わが水無月のなどかくはうつくしき。 伊東静雄(1906.12.10-1953.3.12)「水中花」『詩集 夏花』子文書房 1940 2024年7月6日(旧暦2024年6月1日)
今日、
2024年7月6日は、
旧暦2024年6月1日、
二十四節気の第十一、小暑です。次は大暑。
https://www.calc-site.com/search_dates/7/6/2024
http://koyomigyouji.com/24-shousho.htm
「太陽黄径105度。夏至から数えて15日目頃。
暑さがどんどん強くなっていくという意味があり、
この頃から暑さが本格的になってきますが、
梅雨の終わる頃で、集中豪雨が多く発生する時季でもあります。
この頃から暑中見舞いを出し始めます(正式には大暑から)。
梅雨が明け、強い日差しと共に気温が一気に上がる時季のため、
体調を崩しやすくなる頃でもあります。
天気予報やニュースで「小暑」という言葉を耳にしたら、
本格的な夏を迎える合図だと思って下さい。」
わが水無月のなどかくはうつくしき。
毎年、今の時期になると、
長崎県諫早市出身で
大阪府立住吉中学校教諭だった詩人、
伊東静雄(1906.12.10-1953.3.12)の
「水中花」を思いだします。
以下、青空文庫からのコピペ。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001197/files/45279_18539.html
伊東静雄(1906.12.10-1953.3.12)
「水中花」
『詩集 夏花』
子文書房 1940(昭和15)
https://www.kosho.or.jp/products/detail.php?product_id=157308850
https://www.kosho.or.jp/products/detail.php?product_id=495395917
水中花(すゐちゆうくわ)と言つて夏の夜店に子供達のために売る品がある。木のうすいうすい削片を細く圧搾してつくつたものだ。そのまゝでは何の変哲もないのだが、一度水中に投ずればそれは赤青紫、色うつくしいさまざまの花の姿にひらいて、哀れに華やいでコツプの水のなかなどに凝としづまつてゐる。都会そだちの人のなかには瓦斯燈に照しだされたあの人工の花の印象をわすれずにゐるひともあるだらう。
ことし水無月(みなづき)のなどかくは美しき。
軒端(のきば)を見れば息吹(いぶき)のごとく
萌えいでにける釣(つり)しのぶ。
忍(しのぶ)べき昔はなくて
何(なに)をか吾の嘆きてあらむ。
六月(ろくぐわつ)の夜(よ)と昼のあはひに
万象のこれは自(みづから)光る明るさの時刻(とき)。
遂(つひ)逢はざりし人(ひと)の面影
一茎(いつけい)の葵(あふひ)の花の前に立て。
堪へがたければわれ空に投げうつ水中花(すゐちゆうくわ)。
金魚(きんぎよ)の影もそこに閃(ひらめ)きつ。
すべてのものは吾にむかひて
死(し)ねといふ、
わが水無月(みなづき)のなどかくはうつくしき。
https://note.com/fe1955/n/ne762719fa798
「堪えがたければわれは飲みこむブドウの果汁。
ブドウのツユの、などかくはおいしき。」
東海林さだお(1937.1.30- )
『親子丼の丸かじり』p.116
「われは飲みこむブドウのツユ」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?