選手権で地域格差を論じるのは難しい、けれど...
5 vs 0
2018/12/31に行われた高校サッカー選手権一回戦のスコアだ。
対戦カードは大津(熊本・白) vs 桐光(神奈川・青)
公式記録は以下の通り。
【自分から見えた基本配置】
【観戦前自分の事前知識・状況】
◯桐光学園10番の西川選手はU-19日本代表のドリブラー
◯大津の6番福島選手は湘南内定
◯自分は両チームの試合を1試合も今シーズンは見た事が無い
【試合のReview】
メディアではこの試合を1回戦屈指の好カードと謳った。その効果や神奈川代表チームの初戦という事もあり15,000人以上の観客が入った。
立ち上がり大津が押し込む機会が多かった。フィジカルの強み(前線の4枚の50mのタイムが6秒前半)を出し1vs1を積極的に仕掛けていた。
桐光学園も10番西川選手、9番阿部選手を中心に反撃を試し見ていたが決定機は決して多くなかった。
そんな中で大津の先制点が入った。この点で試合の雰囲気はガラッと変わったとは感じなかった。プレーしている選手は違ったかもしれないが見ている私はそう感じた。
ガラッと変わったのは2点目が入ってからだ。以下のシーンは2点目が入る直前のプレーだ。
画面奥でボールを持っているのは大津(白)の大崎選手(9番)。身長188cmと見た目にも印象に残る選手。この選手は試合を通じて大津の起点になっていた。基本のポジションニングは中央だが機を見てサイド(桐光学園SBの裏)に流れて起点を作っていた。
大津の前線4枚(FW 9,11 MF 8,10)は流動的にポジションを変え、桐光学園DF陣を混乱させていた。
<FW>
9番(大崎選手)⇨横のポジション移動
11番(奥原選手)⇨縦のポジション移動
<MF>
8番(大竹選手)、10番(水野選手)⇨お互いのポジションをチェンジ、カットイン
マンツーマンでDFしていた桐光学園は大崎選手が外に流れた際にはマークの受け渡しをせずに付いて行った。そこで止めれれば問題無いがこの試合は剥がされる事が多く、付いて行った事によりCBが吊りだれてピンチなるシーンが多かった。
上記のシーンでは桐光学園の5番が剥がされ4番がカバーに入りそれに合わせて右SB(6番)のスライド。空いているスペースに画面右下にいる大津MF8番が走り込みパスを受けてシュート。
この2点目が入った直後から桐光学園は難しいプレーを選択するようになった。パスのルートが中⇨中⇨中となり跳ね返される事が多くなった。
また大津のCB吉村選手(5番)と福島選手(6番)の守備スキル(ヘディング、1 vs 1、コーチング)が高く単純な攻撃で点数が入る雰囲気では無かった。
この様なシチュエーションにも関わらず桐光学園のプレーは変わらなかった。選手達自身で変えられないのであればベンチワークでどうにかするしか無いが選手のプレーが変わる程の指示出来なかったようだ。
前半はこのまま終了、後半になっても試合の状況は変わらず大津が3点追加しそのままタイムアップ。
【試合全体の感想】
殆どの選手について事前情報が無い状態で見た感想は「大津」の選手が桐光学園の選手より自力で上回っていた感じを受けた。
特にフィジカル(走るスピード、接触プレーでの勝率)ははっきりとした差があった。
頭の中に関しては、中盤(特にボランチ)の選手に差があった。
大津の途中から出てきた高見選手(14番)は要所要所で見せた攻め上がりが有効な攻撃になっていたし、守備においても桐光学園の2人(7番、8番)よりポジションがよくセカンドボールも拾えていた。大津の富永選手(15番)もポジショニングが好印象の選手だった。
【地域格差...】
東京、神奈川、埼玉の代表校は1回戦で姿を消した。
ここで地域格差について論じるつもりは無い。
twitterで有名なサッカーアカウントの方もそれについてふれられている。
ただユースを含めてこの3県の今後の動向・及び過去のデータを一度見直して再度このテーマについて触れたいと思う。
今後の日本サッカー界にとって有益な情報が見つかるかもしれない...
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