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東理夫(ひがしみちお 1941.8.2- )『ミステリ亭の献立帖』晶文社 1988年1月刊 221ページ  エッグス・ベネディクト  ピンク・ジン いちばん古いカクテル

東理夫(ひがしみちお 1941.8.2- )
『ミステリ亭の献立帖』
晶文社 1988年1月刊
221ページ
http://www.canoe-ken.com/cgi-bin/books/book.cgi?id=07785
https://www.amazon.co.jp/dp/4794958714
https://www.amazon.co.jp/dp/4794957629

「ミステリを読む楽しみは、主人公たちが食べる料理を
味わう楽しみでもある。
料理好きの探偵スペンサーはいうまでもなく、
ソフトボイルド・エッグに目がないフィリップ・マーロウ、
自宅でサンドウィッチを作るサム・スペード、
そしてグルメの貴族ジェイムズ・ボンド‥‥など。
52のミステリの食事シーンに、その料理をめぐるエピソードと
レシピを添えて、ミステリーのおいしい食べかたを紹介した本

目次より
「不本意の満腹
ロバート.B.パーカー『告別』」
「合言葉は度胸
レイモンド・チャンドラー『マーロウ最後の事件』」
「中年のサンドウィッチ
ダシール・ハメット『マルタの鷹』」
「荒野のコーヒー
トム・クランシー-『レッド・オクトーバーを追え』」
「趣味のダイエット
ビル・プロンジーニ『復讐』」
「おめでたい選択
ウォーレン・マーフィー『二日酔いのバラード』」
「ホット・ケーキの拷問
R.H,シャイマー『密殺の氷海』」
「心の啓蟹
ジャック・ヒギンズ『鷹は舞い降りた』」
「元気の出る茶
ジョン・ル・カレ『寒い国から来たスパイ』」
「ベランダ菜園の功罪
ジェフリー・アーチャー『大統領に知らせますか?』」
「豊かさの証明
ケム・ナン『源にふれろ』」
‥‥など」

2012年6月23日読了
福岡市総合図書館蔵書

『週刊読売』
1985年12月1日号~1986年12月28日号
連載52篇

『スペンサーの料理』
早川書房 1985.8
https://www.amazon.co.jp/dp/415203291X

の著者による、
ミステリに登場する料理のレシピ付ブック・ガイドであり、
「1986年という年の、東京という町で読んだミステリーと、
<食> に対する感じ方を書きとめた」p.220
エッセイ集。

ロバート・B・パーカーの
『告別』1985.4 の
ポップコーンで始まり、
『キャッツキルの鷲』1986.7 の
フレンチ・トーストで終わります。

読んだことのないミステリと
食べたことのない料理が
次々に登場する美味しそうな楽しい本でした。

「ポプコーンをうまく食べる方法もある。
自分で作ることだ。
一度でも作りたてのあつあつを食べたことのある人なら、
もう出来あいを食べようとは思わないにちがいない。
ポプコーンが料理かという人もいるだろうけど、
これはもう立派なものだ。」
p.12「不本意の満腹」

我が家では、子供が幼稚園に通っていた頃(1983-86)、
ポップコーン用のトウモロコシを買ってきて、
作って食べていました。
熱い出来立ての美味しかったこと!
もう三十年ぐらい食べていないような気がします。

「ホットドッグは小腹のすいた時の
気なぐさみ的食べ物なのである。
安くなければ価値がない。
もともとは熱いソーセージを売る時に
指を焼かないようにパンではさんだ
ものがはじまりだという。
すなわちパンは手袋の代用なのである。」
p.44「ソーセージ用手袋」

「ごく一般的なホテルの食堂でなら
7ドルも出せば食べられるのが
エッグス・ベネディクトで、
パリパリに焼いたイングリッシュ・マフィンを
二つ割りにしてその両方の上にうまく焼いた
カナディアン・ベーコンをのせ、
そこに一つづつポーチド・エッグを のっける。

