「体ほぐしの運動」が笑顔の体育授業を生み出す可能性



まず本稿を書き上げる前提として、子どもたちが笑顔で体育の授業に参加し、笑顔で運動することが大切であることを共通理解しておきたい。

かつて、体力向上のため、体力テストの数値を上げることが大切だとして、運動量を無理やり増やし、強制的に運動させる時間をつくることが、業間体育として全国で流行した時期があった。

できるようにさせることが体育だという主張が盛り上がり、「逆上がりはできるようになったが、もう二度と逆上がりをしたくないと泣く子どもたち」を生み出したこともあった。

生涯体育・スポーツにつながらなかったこの過去を反省し、体育の価値観を変える領域が誕生した。それが、体ほぐしの運動である。それまでの体育は、右肩上がりで運動ができるようにならなければだめだと思われていたが、できなくてもよい、右肩上がりでなくてもよいという領域が提示されたのである。
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以来、大学や小学校の研修会や講義、授業などで体ほぐしの運動をすると、どの会場でも子どもや参加者の笑顔が生まれた。
今まさに運動の二極化現象を抑え、どの子も笑顔になる体育のために、体ほぐしの運動を学び直す必要があると僕は切実に思う。

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