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【ドイツ事情】はっきり言わなきゃ伝わらない!#40

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※ stand.fm で平日の毎朝7時に配信しています.

Hallo zusammen!
Mein Name ist Hiromi Shirai.
『白井博士のドイツ語講座』へようこそ.白井宏美です.

毎週水曜日は,ドイツ事情について私の体験も踏まえてお話しています.

今日は,ドイツでは「はっきり言わなきゃ伝わらない」という話です.

私がドイツにいる時によく言われたのが,「どうして言わないの?」というフレーズです.

たとえばホームステイし始めた時に,ベッドの布団が薄めで少し寒かったんですね.
でも「私が寒さに慣れていないだけかも」とか,「もう少し寒くなれば,きっと布団か毛布を追加してくれるのだろう」とか思って我慢していました.

そしたら風邪をひいてしまい,ホストマザーに「寝ている時ちょっと寒かった」ということを説明したら,「どうして言わなかったの?」とあきれたような,理解できないというような様子で言われました.

これは,あるあるで欧米に滞在している他の日本人からもよく聞きました.
どうしても遠慮してしまったりはっきり言うのが苦手だったりするんですよね.

でも日本とは違って,察してはもらえません
自己主張しないことは,マイナスのイメージしかなく,かえって相手をいらだたせることさえあります.
きちんと言わなきゃ伝わらないのです.

しかもこれ,大人に限ったことではありません.
小さい子供であっても,しっかり自己主張することが求められます.

ドイツにいた時,知り合いの日本人家族がいました.
両親と子供2人の4人家族だったんですね.
子供さんは3歳と4歳で,ドイツの幼稚園に通っていたんですが,
ある日3歳の子が幼稚園から帰ってきたらお弁当が手つかずだったそうなんですね.

まったく食べていなかったので,お母さんが「どうしたの?」って理由を聞いたら,お弁当のタッパーのふたが開けらなかったって言うんですって.
ちなみに,タッパーのふたを開ける練習は家でしていたそうですが,たまたま固くなっていたのかもしれません.

そのお母さんは,日本では考えられないと言っていました.日本の幼稚園では,そういうことがあれば必ず先生が察してくれて,ふたを開けてくれるけれど,ドイツでは3歳でも(しかも一時滞在の外国人であっても)自分からはっきり言う必要があるのだと驚いていました.

さらに,クリスマスの時期に上の4歳の子が体験したことも話してくれました.幼稚園で他の子が皆クリスマスプレゼントをもらったのに,自分だけもらえなかったと泣いて帰ってきたそうなんですよ.

お母さんは幼稚園へ言って先生に事情を聞いたらしいんですね.
そうしたら先生は「いや,プレゼントを欲しいかどうか聞いた時,はっきり答えなかったから.」と説明したそうです.

お母さんは,「ここまで自己主張が大事なのかと思い知らされた」と言っていました.

このように日本とはだいぶ違うのですが,理由としては歴史的背景や社会状況,文化の違いなど様々あるでしょうね.
とにかくドイツ語を学ぶ時も「はっきり言わなきゃ伝わらない」ということは念頭に置いておきましょう.

それでは,また明日.
Bis morgen.
Tschüs!


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