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保育園のハロウィン👻

といっても田舎である。
一応イベントいたいなことは企画されたが、園長先生も保育士もハロウィンがいったいなんの行事なのかなど、わかっちゃいない。もちろんわたしもよくわからず。めんどくせぇな、くらいの感じでハロウィンウィークの週末を迎えた。

その日は午前中にお化け屋敷をした。

もちろん古式ゆかしい日本のお化け屋敷である。入れば提灯がぶら下がってたり、犬神家の墓が飾られていた。お化け役の先生は犬神家の墓から霧吹きで子どもに水を掛ける。これがよほどびっくりしたのか、私の受け持つ二才児の子はだいたい泣いていた。

おばけなんて怖くない!って言ってた子ほど、お化け屋敷から出てきたときは顔面蒼白だった。

ビビりまくったり、恐怖で泣き叫ぶ子どもを見るのはなかなか面白い。

しかし、そんな風に人が恐怖を感じて反応する姿を「面白い」と笑う感情ってあんまり良くないよネ……とは思いつつ、やっぱりたまんない。

この日は一日「おばけがくるよ!」とさえ言えば子どもは何でも言うことを聞いてくれたので、お化け屋敷は保育園内に常設展示しても良いのではないかと思ってしまった。


午後のおやつの時間は、なんやら園長が張り切って各部屋を回るというので、そのためにおやつを我慢して子どもたちを待たせていたのだが、なかなかやって来ないので、到着を待たずに先におやつを食べることにした。

いただきまーす!

いつもより待たされたおやつ、やっと食べられた!そのとき、園長一行はやってきてしまった。

「みなさぁーん!ハッピーハロウィーン!」

べつに菓子などをくれるわけではない。
ただ、園長と主任と給食の先生というおばさんたちが、なかなか痛めのコスプレをしているだけなのだ。

ミュージシャンのイルカのようにオーバーオールをお揃で着て、頭に豚の被り物をした3匹のこぶたと、赤ずきんちゃんと、赤ずきんちゃんのおばあちゃんのコスプレをした50絡みのおばさんたちなんかはしゃいでる。

しかし、子どもはもうおやつが食べたいのだ。

う、うけてないわ、私たち!と園長は少し焦りながら、さらに
「みんなー、ハッピーハロウィーーーーン!」

子どもたち「しーーーーーーん」

静かどころか、できるだけコスプレ5人衆を視界にいれないよう、おやつに集中している。明らかに昼のお化け屋敷よりヤバいものを見たという顔をしていたぞ、子どもたち。

私はその光景というか、微妙すぎる空気が面白すぎて、マスクの中で笑いをこらえるのに必死になってしまった。

ハロウィンも、こんなに笑えるのかとちょっと見直しちゃったね。

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