ったり、お出かけ先にもちマスコットやフィギュアを連れて行ったりする習慣のないタイプのオタクなので(状況によっては面白いことになりそうだなと思って持参することも稀にありますが)、ただでさえ普段やらないことなのに、大きくて嵩張って重たいべビヨさんを持ち出してあちこちうろうろするの大変だよなあ…という気持ちもあったのですけれど、結局蓋を開けてみればめちゃくちゃあちこちうろうろする羽目になりました。
撮りに撮って総撮影枚数1681枚、打ち合わせ時などに遊びで撮った写真を含めると2000枚オーバー、でもカレンダーに使えるのは12枚プラスアルファだけ。悲しいですが世の中そういうものです。そんなこんなでこれら2000枚超の写真の一部を供養しつつ、ちょっとだけカレンダー撮影時の裏話をしたいと思います。

なおここで申し添えておきたいのが、わたしがやりたくて始めただけの企画に「楽しそうじゃん」と乗ってくださった方々なくしてカレンダーは完成しませんでした。とりわけ当初からこの企画に付き合って半分ほどの月テーマでシャッターを切ってくださった成田さん(本記事でも写真をいくつか使わせていただいています)と、わたしがカメラを担当したときにべビヨさんを抱えたり置いたり掲げたりしてくださったフォロワー各位、その節は大変お世話になりました。腕と肩が無事であることを祈ります。

1月:海辺

まず大原則として、何せ遠い昔のはるか彼方の銀河系の住民がモデルですので、日本の四季には沿う一方でこの世界の風習をあまり前面に押し出したくないという気持ちがありました。たとえば、12月といえばクリスマスだけれども、メリークリスマスという文言やサンタクロースのモチーフは入れずに撮ろう(実際、スター・ウォーズ世界ではクリスマスに近い催事としてライフ・デイというものがあるのですが)などの工夫はしました。
ともあれ、1月は新しい年の始まりです。めでたいです。めでたいから日の出がいいなと思いました。しかし日の出を待つのは早朝すぎて嫌なので「別に日の出でも日の入りでも見栄えは変わらないでしょ」と夕日を撮ることにしました。年の初めから隠し切れぬ適当さが滲み出ています。

撮影当日、日中は雲ひとつない晴天でした。これは期待できる…!と日の入りを目指して海岸に向かったところ、まあ見事に雲が出てガスのかかった空になっていました。海の天気は変わりやすい。

でもこれはこれで柔らかい色合いがべビヨさんの雰囲気に合っていて良かったです

べビヨさん、足裏の面積が非常に小さいため、撮影時には足場の安定が第一に求められます。つまり砂浜で自立するわけがないのでとにかく埋める。足首まで砂に埋める。

埋めるのですか?埋めるのですね?正気ですか?という顔をしている

インスタグラムにありそうな写真を目指して、波打ち際に足跡を付けてみたりもしました。エモいね。

足ちっちゃ………🥺

2月:おやつ

2月で思い浮かべるのはやはりバレンタインデー。というわけでお菓子を添えて撮影しました。

友人「クッキー食べたさにフォースで蓋を開けているように見える」わたし「……ほんとだな!?」

べビヨさんといえば無尽蔵の胃袋。かわいらしいアイシングクッキーは、以前別件でもお世話になった方が作ってくださいました。すごーい!

絵心なし人間ゆえ尊敬しかない

ちなみに、このクッキーを作るにあたってグローグーの動画をたくさん見てくださったそうで、すっかりかわいく思えてきたとのコメントを頂きました。ドラマ是非ご覧になってくださいよろしくお願いします。
撮っては食べ撮っては食べをしていた、あらゆる意味で大変美味しい撮影でした。青いマカロンの欠片は撮っている最中の思い付きだったため事前の用意がなく、たまたま持ち合わせていたワセリンを口元に塗って箱に残っていた欠片を付けました。サンキューワセリン。

3月:おでかけ

子どもたちにとっては待ちに待った春休み。ということでべビヨさんにも遊びに出かけてもらいました。行き先は、そう、天下の東京ディズニーランドです。

mocriで通話しながら『マンダロリアン』2シーズン全16話を一緒に視聴マラソンするという濃密な時間を過ごした間柄のフォロワーがこの企画に乗ってくださったので、撮影云々より遊べるのが嬉しくて小躍りしながら舞浜駅へ向かいました。
カエルの卵無限踊り食いの第一人者としても知られているべビヨさんですが、あのときの水槽っぽい写真が撮れるのではないかと一心に信じて向かったトゥーンタウンにていい感じの撮れ高で仕上がったので良かったです。

魚さん、背後に気を付けてほしいです
どっちも上目遣いで目線が合わない〜!!解散!!!!!

