生の推しを久しぶりに拝んだ話

世界一好きな人に会うために死ぬ気でチケットを取った。
ファンになって早10年、女優である彼女とリアルで会うにはほとんどイベントなど存在せず、舞台挨拶で映画についてお話ししてるところを遠目に見られれば万万歳
ファンになったばかりの頃はまだ比較的チケットも取りやすかった。
セブンのぴあの機械に発売開始時間ぴったりに張り付いてチケットを取りながら親にも友達にもお願いしたり。
しばらくしてからは人気俳優や某事務所のアイドルグループの人気メンバーとの共演なんかが増えてチケットを取るなんてほぼ不可能に近い状態になった。
アイドルはコンサートとか歌番組、バラエティの観覧で会えたりするから譲ってよーなんて思うものの会いたい気持ちはわかるからなんとも言えない。
それでも生で会う絶頂感を一度味わってしまったらもうどうしよくもなく会いたくて、彼女のオタクをする上で年一回は生で目にしようと目標に決め、その活躍を追ってきた。
はっきり数えてるわけではないけどコロナ禍を除いてほとんど毎年会えていたと思う。
彼女が選ぶ作品も、なかなかコアなものが増えてきたのもあってチケットも取りやすかった(しかし彼女自身の人気はとてつもないことになったが)。
転機になったのは2021年。
突如舞い込んできた結婚の報道。
最初は信じられないというかあまりに突然のことだったので受け入れるまでに時間がかかった。
でもファンとして、彼女の幸せを第一に願う、本当に、同じ世界で生きてくれてるそれだけでいいと思える存在なのでしかと受け入れられるようになってからは純粋に嬉しかった。
しかしその後がファンとしてはしんどかった。
2022年3月、余命10年の公開以降映画出演情報が一切なくなってしまった。
ちょこちょこ雑誌やCMでは見かけるものの、映画という媒体での露出がめっきりなくなってしまった。
そしてついに2023年、生の彼女を目にすることはできなかった。
次に舞い込んできたニュースは、第一子出産。
出産後の報告だった。
これに関しては、賢明な判断だと思う。
妊娠の段階では発表しなくていいよと、いろんな芸能人が発表する度に思う。
それにしても、多少の目撃情報とかあってもいいはずなのに、この情報時代、どこかから漏れててもおかしくないのに、どこにもバレずに無事に遂行したことをファンながら誇りに思う。
お疲れ様、頑張ったね。
本当はそう直接言ってあげたい。
言ってあげたいなんて上から目線だけどほんとは私が言いたいだけ、自己満足だけど。
その報道後早々に、この映画の完成披露舞台挨拶の情報が出た。
久しぶりの生推し、それも産後初の公の場とだけあって各界隈からの注目度も高い。
しかし抽選、これがなかなかハードルが高い。
公式X、シネマ系の記事、ぴあ、いろんな媒体から応募したけどどれも当たらなかった。
こうなったら初日舞台挨拶にかけるしかない。
とか言ってるけどまだ情報出てなかったので、やるとも決まった訳でもないのにもう行く気満々だった。スケジュールにも、決まってもいない予定を書き込むくらいには。
チケット発売日、友人と昼からピクニックの予定があった。チケット発売時間は12時丁度、つまり公園に向かってる最中。
途中電車の乗り換えがあり、その乗り換えの時間にとらなければならない。
遅れる覚悟で乗り換えの駅で立ち止まり集中する。(友人も遅れたので結果遅れてないのでここは許してほしい。)
繋がらなかった。ミニシアターなのでそこまで回線が強くないせいもあると思う。本当に繋がらなかった。
両親にもチケット争奪戦の参加を強制してたけど二人とも繋がらなかった。
13分経過、席を選ぶところまでいけた。
17分経過、支払いのところまでいけた。
18分経過、ついに購入完了。
ちなみにこの段階でも両親はまだ席選ぶところだったらしい。
これは負けてたまるかという執念と死んでも会いたいという愛の力なので妥当な結果だ。
この20分足らずの間に走馬灯のように色々な思いが私の中を駆け巡った。取れなかったら死んでやる、そのくらいの意気込みで。「殉死」って言葉を知ってこれは本当に、私の人生のタイムアップはいつになるのかわからないけどその原因を予想するとすれば確実に、彼女の後を追った結果だと思う。
そう、私は生きてこの文章を書いている。チケットが取れた。そのあとのピクニックなんてもうずっとテンションの高いまま、そして勢いに任せ酒をバカスカ流し込み、めでたく記憶をなくした。人生で一番酔っ払った。
だって取れたチケット、3列目なんだもん。1列目はマスコミなので実質2列目。勝ち組やんこんなん。
当日。
心躍りつつ案外落ち着いている自分に大人になったなとこんなところで実感する。昔の自分なら会う人会う人に自慢しキャピキャピしてた。今はその気力がない。
映画館にはサイン入りのポスターが貼ってあった。
でもその前にソファが置いてあって、おじさんが座っていた。たぶん私の周りにいる人もみんな写真を撮りたい人たち。でも退けとは言えず悶々としていたら、ちょうどおじさんはトイレに席をたった。ここぞとばかりにみんな寄ってたかって写真を撮り始めた。おじさんは振り返ってびっくりしてた。ごめんね。でももうちょい気まずそうにしろ。
いざ上映、の前に少しでも推しの視界に入る可能性があるのでトイレに寄って身なりを整える。完璧。
映画については、お察しの通り。上映後舞台挨拶だったので小松を視界に入れた瞬間に頭を鈍器で殴られたので記憶がないです。
(追記: 時間が経過した今ようやく少しずつ映画の記憶が蘇ってきた。佐渡に行ってみたくなった。こういう雰囲気映画?解釈は委ねますって映画、脳みそが空っぽな私には少し難しくて、舞台挨拶で監督が補足してくれたこととかであーなるほどなとなるなど。)
そして舞台挨拶。私の席がドア側から2番目だったので実は少し登壇前から見えてしまっていた。ヘアメイクさんに前髪整えてられている推しを見てしまった。ずっとニコニコしていて本当に可愛い。私があまりにもガン見しすぎて、見えていることに気づいた推しがあっ、と一歩下がる。見てごめんね、でもまだ見えてるよ。でもそのあとすぐ登壇し、なんやかんやしゃべる。なんも頭に入ってこね〜〜〜〜
お寿司?を先に食べちゃったとかなんとか、可愛いエピソードもありがとう松田龍平様。そういえば私は坂本裕二作品の松田龍平が好きすぎて何度も結婚したいと思っている。今でもドラマ見返すたびにプロポーズするくらいには田中八作も別府司も愛してる。
それはそうと小松様、あまりにお顔が綺麗すぎて、そして産後とはとても思えないプロポーションで、全身見た瞬間に叫び出しそうになった。理性というものが私にも存在していて本当によかった。
今まで何度も生で拝ませていただいたけど、ダントツで今回のビジュアルが美しかったと思う。過去ももちろん今回が一番❗️今回が一番❗️と言ってきたけど、誰かさんが美しさを更新し続けるもんだから毎回こうなるのはしょうがない。どこまでオタクを狂わせる気だよ。
いいえあなたのせいで狂ったのではありません私が勝手に狂ったのですキモいオタクですみません視界に入ってすみませんお目汚し失礼しました
なんてすげぇ早口で言いたくなるけど実際に狂わされたのは間違いないので責任取れよ小松。
この先も私を狂わせ続けてくれ。正気に戻らせるな。
ありがとう小松、ありがとうわたくしどもは。
これでしばらく生きていけます。生きる気力が湧いてきました。またあなたに会うために生きようと思います。

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