上からトロリと熱々のオランデーズ・ソースをかけ、
おもむろにナイフとフォークを駆使して食するのである。
昼近くの陽差しに黄金色に輝くシャンペンを友とする
このマフィンのブランチ……
ああ今思っても喉仏が上下する……。」
p.98「粉食万歳」

https://www.olive-hitomawashi.com/weekend_recipe/2019/07/10-4.html
約10分でとろっと美味しい!
エッグベネディクトの作り方


 「[ディック・フランシス 『利腕』1979 の
主人公、シッド・ハレーの]
義父[チャールズ]は好んで <ピンク・ジン> を飲む。

ピンク・ジンはジンにプリムス・ジンを使うのが本物で、
これにアンゴスチュラ・ビターズを振ったもので相当キツイ。
いわばベルモット抜きのドライ・マティーニである。

イギリス海軍では愛飲されているそうで、
その点からも義父[退役海軍少将]にふさわしい。
名前はソフトだが、味はハード。」
p.208「義父との正しいつき合い方」

「翌日[木曜日]、例によって
キャベンディシュ[ホテル]で
チャールズと落ち合い、
会場のバアの肘かけ椅子に座った。

「で、次の木曜日の昼食は?」
私は微笑して、
彼にピンク・ジンのダブルを買った。
「それには戻ってきます」
私たちはワイン・アンド・チーズ・ソースの
ホタテガイを片手で食べ、
その間に彼がジェニイのことを話してくれた。

私はホタテガイを食べ終えると、
椅子によりかかってチャールズの
冷たい上等の白ワインを飲んだ。」
ディック・フランシス
『利腕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』
菊池光訳 早川書房 1985.8 p.127
https://www.amazon.co.jp/dp/4150707189

「ドライ・ジンとアンゴスチュラ・ビターズをシェークして
 カクテルグラスで出すのがピンク・ジン
 それに対しジン&ビターズは
 リキュール・グラスにビターを数滴いれる
 グラスを横にして回転させながら内側全体にビターズをぬる
 残っているビターズはグラスを振り切って捨てる
 冷蔵庫でよく冷やしたプリマス・ジンをしずかにそそぐ
 このカクテルは いちばん古いカクテルではないかといわれていて
 こっちの方を好むバーマンも多いのです」
古谷三敏
『BARレモン・ハート 11
 アクションコミックス』
双葉社 1994.7 p.15
PART.135「恩讐のジン&ビターズ」

「イングランド南西部のプリマス港にはイギリスの海軍基地があり、
そのためかこのジンは、海軍御用達となってきた」p.14
https://www.amazon.co.jp/dp/4575819689


読書メーター
東理夫の本棚
登録冊数 6冊
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091398

『アメリカは食べる。
 アメリカ食文化の謎をめぐる旅』
作品社 2015.8
736ページ!
https://www.amazon.co.jp/dp/4861825431
を、2015年9月に福岡市総合図書館から借りましたが、
返却期限までに読み終わらなかったので未登録です。

https://note.com/fe1955/n/n6a01d67677e2
貝谷郁子
『ミステリーからひと皿
 あの場面の味が作れます』
日本放送出版協会
2000年6月刊
パトリシア・コーンウェル
  スー・グラフトン  
サイモン・ブレット  
サラ・パレツキー  
アーロン・エルキンズ  
クリスティン・アンドレア  
ミネット・ウォルターズ  
ジャネット・ニール  
ジョナサン・ケラーマン  
ディック・フランシス  
デイナ・スタベノウ  
デボラ・クロンビー  
ジャネット・イヴァノヴィッチ  
フェイ・ケラーマン  
キャロリン・G・ハート  
サリー・チャップマン
アガサ・クリスティー

https://note.com/fe1955/n/n1c9be724f80c
貝谷郁子
『料理で読むミステリー
(生活人新書)』
日本放送出版協会 2003年1月刊
217ページ
Sara Paretsky (1947.6.8- ) 
サラ・パレツキー
シカゴの女性私立探偵
ヴィク・ウォーショースキー(既刊21冊)

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