狼に壁ドンされるロマン「ワイルド わたしの中の獣」
2017年映画の姫初めがこれです。去年のサンダンス映画祭で好評だったので楽しみにしてたのですが、まぁなんとも濃ゆい話でした。※ネタバレしてます
【キーワード】ドイツ・獣姦・ムツゴロウ女子
文系女子が狼にひとめぼれして、ひとかわむける話です。新宿シネマカリテにて鑑賞。少々ショッキングな場面があるのでR15+、小さいスクリーンが丁度よかった。街中で狼みかけるとかありえないし、メタファーか妄想話だと思っていたら、実質ハードコアなメロドラマ。なめてかかってすいません!
ストーリー:主人公アニアは服飾会社のIT担当。両親亡きあと寝たきりの祖父の面倒をみながら、パワハラ満載のボス、ボリスに雑用係として扱われる日々。ある日通勤途中の広場でみかけた狼に心を奪われる。
・狼の捕獲作戦が古式ゆかしい。はぎれの結界、松明、吹き矢!「動物のお医者さん」漆原教授かと思ったわ(笑)
・狼にひとめぼれ→捕獲→監禁→餌付け→ストックホルム症候群。主人公がサイコさん!メンヘラです!
・文字通り壁ドンであらわれる狼
・経血プレイ&螺旋階段の手すりオナニー、このあたりで生理的にNG!ってひとはいそう
・狼と共同生活をはじめたアニア。彼女の汚れた下着とお尻を執拗にねらって撮り続けるカメラカットに、監督のフェチズムを感じてしまった
屋上で生きる1人と1匹。ありえない絵面が素晴らしい
夢と現と狂気と獣
手すりの夢からコンクリート壁ドンまで、ところどころファンタジー風味。狼を監禁していた糞尿でぐっちゃぐちゃのお部屋のとなりで、愛を育んだり、生卵を床に投げつけ「朝ごはん食べましょ♡」といちゃつく1人と1匹。出がけにウサギちゃん放置して「がんばって生き延びてね」と声をかけるアニア。頭おかしい。
巨乳が息苦しいと嘆く同僚のブラジャーをはずすのも、誰かの食べ残しをあさるのも、ヤってる最中、外出しする上司の態度に「はぁ?」ってなるのも、すべて野生化しつつあるアニアならでは。
なかでもパンチが効いてた場面。人生を狼にささげるため、辞表?を出そうと休日のオフィスへ乗り込むアニア。掃除の男達を誘惑しようとして失敗→ボスとデスクでセックス→マーキング(排泄)→放火…。怒涛の流れ。なんだこれ。ツッコミいれるひまもないぞ。
マンションを追い出され、異変を嗅ぎつけたボスをぶっ殺し、愛の逃避行。荒涼とした地の果てで泥水をすすり、ネズミ(食料)をわけあう1人と1匹。力尽き倒れ込むアニア。それでも彼女のそばを離れない狼。エンディング、目をさますとひとり麦穂にかこまれたアニアは、狼がいないのを確認して、ふっと微笑む。結局彼女も狼になっちゃったのかな?
本物の狼を使って、どうやって撮影したのか。種を明かせば、ハンガリーにはウルフトレーナーという職種が存在し、主演女優のリリトはクランクインの3週間前からハンガリーで過ごし、狼と接する上での基本的なことを身に付けたとのこと。それでも撮影期間28日間のうちの15日間を占めた狼との共演シーンは、クレビッツ監督も出演者たちも一瞬も気を緩めることが許されない緊張感のある撮影が続いた。 -日刊サイゾー記事よりー
監督のインタビューによれば、色々工夫した模様。
・狼は適度にお腹をすかせ、でも飢え過ぎた状態にしないようにしておく
・アニアの股間に狼が顔を突っ込むシーンではフォアグラを置いた
・ポケットに生肉を仕込むと狼はあとをついて回った
思い返すと、CGじゃなかったというのが信じられない。トレーニング済みとはいえ、身体中舐めまわされるなんて…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル. 脚本書いた監督もぶっ飛んでいるけど、女優さんも凄い。狼は犬種族だけれど、ひとつ違うのは「犬と違って、狼は人間を喜ばせようとは決して思わない動物」だという点。そういや、狼は名無しだったね。飼い慣らそうとか、アイデンティティを奪おうという試みはいっさいみられなかった。
思い出の狼たち
小学生の時分大好きだった本は2冊とも狼がテーマだった。メル・エリス「走れ!白いオオカミ」は夏休みの読書感想文に選んだし、規定の作文用紙3ページを大幅にオーバーして30ページくらい書いてしまい、再提出になった。シートン動物記「狼王ロボ」はロボとブランカの夫婦愛が強烈過ぎて何度も読み返し、枕の下に本をいれていた。映画「ワイルド わたしの中の獣」は、大人になった私の新しい扉をひらいてしまったので、クレビッツ監督には責任をとってもらいたいです。ありがとうございました!ヽ(゚∀゚)ノ
参考記事
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