見出し画像

史上最高の”9番” ルイス・スアレス

今回はルイススアレスについて、主に
・史上最高の9番たる由縁
・なぜ戦力外になり放出されたのか
の2点を重点的に書いていきます。暇つぶしにでも使っていいただければ幸いです。

▪️生来の点取屋

2014年夏、バルセロナに生粋の点取屋がやってきた。
その名もルイス・スアレス。彼の夢はバルセロナでプレーすること。
それは1人のサッカー選手としての夢でもあるが、スアレスが幼き頃、経済不況だったウルグアイを離れ、スペインのバルセロナへと移住したソフィアさん(現在の妻)との、1人の男としての約束でもあったのだ。

スアレスがリヴァプールから移籍してくるまで戦術はメッシの偽9番を採用しており、中央のポジションはメッシが担っていた、当然ポジションの被っているスアレスは右に追いやられ、右WGを主戦場としてプレーしていた。
しかし、当然ながらスアレスの本職は中央であり、右WGとしては決して満足のいくような結果は残せていなかったのである。
そんなスアレスの転機になった出来事はメッシとポジションを入れ替え、スアレスを中央に配置し”9番”としてプレーさせることだった。
それはペップ時代のバルサでメッシに求められていた”偽9番”ではなく、ストライカーとしての真価を発揮できる”本来の9番”である。スアレスの存在がクラブのスタイルを変化させたのだ。
このポジション・システムチェンジによって、その爆発的な得点能力、ゴールへの嗅覚を存分に発揮することになる。

スアレスは公式戦通算283試合出場で198ゴール97アシスト、メッシとクリスティアーノが得点王を争う中で欧州得点王2回を記録し、ラリーガ4つ、CL1つを含む計13ものタイトルを獲得しバルサを去ることになった。
クラブ歴代3位の得点数をほこり、理不尽ショット、スーペルゴラッソでチームを幾度となく救ってきた正真正銘の”レジェンド”である。

▪️2人だけ

ここで一つ面白いデータがある。それはPKを含まずにシーズン50ゴールを達成したことのある選手は誰がいるのだろうか。というデータである。
世界には超人的なストライカーがゴロゴロといる。レヴァンドフスキ、イブラヒモビッチ、クリスティアーノ、例を挙げればキリがないほどだろう。
では誰がこのPK無しでシーズン50ゴールという記録を達成したのか。少し考えてみてほしい。

そう、答えはメッシとスアレス。この2人だけ。お互いがお互いのゴールをアシストし続けてきた結果である。
このデータだけでも2人がいかに異次元なのかよく分かるだろう。
スアレスはストライカーらしい泥臭さ、華麗さ全てを兼ね備えた完璧な9番と言っても過言ではない。
それと同時にメッシの最高のパートナーでもあったことがこのデータからも分かるだろう。

▪️戦力外の理由

スアレスが戦力外の理由、それは得点やアシストなどの結果だけをみても到底分からないだろう。
先日のアトレティコデビュー戦を観ても分かるように、たった20分の出場で2ゴール1アシストという目に見える結果を残しており、ストライカーとしてはまだまだ第一線で戦えることは間違い無い。
ではなぜ戦力外なのか。もちろん給料の面や、30代ばかりのチームの血の入れ替えを行うべき時期がやってきたことも関係しているのも事実である。しかし、一番大きな要素は至ってシンプルで走らない、守らないからである。
現代サッカーにおいてピッチ内の選手全員で攻撃を組み立てることはもちろん、全員で守備をすることは必須になっている。
昨季のCL、バイエルンと比べると分かりやすいだろう。あのレヴァンドフスキですら、ミュラーですら守備はサボらない。それに比べてバルセロナはどうだろうか。メッシ、スアレスの2人が守備を行わない始末である。むしろスアレスの方が守備を行わないほど。前線からの緩いプレス、ボールを保持したかと思えばすぐにロストしてしまい相手のターンが始まる。8点取られたことは何ら不思議ではない。
あのネイマールも、サラーも、マネさえも守備をする時代であり、いくら得点能力がずば抜けていようが、守備をしないフォワードは現代で生き残ることは難しいのだ。
ピッチ上に1人ならなんとかなるかもしれない。しかし、2人が守備免除で戦えるほど欧州のトップレベルは甘くはないのが現実なのだ。

▪️別れ

メッシとスアレス、この2人はお互いがお互いにとって最高のパートナーであることは間違い無いだろう。それは先ほど言ったピッチ内に限った話では無い。
お互いの家族を交えてディナーに行ったり、移動の際には隣に座って一緒にマテ茶を嗜んだり、共にチームを引っ張り戦ってきた親友であるメッシは私たちファン以上に寂しく感じているだろう。
これからバルセロナは得点力不足に悩む時が間違いなく来る。なんせ毎シーズン当たり前のように二桁ゴール二桁アシストを記録していた選手が居なくなったのだから。
スアレスに対して、『早く移籍してくれよ。』そう思っていたファンは多いだろう。実際私もその1人である。しかし、いざ本当に移籍してしまうと寂しく感じるものがある。

これからしばらくは
『あぁ、スアレスだったら、、、』
そう感じ、スアレスを恋しく思う時が来るだろう。そう思わせられるほどにスアレスに何度も助けられ、心を掴まれたのだから当たり前である。
でも仕方がない。スアレスは歓迎されるチームに居るべき選手であるし、バルセロナは今、若く新しいチームに変化を遂げないといけない時期なのだから。

スアレスの3本の指と手首にキスをするゴールパフォーマンス。毎回同じパフォーマンスを行っているが、あれは妻と子供の3人そして自分の計4人、家族に捧げたパフォーマンスなのだ。これだけでもスアレスがいかに愛情深い人なのかよく分かるだろう。
スペクタクルな6年間をありがとうスアレス。
これからの幸運を心から祈ると同時に、最大限のリスペクトを。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた。

▪️おまけ

スアレスといえば2014年ブラジルW杯でキエッリーニに噛みつき、4ヶ月間のサッカー活動禁止処分を受けたことで有名だろう。
そんなスアレスの息子、やはり子は親の背を見て育つようだ、、、

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?