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デヴィッド・スーシェ(David Suchet 1946.5.2- )『名探偵ポワロ 第28作 盗まれたロイヤル・ルビー』1991.2.24 The Theft of the Royal Ruby

デヴィッド・スーシェ
(David Suchet 1946.5.2- )
『名探偵ポワロ 第28作
 盗まれたロイヤル・ルビー』
The Theft of the Royal Ruby
脚本 アンソニー・ホロウィッツ、クライブ・エクストン
1991年2月24日(英・ITV)
日本語吹き替え 46:02
https://www.youtube.com/watch?v=kU3SqeGghH0

2023年11月20日に観ました。前回は、
2020年6月17日、三年半ぶりです。

原作
"The Adventure of the Christmas Pudding"
単行本
The Adventure of the Christmas Pudding,
Collins, October 1960 (UK)
収録・書き下ろし 短篇第54作

「クリスマス・プディングの冒険」
『クリスマス・プディングの冒険
(クリスティー文庫)』
橋本福夫訳
早川書房 2004.11
https://www.amazon.co.jp/dp/4151300635

https://poirot-database.web.app/episodes/ruby.html
「名探偵ポワロ」データベース
「ミス・レモンがクリスマスを過ごすという「おばさんのところ」は
原語では Torquay (トーキー) と具体的な地名を挙げられており、
これはイギリス南西部デヴォン州にある海辺の保養地で、
クリスティーの生まれ故郷」

「ポワロが「さる公爵から」教わったと言う
マンゴーのさばき方は、
エリザベス女王の夫君である
エディンバラ公フィリップに、
デビッド・スーシェ自身が教わったものだという。
それは1990年のスーシェの誕生日に、
女王からの招待を受けて
非公式に開かれた食事会の席上のことで、
スーシェがマンゴーのさばき方がわからずに
困っていることを告白すると、
公爵が実際に手本を見せてくれたという。
その帰途、スーシェは直ちにプロデューサーの
ブライアン・イーストマンに電話でこの逸話を伝え、
ポワロがマンゴーのさばき方を披露する場面が
本作品に追加されることになった。
仕上がった作品をバッキンガム宮殿に送ったところ、
本作は故エリザベス皇太后のお気に入りの作品となり、
またエディンバラ公はその後スーシェと会うごとに
「マンゴーの人」と呼ぶようになったという。」

http://stsimon.seesaa.net/article/495019966.html
「ポワロがマンゴーを上手に処理するシーン
このエピソードについて、
『ポワロと私 デビッド・スーシェ自伝』
に詳しい話が語られています。」
原書房 2022.10
https://www.amazon.co.jp/dp/4562071990

https://www.wowowplus.jp/poirot/sakuhin28.html
「原作の題名は『クリスマス・プディングの冒険』。
プディングという名称は、日本では専ら"プリン"として知られていますが、本話でも視認できますように、日本のプリン菓子とはかなり違います。もともとプディングはイギリスの蒸し料理全体を指す名称で、その一種である菓子のカスタード・プディングが日本のプリンに相当するものの様です。
イギリスでは、クリスマスを祝うデサートとして各家庭で作られる際、プラムが使われることが多く、クリスマス・プディングはプラム・プディングという名でも親しまれているそうです。劇中で見られる様に、家族で代わる代わるかき混ぜ、蒸し上げる前に小物を混ぜ込み、切り分けられた時、それを引き当てた者に幸運が訪れる、と云うのが伝統的なならわしだとか。」


丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「マイ・スィン 第1回
 クリスマス・ストーリーについて」
 『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン』
1961年10月号

「『クリスマス・プディングの冒険』が東京では
[1961年]六月に刊行されたと聞いたなら、
エルキュール・ポアロは、灰いろの脳細胞をさんざん働かせて――
「なぜ十二月ではないのだろう?」――
そのあげく「判らない「と呟くにちがいない。

ミス・マープルは網物の手を休めて考えこみ、
日本人は季節感を持たない国民なのかしらと怪しむだろう。
パーカー・パインはそれを遮って、
いや、彼らは俳句を作る種族なのだと知識を披露し、
それから先は沈黙するだろう。
そしてトミーとタペンスは、例によって手分けして、
朝日新聞社ヨーロッパ総局や日本大使館を訪ね、
さらには大英博物館で膨大な資料を漁った末、
これは日本のジャーナリストの、
世界に冠たる敏捷さがもたらしたものだと結論するだろう。
「ねえ、タペンス、なかでもいちばん機敏なジャーナリストを
集めているのは、早川書房というパブリッシャーだってさ」

もちろん、クリスマスストーリーが六月に刊行されても、
それはいっこう差支えないはずである――
もし読者が十二月にそれを読むのであれば。
しかし、まだ読んでいないアガサ・クリスティーの本が手元にって、
しかもそれを半年、読まずに我慢することなど可能なものだろうか?
ぼくは意志強固な男ではない。汗みどろになって
『クリスマス・プディングの冒険』を読んだ。
そして、季節感がおかしくならないように、ときどき、
おまじないとして鬼貫の句――
「そよりともせいで秋立つことかいの」を口ずさんだ。
クリスティーの描写力はすばらしく、
ぼくは完全にイギリスの田舎のクリスマスへ、
ポワロと共に客となっていた」
創元推理文庫 p.247

福永武彦(1918.3.19-1979.8.13)
中村真一郎(1918.3.5-1997.12.25)
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『深夜の散歩 ミステリの愉しみ』
早川書房 1963.8
https://note.com/fe1955/n/nf236daad7399

https://ameblo.jp/oldstudent/entry-11418015490.html
丸谷才一「マイ・スィン」拾遺
冒頭献辞
「『マイ・スィン』の第一回は
 中村真一郎氏へと捧げられる。
 彼の『バック・シート』は
 ぼくをたいそう楽しませてくれたから。」
「献辞は単行本では
すべて省かれていますので
ついでといっては何ですが
誰に当てたものかを
to の後に書いておきました。
以下、カッコ付き数字の回が
単行本未収録回です。」

福永武彦(1918.3.19-1979.8.13)
中村真一郎(1918.3.5-1997.12.25)
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『深夜の散歩 ミステリの愉しみ
(創元推理文庫)』
東京創元社 2019..10
416ページ
単行本未収録回他収録
「マイ・スィン」巻頭献辞未収録
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488478124
https://www.amazon.co.jp/dp/4488478123

2021年12月4日購入
アマゾン中古 796円
https://note.com/fe1955/n/n26e000989c48


丸谷才一さん(1925.8.27-2012.10.13)の、
最初の、
翻訳以外の著書は共著で、
「一度も重版になはらなつた」
『決定版 深夜の散歩 ミステリの愉しみ』
講談社 1978.6
p.287
とのことです。
「マイ・スィン 第1回」の
「ぼく」は三十五歳なんですねぇ、まだ。

https://note.com/fe1955/n/n88bf8d485333
ユーチューブで観られる
『名探偵ポワロ』全70話


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