子どもが乗りそうなアトラクション=乗っている間も撮影可能なアトラクションの式がおおよそ成立するため、父親代わりのマンドーと遊園地で遊ぶべビヨさんの幻覚を見つつファンタジーランドやアドベンチャーランドの乗りものに片っ端からチャレンジしていきました。

アリスのティーパーティー。パステルカラーの申し子すぎて背景に埋没しボツになった
よく見るとお腹周りにお子さま用ベルトを巻いてくださっている。天才。
イッツ・ア・スモールワールドにてカエルを見つめるべビヨさん
マークトゥエイン号から見る夕日が綺麗だった

スター・ツアーズ近辺をうろついている間以外は基本的に「得体の知れない緑のグレムリンみたいなものを抱えており誠に恐縮です、これでも一応スター・ウォーズのキャラクターなんで平にご容赦ください」の気持ちでいたのですが、意外にキャストさんや行き交うゲストの方々から「グローグーだ!」「ベビーヨーダかわいい!」の声を頂くことが多く、それはそれで大変恐縮でした。ウエスタンリバー鉄道に乗っていたとき、隣に居合わせた母娘連れのお二人がべビヨさんのことをかわいいと褒めてくださってありがたかったです。よく分からないフィギュアを前にド真剣な顔でシャッターを切っていても深く突っ込まずなんとなく構っていただける優しさに救われています。

4月:花

4月。春の訪れ。冬を乗り越え、今か今かと力を蓄えた蕾が美しく花開く季節。
とはいえ春まで待っていたら新年度を迎えてしまい2023年カレンダーとしての用を成さない(年度に合わせて4月始まりのカレンダーにすれば?との理性的なアドバイスも頂いたんだが、わたしが早く使いたかった)。
コロナ前までディズニーランドおよびシーの年間パスポートを持っており両パークへ通い倒していたわたしは「いやでも12月末になるとシーの花壇でチューリップ咲くじゃん、あれにしよ」とオタク特有のフッ軽発想で撮影地を決めていたのですが、そこに登場したのが、ディズニーシーの新しいショー『ビリーヴ!』。とても素晴らしいショーなのでご興味ある方には是非とも鑑賞をお勧めしたい一方、ショーが始まって以降園内は大盛況、なかなか花壇前でゆっくり写真を撮れるような状況ではなくなりました。どうしようかな…と思いつつ【関東 アイスチューリップ】で検索して表示された候補の中から「たくさん咲いてそうだからいい感じに撮れる気がする」というゆるりとした理由で行き先を決めたのですが、

流行りのインスタ映え風写真を撮ってみたかったなどと供述しており

めちゃめちゃ咲いとるがな。おまけに人が少ない。やったぜ。
なおアイスチューリップとは、球根に特殊な処理を加えてしばらく冷蔵し、冬が来たと一旦勘違いさせて早めに咲かせたチューリップのこと。人間の都合で弄り回されて申し訳ない気もしますが、彩りの少ない冬にはありがたい花です。
「毎年この時期にアイスチューリップ撮りに来てますが…」とばかりに落ち着き払った様子で、光を求めてひまわりのごとく太陽の方を揃って向き地面スレスレで白レンズ(※要するにめちゃ高レンズのこと)をつけたカメラを構える歴戦の強者たちに混じったり混じらなかったりしながら、がんばって写真を撮りました。

頭の産毛がきらきらしている…🥺🥺
よちよちサイズなので抱えてもらわないと花の高さに合わない……
ので、抱えてもらったお礼にフォロワーの推しを撮りました
被写体を撮っているひとを撮った写真、いいと思います。

