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原田ひ香(1970- )「定食屋「雑」」『小説推理』2021年1月号 『ほろよい読書(双葉文庫)』双葉社 2021年8月刊


原田ひ香(1970- )
「定食屋「雑」」p.169-240
『ほろよい読書(双葉文庫)』
双葉社 2021年8月刊
『小説推理』2021年1月号
2021年9月28日読了

1970年神奈川県生まれ大妻女子大学文学部日本文学科卒業
(卒論は『更級日記』)な
原田ひ香さんの独立した短篇を初めて読みました。

「社内で新製品の特別チームに加わり、
多忙で精神的に厳しい状況が
続いていた彼によれば、
帰宅途中のコンビニで買った酎ハイを
歩きながら飲み始めて、
途中の児童公園に座って
残りを飲んで、
それをしないと、
頭が切り替えられない、
仕事の疲れが取れなかった。
アルコール度数9%の、時々、
ネットなんかでも問題になる強い酒だ。」
p.177

1955年1月生まれの私は、
2004年11月にうつ病を発症して
出勤できなくなる以前、
毎晩、残業を終えて乗る
西鉄二日市・福岡間特急の
車中約20分で、缶ビールを
二本飲んでました。
そんな「状況」が、
どのぐらい続いたんだろう?


「彼がいなくなった後、
試しにストロングゼロを飲んでみた。
薬品くさい、ケミカルな味だった。
最後には口の中に嫌な苦みが残り、
とても飲めたものではない。
半分ほど胃に流し込んで、
残りは流しに捨てた。
空き缶を始末したとたん、
急に頭の中がぐるぐる回ってきた。
ジュースのような味なのに、
なんて強いのだろう。
こんなもので彼は仕事の疲れを
「癒して」いたのか、と思った時には
ソファに倒れ込んで寝落ちしていた。」
p.180

「キリン氷結ストロング」や
西友PBの9%を毎日飲んでいたことがありますけど、
美味しくないので、
今は「キリン本搾り」を飲み続けてます。
これも「ジュースのような味」ですが、
かなりマシな味です。

遷延化したうつ病は始末が悪く、
20種類以上服用してみた抗鬱剤は
どれもまったく効果がなかったけれど、
アルコールは確実に気分(希死念慮)を
和らげてくれています。

『ほろよい読書(双葉文庫)』
https://www.amazon.co.jp/dp/4575524891
「織守きょうや、坂井希久子、額賀澪 、原田ひ香、柚木麻子
今日も一日よくがんばった自分に、ご褒美の一杯を。
酒好きな伯母の秘密を探る姪っ子、将来に悩む日本酒蔵の跡取り娘、自宅での果実酒作りにはまるアラフォー女性……など、「お酒と女性」をテーマに今をときめく女性作家達が描いた、5つの短編小説集。」
織守きょうや「ショコラと秘密は彼女に香る」『小説推理』2021年6月号
坂井希久子「初恋ソーダ」『小説推理』2021年2月号
額賀澪 「醸造学科の宇一くん」『小説推理』2021年1月号
原田ひ香「定食屋「雑」」『小説推理』2021年1月号
柚木麻子「barきりんぐみ」『小説推理』2021年2月号



https://ja.wikipedia.org/wiki/原田ひ香
http://www.hatirobei.com/ブックガイド/作家から/原田ひ香/雑誌掲載記事

『小説推理』
2022年9月号~2023年1月号
「定食屋「雑」 町にひっそりと息づく定食屋には…」
連載五篇

読書メーター
原田ひ香の本棚(登録冊数13冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11249567

食べ物の本棚(登録冊数792冊 著者名順)
エッセイ、小説、マンガ、絵本、レシピなど
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091194

https://note.com/fe1955/n/nb68f7886f4d2
原田ひ香(1970- )
『ランチ酒』祥伝社 2017.11
『ランチ酒 おかわり日和』祥伝社 2019.7
『ランチ酒 今日もまんぷく』祥伝社 2021.6

https://note.com/fe1955/n/n9c6a061c0f28
原田ひ香(1970- )
『古本食堂』
角川春樹事務所 2022.3
ハルキ文庫 2023.9

https://note.com/fe1955/n/n2c85a7e94f22
原田ひ香
『図書館のお夜食』
ポプラ社 2023年6月刊
320ページ


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