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”今”の犠牲者 アルトゥール・メロ

皆さんこんにちは。
今回は移籍市場で話題となったアルトゥールについて
・彼の特徴
・なぜ移籍することになったのか
この2点について書きたいと思います。暇な時間にでも、『まぁ目を通してやるか』くらいのスタンスで気軽に読んでいただけると幸いです。


18-19シーズン夏バルセロナに1人、グレミオからブラジルの新星がやってきた。
彼の名はアルトゥール・メロ、イニエスタの8番を受け継いだサッカー王国ブラジルの宝である。

夢にまで見たシャビの再来

中盤(インテリオール、2ボランチの一角)を本職としており、相手をいなし味方へボールを供給する潤滑油としてバルセロナ、ブラジル代表の主力選手へと成長し、アウトサイド・インサイドのターンを巧みに使いこなし相手を無力化するそのプレースタイルからファンからは”シャビ二世”とも呼ばれるようになった。
実際にシャビ本人が『アルトゥールのプレーはまるで自分のようだ。まだ多くの可能性を秘めており、バルセロナの未来を背負っていく選手だ』と語り、さらには、メッシから直接『シャビを思い出すよ』と言わせるほど圧巻のパフォーマンスを披露していた。

ブラジル代表でも共に戦っているコウチーニョが絶不調に陥り、久方ぶりのゴールを決めた際には、誰よりも早くコウチーニョに駆け寄り自分のことのように喜びを爆発させた。彼は人の心に寄り添うことができる優しい心を持つ戦士でもあるのだ。

ピッチ上では超一流のプレーを披露しバルセロニスタを魅了するアルトゥール。そんな彼だが、私生活はネイマールと行動を共にすることが多かった。ん?ネイマール?と思うかもしれないが彼はパリ移籍後もよくバルセロナに遊びに来ており、ブラジルの同胞であるアルトゥールとよく行動を共にしていた。この時点で少し嫌な予感はしていたが、案の定水タバコを吸っている瞬間をカメラに収められてしまう。決して私生活はプロフェッショナルとは言えない選手でもある。

ブラジル人特有の陽気さからパンツ一丁で子供用カートを乗り回す写真を投稿するなど、ピッチ外でも話題が絶えず、やっていることはアホだがどこか憎めないのもアルトゥールの持ち味だと言えるだろう。


夢のスタメン奪取へ

19-20シーズン開幕前、アルトゥールは肉体改造に手をつけた。
もちろん既に主力ではあったが、時折怪我を負ってしまうため完全なるスタメンに定着してはいなかったのだ。
だが、肉体改造が功を指しシーズン序盤から大活躍。18-19シーズンではあまり見られなかったキラーパスなど、ゴールに直接関与するプレーも増え彼自身も自信に満ち溢れていただろう。
充実したシーズンを送っていたアルトゥールであったが、ここで1つ嫌な報道が。
そう、ピャニッチとのトレードによるユヴェントス移籍である。最初は誰も信じておらず、アクセス数を稼ぎたいだけのメディアが作り上げた適当な報道だろう。くらいにしか思っていなかった。ピャニッチを批判するわけではないが23歳の未来ある有望な若手が、サッカー選手としてのキャリアは終盤である30歳の選手とトレード(+1200万€)などあり得るはずがない。あってたまるか。皆そう思っていた。が、しかしこの移籍は実現してしまうのである。

Twitter上で記者に返信しているこの女性は誰かわかるだろうか?
そう、彼女はアルトゥールの母親である。母親も彼がバルセロナから離れるわけがない。バルセロナで幸せであると主張していたのである。アルトゥールがバルセロナでプレーすること、それはもはや彼自身だけでなく家族の願いだったのだ。

夢のクラブ バルセロナとの別れ

彼の夢は幼い頃から変わらずバルセロナでプレーすることだった。


やっと夢が叶ったのに。バルセロナの未来として信じられていた彼が移籍するなど誰も予想していなかった。まさに悪夢である。

この写真を見て欲しい。バルセロナ入団時とユヴェントス入団時の表情を比べたものだが、ユヴェントスのエンブレムの前に立つ彼の目は死んだ魚のようである。

なぜこのような移籍が起こってしまったのか

それはバルセロナの構造から話さないといけない。
バルセロナは通常のクラブとは運営の仕方が異なっており、経営者などは存在せずバルセロナに年会費を払う”ソシオ”と言う団体(わかりやすく砕いて言うとファンクラブのような組織)の会長がクラブの運営を行っており、ある一定の年月が立つと会長選挙を行うことになっている。

このソシオ制度の会長が任期満了時に赤字がある場合は、会長自身がお金を払わないといけない。某ウィルスの影響で収入が著しく減少したこともあり、選手の売却によってお金を得ないと現会長の財布が危ない。

そう、アルトゥールはこの無能な会長バルトメウの犠牲になったのだ。

自らが行なってきた的外れな補強。ネイマールの後釜確保に費やしたおよそ400M€、ネイマールの売却で得た収益(220M€ほど)を大幅に超えているにも関わらずどれもうまくいかずに終わっている。彼はその無能さから現地のファンからのび太と呼ばれるほどだ。
自分のケツを自分で拭わず、他人になすりつける。ましてやバルセロナの”未来”を売り””に固執した。つまり自分を守るために未来あるアルトゥールを売り捌いたのだ。傍若無人とはまさにこの事だ。
このような経緯でアルトゥールはユヴェントスへ移籍してしまった。代わりにやってくるピャニッチにはもちろん活躍してほしいが、素直に応援できないのもファンの心情としてある。

アルトゥールの次の舞台での活躍を、バルセロニスタ全員心から願っている。


最後読んでいただきありがとうございます。
また次のコラムで。

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