撮影したのは千葉県の某公園。辿り着くまでにかなり時間がかかったのもあり、せっかく行ったからには色々大変だったこととか面白かったこととかそういう話ができたら良かったんですけど、帰り道で最寄駅が梨の妖精に侵食されていたことに気付いてしまいすべてを持っていかれました。

「やりたいことは分かるけど無理矢理すぎる」「字ちっさ」
ねこ……
10周年という文字に怯えてしまった(ちなみに帰路はこのラッピングトレインに乗りました)

5月:キャンプ

初夏ですね!世間はゴールデンウィーク!軽井沢でも行く?というノリでキャンプをしてもらいました。
近頃二児の母になった従姉から借りてきた子ども用キャンプセット(おもちゃ)を抱えて現れたわたしを見たこの日の撮影担当こと成田さんより「わあ」「やばい」「すごい」の感想を頂きつつ、だだっ広い公園のあまり人気がない端の方でテントを組み、おもちゃを並べ、撮影し、撤収。当日の空模様があまり良くなかったこともあるけれど、多分最も短時間で終わった撮影だと思う。

おままごとが楽しくなりそう!後日従姉の子どもたちとこれでしっかり遊びました

気の抜けたマンドーさんはYogiboのふかふかぬいぐるみ。本来なら泣く子も黙るつよつよ賞金稼ぎであるはずの彼ですが、人生を諦めたような脱力具合が好きです。

ドラマ本編では絶対に見られないであろうしどけない寝姿

この公園、広大な芝生の広場を有していて気持ちが良くそれこそ桜の時期や初夏には友人たちとよく遊びに行くところなのですが、来年また菜の花や桜が咲く頃にべビヨさんを連れて季節の花々と写真を撮るのもいいなと思うなどしています。もし目撃するようなことがあればそっと見守ってやってください。

6月:梅雨

社畜にとっては悲しすぎる、祝日のない月です。そして梅雨です。気分が上がりませんね。
これしかないと思いました。

レインコート、思ったより似合っていてドン引き

雨具を生かすためにも水で濡らしたいということになり、しかして楽しく水遊びできるような豪邸の住人でもないので、本来であれば刀剣乱舞とか原神とかなんかそういう系のかっこいいコスプレイヤーさんが水飛沫を上げながら得物を振り回す素敵な写真を撮るであろうスタジオへ赴きました。
つよそうなカメラマンのみなさまがコスプレイヤーさんたちの準備を待ちながら談笑している様子を横目にホースで狙ったところへうまいこと水をかける練習をしたり、

水切りカゴさん、その節はありがとうございました

容赦なくべビヨさんにホースを向けたり、

梅雨というより局地的豪雨

びしょびしょになったべビヨさんの顔を適宜拭かせていただいたりしました。

酷使してごめんな…

なかなかに大変でしたが、ホースの扱い方という夏に役立ちそうなライフハックを得ることができたので良かったです。
ちなみにここだけの話ですが、水を張ったスタジオにべビヨさんを普通に立たせ、その背後に脱ぎ捨てたレインコートと長靴がぷかぷか浮いているというシンプルかつ苦労のない写真を撮ろうと構想段階では考えていたことを今思い出しました。ここだけの話です。

7月:夏空

夏らしい青空を入れたいなという思いがぼんやりあったのですが、上記のとおり本腰を入れてカレンダーのための撮影を始めたのが秋口だったこともあり、まあどこかでそれっぽいのが撮れたらいいな…多分なんとかなるだろ……というこれまたぼんやりした気持ちでいました。
結局採用したのは、ディズニーランドでの撮影時、タトゥイーンの峡谷っぽい空気が味わえるのではないかとの思い付きで久々に向かったトムソーヤ島での写真です。画像を整理していたときにいい感じに空が映っていたのに気付き、あとは現像という名の力技でどうにかしました。

現像前の元データ。夏休みの自然溢れる旅行先で滝を見にきたということにしておいてください。

トムソーヤ島、大人になってからなかなか行く機会がなかったのですが、改めてじっくり回ってみるとかなり楽しかったです。島中あちこち散策して、もはや記憶にないエリアを再発見したり、カメラとべビヨさんを抱えて渡る樽橋がそこそこにスリリングだったり、同行してくださったフォロワーのおかげで水車小屋にて新たな知見を得たりしました(件の映画見直しました:私信)。

えっ…かわいいじゃん…?

