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本気で打ち込めるもの|山崎惇樹

プロフィール
山崎惇樹
出身高校:芝浦工業大学柏高等学校
学部:経済学部
ポジション:SB

本気で打ち込めるもの

3年生になり就活もボチボチ始まってきて、最近はこれまでの自分の人生について考える機会がよくある。これまで何に打ち込んできて、そこでどんな経験をして、何を得たのか。簡単なようで難しいこのテーマについて、今思うことを正直に綴っていく。


サッカー

自分の人生の中で一番情熱をかけて打ち込んだものは何かと聞かれたら、やはりサッカーと答えるだろう。幼稚園の頃に始めたサッカーは今年で15年目を迎えるが、時間だけでなく一番情熱を注いだのもサッカーだと断言できる。これだけの時間を費やしたのにプロサッカー選手にはなれていないのだから、プロ選手からすれば本気で打ち込んだうちには入らないのかもしれないが、それでも自分の中では何よりも真剣に向き合ってきた。

幼稚園、小学校の時はただがむしゃらにボールを追いかけていただけだったが、中学・高校では幸運にも元プロサッカー選手の指導を受けることができた。「短所を克服し長所を伸ばす」どの分野でも当たり前のことだがこれを徹底的に叩き込まれた自分は、キックに重きを置き、弱点だった左足のキックの克服と長所だった右足のキック精度を伸ばすために努力を重ねた。練習がオフの日にも友達とグラウンドに集まり、毎日のようにネットに向かってボールを蹴っていた。その中で確立した自分の武器であるキックは、サッカー選手としての自分の「核」であり「存在意義」といってもいい。ア式に入ってからは、練習や試合の映像が常に確認でき、フィードバックももらえるという恵まれた環境の中で、自分の武器を活かすためにどのようにポジショニングをとって、どのように意思決定をするのかという点を特に意識している。また、フリーキック、コーナーキックのキッカーとして、苦しい試合展開でもチームを助けられるように欠かさず練習している。(そろそろリーグ戦でもFK決めたい……)

自分よりずっとサッカーが上手くても、大学を機にサッカーから離れて何か別のものに打ち込むという人もたくさんいる中で、自分がア式を選んだのは、単にサッカーが好きというだけでなくそこで得られるものが多いと感じたからだ。学生主体の組織の中でサッカー・事業の両面でチャレンジできる機会が多分にあり、サッカー選手としてだけでなく組織を構成する1人の人間としても成長できる。試合に出れない部員や、家族、OB、応援部など多くの人が応援してくれる中で部を代表してプレーする責任感、事業において目標を定めそのための道筋を決めて反省・修正を繰り返しながらゴールに向かっていくプロジェクトマネジメント、他にもチームマネジメントや課題解決能力など様々な能力を、様々な経験を経て獲得することができる。そして何よりも、チーム全員で闘い死力を尽くして勝ち取った勝利に対する何ものにも代え難い喜び、溢れんばかりの高揚感。これらは情熱をもって打ち込んだから得られたものであり、そこに「本気で打ち込む」意義があるのだと思う。

サッカー以外にもそれなりに打ち込んでいるものはいくつかあるのでそこにも少々触れたいと思う。

学業

いわゆる自称進学校に通っていた自分は直前までE判定しかとったことがなかったが、量だけでなく質も重視し、自分の模試の結果や一橋の傾向を分析し人とは違うアプローチで勉強することでなんとか合格することができた。現在は、来月に控える証券アナリスト試験に向けて、受験生並みに勉強する日々を送っているが、それほど苦には感じない。自分で建てた目標を達成できないことのほうがよっぽど苦痛だからだ。学業に打ち込む過程で、表面上の知識を獲得できるだけでなく、自分の将来を冷静にみつめ、自分に必要なことを取捨選択し、そのための努力に対するアプローチの仕方や忍耐力を身につけることができた。

趣味

趣味のスポーツ観戦と筋トレにも熱量をもって打ち込んでいる。愛するナポリの試合は毎試合必ず追っているし、昨シーズン優勝した時には本気で現地に行くことを考えたくらいだ。筋トレに関しても、トレーニング外の栄養管理や睡眠にまで徹底して気を使っている。「打ち込む」というと、明確に達成したい目標があって、そのために時間やお金、様々なものを情熱をもって注ぎ込む、そんなものをイメージするかもしれないが、自分にとってのそれはそんな大層なものではない。少なくとも趣味に関しては、「好きだからやる、やるからにはとことんやりたい」この程度のものだからそこから得られるものは「充実感」くらいしかないだろう。だがこれは自分にとってはとても重要なことだ。自分みたいな不器用な人間は、なにか打ち込むものが無いと淡白で面白みのない人生になってしまうからだ。


「本当に幸せなこと、楽しいことは辛いことの上にしか成り立たない」これは中高の監督がよく言っていた言葉だ。


土砂降りの日も猛暑の日も週6日グラウンドに集まって汗水を流し、身体づくりのために筋トレと栄養管理を欠かさず、試合前には相手の分析をする。それでも勝てないこともある。勝てたとしてもすぐに次の試合に切り替えなければならない。このひと時の幸せのために多くの時間と労力を割くのはとてもコスパの悪いことだと思う。でも、だからこそそこには唯一無二の幸福感があり、だからこそ打ち込む価値があるのだと思う。


もうすぐ部活動では最高学年になるし、就活も本格化していく。いろいろと忙しくなっていくとは思うが、自分が本気で打ち込めることがあること、そこにかける時間と労力があるという環境にまずは感謝できる人間でありたい。


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