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須賀敦子(1929.1.19-1998.3.20)『須賀敦子エッセンス 1  仲間たち、そして家族』湯川豊編 水上多摩江装画 河出書房新社 2018年5月刊 263ページ  日記 2018年6月19日

日記
2018年6月19日

須賀敦子(1929.1.19-1998.3.20)
『須賀敦子エッセンス 1
 仲間たち、そして家族』
湯川豊編 水上多摩江装画
河出書房新社 2018年5月刊
263ページ
福岡市総合図書館蔵書
https://www.amazon.co.jp/dp/430902677X
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309026770/

「名文章を元担当編集者にして最大の理解者が厳選。
最良の入門書であると同時に
愛読者には新たな魅力発見のための決定版アンソロジー。

須賀 敦子 (スガ アツコ)
1929年兵庫県生まれ。
著書に『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』
『ヴェネツィアの宿』『トリエステの坂道』
『ユルスナールの靴』『須賀敦子全集(全8巻・別巻1)』など。
1998年没。

湯川 豊 (ユカワユタカ)
1938年新潟生まれ。
慶應義塾大学卒業後、文藝春秋入社。
「文学界」編集長、同社取締役など歴任。
『須賀敦子を読む』で読売文学賞。
著書『イワナの夏』『本のなかの旅』
『星野道夫・風の行方を追って』など。」

1 仲間たち
ガッティの背中
遠い霧の匂い
アントニオの大聖堂
入口のそばの椅子
銀の夜
夜の会話
カティアが歩いた道

2 家族
ヴェネツィアの宿
夜半のうた声
旅のむこう
オリエント・エクスプレス
アスフォデロの野をわたって
雨のなかを走る男たち
キッチンが変った日
ガードのむこう側
マリアの結婚
セレネッラの咲くころ

「須賀敦子の魅力への入り口であると同時に、
魅力の核心部分でもある、という本にしたかった」
p.257「解説 よみがえる「時」」
と編者が言うエッセイ17篇、263ページ。

底本は
『ミラノ 霧の風景』白水社 1990.12
『コルシア書店の仲間たち』文藝春秋 1992.4
『ヴェネツィアの宿』文藝春秋 1993.10
『トリエステの坂道』みすず書房 1995.9
の四冊。

https://www.amazon.co.jp/dp/4560041792
https://www.amazon.co.jp/dp/4560073570

https://www.amazon.co.jp/dp/4163131906
https://www.amazon.co.jp/dp/4167577011

https://www.amazon.co.jp/dp/4163479708
https://www.amazon.co.jp/dp/416757702X

https://www.amazon.co.jp/dp/462204594X
https://www.amazon.co.jp/dp/4101392218

私が聖心女子大学図書館に勤務していた頃(1978-87)、
英文科非常勤講師としてダンテの講義をされていた
須賀敦子先生のお名前を知りましたが、その後、
ナタリア・ギンズブルグ
『ある家族の会話』
白水社 1985.12
以降の訳書、
『ミラノ 霧の風景』
白水社 1990.12
以降の著書を読んだことはなく、三十数年を経て、
このアンソロジーで作品を初めて読みました。

本書と並行して読んだ、
松山巌「須賀敦子年譜」
『日本文学全集 25 須賀敦子』
河出書房新社 2016.5
によれば、
「聖心女子大学一回生で、同年に緒方貞子」。

「友人たちは口をそろえて結婚して
彼[ジュゼッペ(ペッピーノ)・リッカ
 1961年11月15日ウディネで結婚
 1967年6月3日死去 享年41]
が明るくなったといった。

事実、はじめて知りあったころは、
どんな食べ物が好き? とたずねると、
ううん、ぼくはあんまり食べ物には興味がないんだ、
とつまらなさそうな顔をした彼が、
やっぱりアスパラガスはオリーブ油に酢で食べるのがいちばんだ、
とか、
日曜日だけはいいワインを飲もうとか、
こんどポレンタをつくったら、
つけあわせは仔牛の煮込みがいいとか、
いろいろ台所に註文をつけるようになって私をよろこばせた。」
p.181「アスフォデロの野をわたって
『ヴェネツィアの宿』

「霧の日は、よくポレンタを作った。
ポレンタは北イタリア特有の料理で、
南ではポレントーネというと、
北イタリア人の蔑称である。

トウモロコシの粉を火にかけたお湯にふるい入れて、
すっかり底が焦げついてしまうまで、
ただ捏ねに捏ねて作ったパンの一種で、
肉料理を添えて、そのソースで食べる。

仕事から帰ってきて、玄関のドアを開けたとたん、
夫は、あ、ポレンタだな、いい匂いだ、
と言いながら台所に入ってくる。」
p.25「遠い霧の匂い」
『ミラノ 霧の風景』

読書メーター
須賀敦子の本棚 登録冊数8冊
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11273580

https://note.com/fe1955/n/nab149ddbd805
『小説新潮』2020年9月号
いしいひさいち(1951.9.2- )
「剽窃新潮 第3回」
筒井ともみ(1948.7.10- )
「もういちど、あなたと食べたい 第十回
 須賀敦子さんと「フ・リ・カ・ケ」
日記 2020年10月10日

https://note.com/fe1955/n/n6a0ae45f68cf
酒井順子(1966.9.15- )
「人はなぜエッセイを書くのか
 日本エッセイ小史 第六回
 女性とエッセイ」
『小説現代』2021年2月号
「「1990年に刊行された
『ミラノ 霧の風景』は[須賀敦子]自身の著書としては
最初の作品(訳書はあり)です。この時、須賀は61歳。」

https://note.com/fe1955/n/n818f98daca0d
津野海太郎(1938.4.6- )
『おかしな時代
 『ワンダーランド』と黒テントへの日々』
本の雑誌社 2008.10
『百歳までの読書術』
本の雑誌社 2015.7
『最後の読書』
新潮社 2018.11
『かれが最後に書いた本』
新潮社 2022.3
「2018年9月5日 17 貧乏映画からさす光 その2
北原怜子[1929.8.22-1958.1.23]が
「蟻の街」の住民となった50年代初頭、
須賀敦子[1929.1.19-1998.3.20]は
慶應大学大学院(社会学)に籍をおき、
武者小路公秀[1929.10.21-2022.5.23]、
有吉佐和子[1931.1.20-1984.8.30]、
犬養道子[1921.4.20-2017.7.24]
といった他大学の若者たちと、
カトリック学生連盟の一員としての活動をはじめていた。」」
https://kangaeruhito.jp/article/5326





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