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【ドイツ事情】さすがに中国と距離をとり始める #371

※ 音声はコチラ↓ stand.fm で平日の毎朝7時に配信しています。

Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ。
白井宏美です。


毎週水曜日はドイツ事情について、私の体験も踏まえてお話しています。


先週の第366回では「すっきり暮らす」というテーマでお話しました。


今日は「さすがに中国と距離を取り始める」というテーマでお話します。


私が初めてドイツに行った頃(1980年代)はメイド・イン・ジャーマニーだった食器や調理器具、生活用品、工芸品などが、2000年に入ってからはほとんどがメイド・イン・チャイナになってしまい驚いたと同時にがっかりしたことを覚えています。

ドイツのお土産を探そうにも見つからなくなってしまったのです。


あれだけ中国とベッタリだったドイツも、このところさすがに距離を取り始めました


ニュースなどですでにご存じのかたも多いかもしれませんが、このほどドイツは政府として初めての China-Strategie(中国戦略)を発表しました。


これは今後の中国との付き合い方の指針となるもので、ドイツが中国に対処するための独自の戦略です。


中国と協力はするが、(特に重要な分野の)経済的依存を減らしたい中国との取引におけるリスクを軽減したいというものです。


ドイツがロシアのガスと同じ過ちを繰り返さないために、中国に対して重要な技術や重要な原材料への依存を減らそうとしています。


ドイツ企業には中国とのビジネスにおけるリスクを減らすよう呼びかけられていて、中国市場への依存度が高い企業は、将来的に財務的なリスクをより多く自ら負わなければならないとのことです。


中国への依存関係を減らし、ヨーロッパでの経済を促進するようです。 


人権問題についても明確に言及しています。

例えば、中国が一党独裁体制の利益に沿って国際秩序に影響を与えようとしたり、政治的目標を達成するために、意図的に経済力を利用したりしていることにドイツ政府は懸念を示しています。


また、中国の侵略についても警告しています。

台湾沖での軍事的なエスカレーションドイツに向けられたスパイ活動は、特にサイバー空間において増加の一途をたどっているとして、
「われわれは、ドイツ国内およびドイツに対する中国のサービスおよび国家統制グループによるアナログおよびデジタルでのスパイ活動妨害活動に断固として反対する」と述べられています。


もちろん中国は反発して、この China-Strategie(中国戦略)を批判していますが、ドイツの問題だけでなく、G7全体、NATO全体、あるいは民主主義世界全体の問題でもあるわけですから、毅然とした態度で臨んでほしいものです。


特に日本は一番危機感を持たなければいけないというのに、日本政府はもう少し毅然とした態度を取れないものでしょうかね?


ドイツより日本のほうがずっと心配です。


皆さんはどう思われますか?


それでは、また明日。
Bis morgen.
Tschüs!


【参考HP】


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