なお、このディズニーランド撮影にお付き合いいただいたフォロワーがマンダロリアンを意識した銀色のライダースジャケットをわざわざ探して当日着てきてくださって、天才かな…と思いながらしばらくこういう写真を撮っていました。

いのちあたたか

以下はドラマをご覧になっている方向けの余談ですが、わたしは作中に登場するモス・ペルゴ、現フリータウンのひとたちがとても好きです。あの砂漠のど真ん中にポツンと存在する小さな町は、特に『マンダロリアン』のスピンオフ作品『ボバ・フェット(原題 "The Book of Boba Fett")』での描かれ方で顕著ですが、あたかも往年の西部劇にしばしば登場する「よそ者が流れ着き、流行っていない酒場で酒を喰らい、町にひとつしかない大通りにて早撃ちを競っては死んでいく」場所のようです(フリータウン回のタイトルが"From The Desert Comes A Stranger"なのもとても分かりやすい)。このマカロニウエスタン風の描写は、たとえばフリータウンの保安官であるコブ・ヴァンスと賞金稼ぎキャド・ベインの対峙シーンからしても明らかに意図的なものだと推察します。
今回撮影のためにハロウィンイベントが終わったばかりのディズニーランドへ行ったとき、ウエスタンランドで馬具やカウボーイハット、ブーツなどがオーナメントになっているクリスマスツリーを発見して「ここはもしやディズニーランドで吸えるフリータウンでは!?」と騒ぎ、同じくウエスタンランド内にある射的ができるアトラクションにて「酒場が改装されている…さてはフリータウンだな…?」と首を傾げ、なんなら撮影より前に同エリアのカレー屋さんで食事をした日も「保安官の事務所がある!コブさんの職場!?フリータウンじゃん!!!」と大はしゃぎしました。今も行くたびにはしゃいでいる。あまりにも幻覚を見すぎています。

撮影当日はまだライトアップされていなかったため後日再訪しました。手作り感がアットホームで素敵!
ここはカレー屋さんの一角。近くのお土産物屋さんで保安官バッジ売ってたから買っちゃった……
これもカレー屋さんの店内。投獄されながらカレーを食すという稀有な体験(?)ができる
お子さまセットのカレーはわたしが撮影後美味しく頂きました(大人でも頼めるよ)

8月:花火

来年3月から放映開始予定の『マンダロリアン』シーズン3の予告編に、グローグーが花火を見つめるシーンがあります。父親代わりのマンドーの膝に乗って抱っこされている時点で情緒がだいぶ乱れる予告編ですが、ほえ〜…という表情で花火を見上げるグローグーに心の中でおいおい泣いた初見時の己の記憶を大事にしたかったので、サイドショウ産べビヨさんにも花火を見てもらうことにしました。夏だしね。

8月用の写真ですが、実際に撮影したのは11月末。花火の季節はとうに過ぎていたため、自宅近辺にあった花火専門店で(そんなお店が自分の生活圏に存在したことを今回初めて知った)国産のお高め線香花火を買うなどしました。国産が良かったのか中国製でも十分だったのかは今となっては謎です。冬の冷たい夜風、そしてひとつひとつムラのある花火、対よろするには少々難敵だったと思いますがわたしは花火を持って数ヶ月遅れの夏を満喫していただけ、挑んでくださった成田さんに超感謝です。ギリギリで成功したので購入分を危うくほぼ使い切るところだったけれど、残った花火は成田さんに楽しく遊んでもらいました。わ〜い。

