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挫折から得るもの|大石光誠

profile
#18  大石光誠
出身高校:東京都市大附属高校
ポジション:SB
左足でのキックを得意とするチームのムードメーカー。どんな時でもポジティブな姿勢を見せ、チームを後押しした。

大石光誠からのラストメッセージ


日頃より一橋大学ア式蹴球部をご支援頂きまして誠にありがとうございます。大石光誠と申します。

このブログを書いているのは、親友2人とのヨーロッパ旅行帰りのドバイ上空辺りです。旅行中、フランスからイタリアへの飛行機で気絶をしてしまい、三途の川が一瞬見えた私からすると、このフライトも命懸けです笑。そんな極限な状況で書かれた遺書のようなものだと思って読んでみてください。

それでは本編に入ります。



なぜ体育会なのか。なぜサークルではダメなのか。大学で部活動に打ち込んでいる人なら誰しもが考えるこの問い。

私は4年間の在部中にこの問いに対する完璧な答えを見出すことができませんでした。

「サークルよりも真剣にスポーツと向き合う体育会で、喜びや感動を得たかった。」

このように適当な理由をつけて部活動を続けていましたが、引退してみて思いました。全くしっくりこない。今までに比べて比較的真剣にスポーツと向き合ったつもりではありますが、チームが勝ってもそこまで嬉しくなかったし、感動したことは1度もありませんでした。

このように大義名分を持っていなかった私は色々な目標を立てながら部活動に打ち込んでいました。だからこそ、1番大きな目標にしてきたリーグ戦出場、達成できたその瞬間から、私の部活動生活は色を失いました。

Bチームに落とされても、悔しいと感じるだけで薄っぺらな努力しかできなかったし、Aチームに戻っても、リーグ戦に出てやろうという気持ちはまるでありませんでした。その結果、4年間を通して、リーグ戦で華やかな結果を残すことは出来ませんでした。


それでは意味のない4年間だったのだろうか。

答えはNOだと思います。


「競技人生の為でなく、それよりも長い残りの人生の為に、今スポーツをするのだ。」


どこかで聞いたこの言葉。たしかにその通り。体育会の部活動に入ることで、サークルや日常生活では味わえない様々な挫折を味わうことができる。そうした挫折は、勝利や成功以上に学ぶことがあり、その人にとってかけがえのない財産になると今になって思います。周りに比べて多くの挫折を味わった私だからこそ、ア式に入って、良くも悪くも変わりました。悔しい思いを味わったことで、ほんの少しは努力できるようになった。戸田さんに死ぬほど怒られたことで「本気」の意味を正しく理解することができた。弱すぎる自分のことが一瞬嫌いになりかけたけど、そんなところも愛しく思えるようになりました。

当時の私はそんなことに気づかず、目先の目標ばかりに気を取られ、遠い未来のことを考えることができていませんでした。もっと顔をあげて、直向きに努力し続けていたとしたら、勝利だけでなく、失敗や敗北、挫折であっても楽しみ、自分の財産にし、本当の意味で華やかな4年間を送ることができていたと思います。

このことに気づくのが遅かった以上、この4年間に意味を持たせることができるのはこれからの自分です。改めて、ア式に入って本当に多くの挫折を味わいました。また、社会人になることで、今まで以上に失敗をして、悔しい思いをすることでしょう。こうした数々の挫折を糧に、色々なことを学び、社会の荒波を乗りこなしていきたいです。


ここまでネガティブな面しか書いてないけど、ア式に入って本当に良かったです。前述した成長もあるけど、学年旅行は楽しかったし、小松の「食ってみー」とキムの熱中症処置は死ぬほど笑ったし、何よりみんなとやるサッカーはやっぱり楽しかった。こんなに感情が揺さぶられることはこれまでもこれからもないと思います。もう1度人生をやり直せるとしても、一橋大学に入ってア式に入部します。


最後に、他人だけではなく自分にも甘く、辛さや苦しさから逃げてきた私が体育会でサッカーを続けることができたのは、選手一人一人と向き合ってくれた近岡とフジ、戦いの中で苦楽を共に味わったチームのみんな、そして何より16年間自分を応援し続けてくれた両親のおかげです。今まではなんとも思っていませんでしたが、サッカーから距離を置いてみて、自分はたくさんの人に支えられてサッカーをすることができていたんだと心の底から実感しています。4年間ありがとうございました。

両親やTCUのみんなには、もう少し私がリーグ戦に出ている姿を見せてあげたかったですが、少し努力したので許して欲しいです。


最後の最後に、2年連続のバースデーゴール、引退試合での2ゴール。さすがに持ってる男と言わざるを得ません。近岡はもっと俺を使っていればもう少し勝ち点を積み上げられたと思います。笑

大石光誠


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