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『世界への入り口』から『世界の頂点』へ〜FIFAコミュニティシリーズ23開幕〜

都内でもダウンが必要なくらいの寒さになった2023年1月21日。「EA SPORTS™ FIFA」で新たにオフライン大会が開催された。
大会概要はこちら

第1回FIFAコミュニティシリーズ23』と題されたこの大会は日本国内のFIFAトッププレイヤーをオフラインで行われるオープンマッチから吸い上げ、競技人口の拡大を図るとした「ようこそ世界の入り口へ」を掲げると共に、もう一つ大きな目的として「シリーズ形式で継続的に大会を開催すること」で、「日本国内に競争的かつ楽しい競技環境や観戦文化を整備」し、最終的に

世界大会で優勝する日本人選手を輩出する

という強化の意味合いも込められている。

第一回決勝大会は総勢44人のオープン予選大会を勝ち抜いた4名(アグ選手、kaz選手、テラ選手、ゆーみー選手)に加え、前もって行われたプレ大会の優勝者・ナスリ選手、準優勝者・ファントム選手の計6名が勝ち進み、熱戦を繰り広げた。

以前よりこのコンテンツに興味を持つ者なら名前を見るだけでワクワクするほどのトッププレイヤーが揃った。
ゲームのアップデートによる使用感の変化、直前に配信開始となった「TEAM OF THE YEAR」(FIFAから排出される選手カードの中でもトップカテゴリーに当たる)をどのように使用するのかなど、今作においても大きな動きがあった直後の大会は世界からも注目されたことだろう。
大会は公式YouTubeチャンネルにて生配信された


この第一回大会を制したのはナスリ選手。先立って行われたプレシーズン大会に続き、事実上の2連覇を果たした。来月に行われる世界への道・アジア大会に向けて弾みをつける勝利となった。
大会レポートはゲキサカで取り上げられている

この記事では実際に現地にて取材を行い、この大会の強化の意義について、優勝者のナスリ選手のインタビューになぞりながら紹介していく。


1.オフライン大会の強化意義

この大会の決勝大会ではオフライン開催が選択されていた。これまでいくつかの大会が行われてはいたものの、元々オンラインで対戦ができることや、コロナ禍の情勢なども加味されてオンラインでの大会開催が多かった。私自身も目にして来た大会のほとんどがオンラインによるもので、選手それぞれが自宅や事務所からのリモート参加。我々もそうだがその方が楽だし、今の時代っぽい。

しかしながら、選手達が目標とする「世界大会」は国によってネット回線速度に差があったり、それによりラグが起きてしまうため、オフラインで行われる。更に対戦相手と対面で試合を行うのだ。

非常に近い対面で試合を行う世界大会

世界一を目指していく上では、こうした経験がないままではディスアドバンテージになりかねない。

ナスリ選手に対面での対戦について聞くと、

「世界大会では勝ち進むと対面になる。負けてる時は目の前の相手の息遣いもうるさいと感じる。プレイにも影響が出てしまう。対面は間がないのでそこの練習ができるのは大きい。相手をイラつかせるではないけれども間の取り方などはテクニックのひとつとしてあると思う。スポーツマンシップと言われてしまうのでそういうところで迷いが出てしまうというか、連続ポーズをやったら失礼じゃないかとか思うが顔色を伺いながらできるのはオフラインとの違い。大量得点で勝っている時は優しくしたくなる(笑)」

と冗談も飛び出し、オフラインでの対戦も良い経験として楽しめたようだ。



2.トッププレイヤー同士が揃う良環境

日本国内のFIFAトッププレイヤー、かつ厳しい予選を勝ち抜いた言わば日本のトップオブトップが一同に介するこの大会。
普段はオンラインでの対戦や関わりが多いため、どんな雰囲気になるのか…と一抹の不安を持ちながら現地入りしたのだが、そこはさながら「勉強会」のようだった。

大会開始前はギリギリまで他の参加選手と対戦しながら良いプレイに拍手が起こったり、失点シーンではリプレイを観ながら「こうすれば良かったんじゃない?」といったアドバイスの声も上がっていた。

アップデート直後ということもあり、使用感を擦り合わせるなど(今回のアップデート後はコーナーキックやクロスからの得点が極端に入りづらくなったり、プレスの掛かりが甘くなったようだ)
実際にコーナーキックの場面ではショートコーナーが多く選ばれていた。

また大会が始まっても尚、待機中に対戦したり、他の選手の試合を観ながらお互いに解説し合う場面も見られた。
試合後に「あのシーンは何をやったの?」といった質問が直接行われるなど積極的なコミュニケーションが見られた。

ナスリ選手からも、
「意見交換ができた。選手交代や戦術変更、フォーメーションの変更とか、あの時どうした?というのを普段だと忘れてしまう。『今の試合何分に5バックにしてたね』と成功例としてお互いに勉強できるので、オフラインならではの強化できる面だなと思う。」

更に決勝戦にもオフラインの効果が表れていたようだ。

「直前の準決勝(アグ選手vsゆーみー選手でアグ選手の勝利)を観ていて、5-2-2-1のフォーメーションが3-4-2-1で巻き返していたアグ選手にハマると思った。そこから、カンテ(ウインターワイルドカード)だとシュートが打てないのでベンゼマ(ウインターワイルドカード)に変更した。決勝の10分前に思い付いた『ぶっつけ』だった。」

オフラインであることを利用した、プロの観察眼が決勝という大舞台で何度も鎬を削ってきたアグ選手との勝負を分けたようだった。

来月18日から行われる世界大会「FIFAグローバルシリーズ2 北アジア大会(FGS2)」に挑戦するナスリ選手は、

「FGS1ではあまり良い結果を残せず、シーズンとしてはキツい状況になっている。FGS2では優勝だけを狙う意気込みでいる。2月3日から2人1組の大会があるが、その後からはFGS2で優勝だけ狙うように頑張っていく。世界大会で勝つために対応力を高めてきた。昨年の世界大会ではグループリーグ7位で終わったのでその雪辱を晴しに行く。」

と意気込みを語ってくれた。
今大会でも炸裂した「磨かれた対応力」を存分に発揮して勝ち抜いて欲しい。

注目される今後の「EA SPORTS™ FIFA」の大会スケジュールはこちら、


観戦、応援はもちろんだが、第2回以降の「FIFAコミュニティシリーズ23」への参加も強化の一つとなる。

「日本全体のレベルが上がったのを感じている。普段のプレイ中、一般のプレイヤーと当たった時も、前まではプロしかできなかったような技を当たり前のようにやってくるようになった。こうしたオープン大会もできて、みんなプロを目指してくる。崩されないように頑張る。」

とナスリ選手もコメントしてくれたように、強いプレイヤーが増えればそれだけトッププレイヤーのレベルも上がる。

この大会の優勝者と準決勝者には次回大会の予選が免除となるのだが、他の選手からも「予選からの参加は大変だから嫌だな〜」と言った声も上がっていた。これだけのトッププレイヤーをもってしてもオープン予選で勝つことは容易ではなくなっているようだ。
我こそは…と思う方は是非積極的に参加して欲しい。

「FIFAコミュニティシリーズ23」世界大会優勝という大輪の花を咲かすため、日本FIFAコミュニティへの競技文化の構築が始まった。


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