9月:秋祭り

「まだ思い付きレベルなんだけどべビヨの映え写真撮ってカレンダー作ろうかなみたいな気分になってさ〜」という話を周囲にした際に「縁日に行くべビヨ、かわいいんじゃない?」の意見を各方面よりもらいました。子どもだからかな…。
金魚すくいに類する遊びがあの世界に存在するかは不明ですが、おたまじゃくしすくいがあったとしたら間違いなく乱獲するんだろうなと慄きつつカエルのおもちゃを撮影用に準備し、その話をすると「そりゃそうだ、金魚でもカエルでも絶対フォースでうまいこと捕まえて丸呑みしてマンドーに『ノー!』って叱られるやつでしょ」と軒並み同意のコメントが寄せられる始末。
べビヨさんがカエルを頭から丸呑みしたり卵をずるずる啜ったりと暴食っぷりを発揮するシーンを前に「いたずらっ子でかわいいね〜」「食いしん坊でかわいいね〜」な感想をお持ちな視聴者の方々もおられるかと存じますが、わたしは「こいつはなかなかやべぇな」と戦慄した側の人間です。べビヨさんがマックロクロスケと共演することになった際も「捕食だ…手も口も真っ黒になるやつだ…」と危ぶんでいました(実際はほのぼの路線だったので心の底から謝ったけど、あれがジブリじゃなかったらやっぱり一度は口の中に入れるぐらいしてたんじゃないかと思う)。ゆえに、うっかりすると「カエルを爆食いするべビヨさん」になってしまうところを「カエルが大好きだからおもちゃをねだって買ってもらうべビヨさん」になんとか軌道修正を試みながら撮影しました。成功したかは分かりません。

だけどやっぱり連行される仲間を追いかけるカエルたちに見えてくる

マンドーと一緒に夜出歩くならS2E1冒頭に登場する惑星のように寂れた路地裏っぽいイメージがいいなと場末感を求めた結果、ボイラー室で撮ることに。
ストームトルーパーのお面とカエルの入った袋はAmazonで買ったのですが、後者は「縁日セット」というポイやらスーパーボールやらがひとまとめになった自宅で縁日気分を味わえるアイテム詰め合わせセットで入手しました。撮影ではせいぜい袋数枚しか使わないゆえ大量に余った縁日セットをどうしたかというと、いい年した大人たち6名で後日スーパーボールすくい選手権を執り行うことに。振り返って思うに、我が両親は縁日の屋台で子どもを遊ばせないタイプの親で、わたしもやりたいとごねたことがなく(ねだっても却下されると分かっていた)、真剣にポイを握ったのはこれが初めて。こんなところで失われた夏の思い出増やしてもな…

暗いところでの撮影になると分かっていたのでケミカルライトをポキポキ折って撒いたりもした

10月:おばけ

「この世界の風習に寄せるのはちょっと…」とは言ったが10月だけは許してくれ。ハロウィンだけは譲れなかった。なぜならシーツを被って雑仮装してほしかったから。間違いなくかわいいという確信があったからだ。

ほら!かわいい!!!!!

大丈夫です。ドラマをご覧になっている方々はきっとかわいいと思ってくださるだろうから大丈夫です。事前に写真を見せた友人知人フォロワーも「かわいい」と言ってくれたので大丈夫ったら大丈夫なんです。しかしもはやこれはべビヨさんというより『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のゼロなんだよな。

「絶対自分でシーツ踏んで転ぶでしょ」「転ぶね」

実際にはシーツを被って雑仮装するのはマンドーの方でめちゃくちゃ気合の入ったコスチュームをグローグーに与えるパターンかもしれないし、自分で拾ってきた銀色のバケツを被ってよちよち歩くグローグーにヘルメットの下で人知れず涙するマンドーかもしれないし、両名お揃いの仮装でバチバチにキメてくるかもしれないし、まあ真相はおそらく明かされぬままでしょうが、何にせよトリックオアトリートと言ってくれたら大量のカエルグミを差し上げますので来年のハロウィンは是非とも我が家の玄関先に寄ってもらいたいものです。

一応、お菓子にまみれた「普通の」ハロウィン写真も確保しておいた。光る飴が楽しくてテンション上がりました。

11月:紅葉

自分が11月生まれなこともあって、この時期が一年のうちで最も好きです。学生の頃に神宮の銀杏並木や代々木公園を意味もなくうろついて秋の気配を満喫していたわたしですので、やはりここはべビヨさんにも紅葉を見ておいてもらおうかなと思いました。この月の写真は11月中の撮影だったので、リアルタイム紅葉でお届けしています。

紅葉狩りを楽しむべビヨさん
寺で佇むべビヨさん
秋の空気をいっぱいに吸い込むべビヨさん(推測)
これはもうよく分からない

グローグーとマックロクロスケの公開後に禅寺の端っこで撮ったのですが、お土産物屋さんで禅宗Tシャツが売られていて(「禅」とか「○」とか)ちょっと微笑ましい気持ちになったのを覚えています。あのアニメーションの最後で出てきた「○」は欠けることのない真理や悟りの境地を示していると言われていますが、海外の友人たちからあれの解釈について「自分はこう考えるんだけど日本人としてどう思う?」とたくさん意見が寄せられてきて、勉強熱心で教わることが多いなあ…としみじみ感じました。思い返せば『ボバ・フェット』でアーマラーさんがマンドーさんのために用意したプレゼントを包んでくれた布の柄が風呂敷や着物などでよく使われる矢絣(前に真っ直ぐ飛んで戻ってこないことから、「出戻りしないように」と嫁入り時に持たせることの多かった縁起物)であることも海外オタクのツイートで気付いたし。みんなすごいや。

12月:プレゼント

毎年この時期、我が家ではLEGO社が発売するスター・ウォーズのアドベントカレンダーをちまちま開けることにしています。べビヨさんにも是非開けてほしいところだったのですが、このフィギュアの可動域はあいにく首のみ。手が動かないので潔く諦め、プレゼントに囲まれてもらうことにしました。ハッピー!
ところで今年のLEGOのホリデー短編ご覧になりました?マンドーサンタがタトゥイーンでプレゼントを配り歩く最高のストーリーでしたので、未見の方にはお勧めです。

べビヨさんの背後にあるのが2022年のアドベントカレンダー

クリスマスといえば赤と緑。しかしながらスタジオの内装は青トーン。星型のランプが気に入ってしまったので仕方ない。あまりクリスマス感も出したくない。ただでさえ少ない青系のラッピング用品やオーナメントの中から、さらにこのスタジオの雰囲気から浮かないものを延々と探し求める間、2022年イチで己のことを恨みました。

ルークが じっと みている!!

もらったプレゼントを開ける際、日本人は割と丁寧に包装紙を剥がす傾向にありますが、アメリカなどでは「Rip it! Rip it!(ちぎっちゃえ!)」と掛け声がかかるほどには遠慮せずビリッといきます。文化の差ですね。べビヨさんも躊躇なく裂くだろうなという確信があったので、せっかく綺麗にラッピングしておいてなんですがわたしも当日スタジオで一部ちぎりました。なおプレゼントに使われているフィギュアはすべて私物です。日本にあまり入ってきていないブラックシリーズのコブ・ヴァンスはアメリカの友人が送ってくれました。持つべきものは友。もったいなくてまだ箱から出せていません。
そして一応カエルだしねということで家にあったカーミットのぬいぐるみを置いた途端、増し増しになるセサミストリート感。

画面左端だけ急に陽気

アドベントカレンダーもせっかくなので現場で開けました。クリスマス仕様のマンドーさんとべビヨさんは去年のセットです。かわいいね。

対象年齢5歳〜だけどこの50歳は張り切って誤飲しそうなので気を付けてあげてほしい

おわりに

撮影に向けあれこれ準備をして当日を迎える、このプロセスが一番楽しかったこともあって正直カレンダーは副産物みたいなものなのですが、友人知人に生暖かい目で見守られつつ進めているなかで新しいフォロワーと知り合えたり、たくさんの方々に応援や励ましの言葉を頂いたり、先述したように親しくさせていただいている一部のフォロワーにおいては手を貸してくださったりと、ありがたいなと思うことが多々ありました。この場を借りて御礼申し上げます。
ちなみに友人から「食いしん坊キャラなんだから来年のカレンダーは四季折々の食べものを添えたらいいと思う、9月は当然月見バーガーでしょ」と言われているので、もし次回があるとしたら9月は月見バーガー、12月はバーレルチキンになる可能性が高いです。実は人生で一度も月見バーガーを食べたことがないわたしですが、よろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?