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未来の住職塾のことを話そう Vol.3|塾生座談会より

未来の住職塾NEXT 講師の遠藤卓也です。
未来の住職塾NEXTオンライン R-3は、受講生の二次募集を開始しました(5/25まで)受講を検討なさっている方のご参考になるように、5月に開催したオンライン体験会での「R-2受講生による感想シェア」の全文書き起こしをさせていただきました。

コロナの時代に自坊がどう対応していけばいいか考えたかった

松本紹圭塾長(以下、松本塾長) 本日は、未来の住職塾NEXT受講後の感想シェアリングということで、昨年実際に受講された修了生のお二人に集まっていただいています。どうぞよろしくお願い致します。
まずは熊本県荒尾市 日蓮宗 妙國寺の渡邊義専さんにお話しいただきたいと思います。未来の住職塾NEXTを受講した動機はいかがですか?

渡邊義専さん(以下、渡邊さん) 私は未来の住職塾NEXTになる前、5年前にも博多クラスで受講していました。今回が2度目の受講になります。また受けようと思った大きなきっかけとしては、やはりコロナウイルスの感染拡大が挙げられます。今まではお寺に人を集めようとがむしゃらにやってきたのが、「人を集めてはいけない」という状態になって、どうやってこの時代に対応していけばいいのか?ということを、もう一度お寺の原点にたちかえって考え直さなければいけないと思ったんです。

松本塾長 やはりコロナがひとつの大きなきっかけになっているのですね。未来の住職塾はコロナをきっかけとしてオンライン化したのですが、オンラインで受講したことについてはどうでしたか?

渡邊さん 5年前の受講時は電車で通って、他の受講生たちと昼食や夕食を一緒に食べに行ったり休み時間に話したりとか、色々な宗派の形とお話しできることが住職塾の魅力でもあったので、オンラインではそういうことが出来ないかな?と少し残念に思っていました。でも案外、オンラインとなると好きな時間にZoomなどで集まることができるので、却って以前よりも受講生同士で話せる機会が増えたと感じました。

松本塾長 そうそう。未来の住職塾の講義は全5回ですが、その間に宿題がでます。かつて集まって講義をしていた時、宿題は自坊に持ち帰ってそれぞれが取り組むという形だったのですが、オンラインになってからは「宿題グループ」をつくって、講義と講義の間の期間にZoomなどをつかって自主的に集まっていただき協力して宿題に取り組んでいただくようになったので、却ってコミュニケーションが増えたという話は、様々な受講生の感想として出ていますね。
実際、受講してみて「一歩踏み出す」ことはできそうですか?

渡邊さん 私は特に大それた活動もしていないですし、一般的な普通のお坊さんだと思います。今年41歳なのですが、迷うことがたくさんあります。「このままでいいのだろうか?」「これで本当に人を救えているのだろうか?」といった迷いが日々結構あるのですけれども、「お寺の代が変わったらどうなるか」「自分がお坊さんとしてどのようになっていきたいか」ということを考えてお寺の事業計画書を作ったので、迷った時に立ち帰れる場所ができたという感じです。基本となる道筋をたてられたことが良かったですね。特にお寺のミッション・ビジョン・バリューの3つは、悩んだときには見かえして日々がんばっていきたいと思っています。

松本塾長 お寺の事業計画書は羅針盤になりますよね。ありがとうございます。最後に、受講を検討している方へのメッセージがあればお願いします。

渡邊さん お坊さんの世界は、いわゆる「縦文字」が多いですよね。「横文字」に触れることがあまりないのですが、住職塾はたくさん「横文字」がでてきます(笑)普通にしてたら絶対に出会うことがなかっただろうと思う「横文字」にたくさん触れて、そのおかげで見たこともない世界が広がって勉強になります。
住職塾を受けようかなと思っている方は「今までやってきたことは間違ってなかったのかな?」と見つめ直したり「このままでいいのかな?」等、それぞれの思いをもっておられる方が多いかと思います。やはり先程、塾長が仰ったようにお寺をやっていく上での羅針盤となるような計画書があったほうが迷った時に立ち帰ることができますし、これからの宗教家としての人生にプラスとなるのではないかと思います。

計画書を実行していくため課題管理表の大切さを実感した

松本塾長 ありがとうございます。
ではもうお一方、早坂宏香さんにもお話をうかがってみたいと思います。早坂さんは愛知県名古屋市、曹洞宗のご寺族。旦那さんがご住職ということになります。受講したきっかけはいかがでしたか?

早坂宏香さん(以下、早坂さん) 私はもともとお寺とは関係のない家に生まれ育ちまして、ご縁あってお寺に嫁ぐことになりました。その時に、自分が飛び込んでいく世界にすごく興味を持ったんですね。あれこれ調べているうちに、彼岸寺というwebサイトで、当時インドに留学なさっていた松本さんのことを知りました。それから松本さんの情報をフォローしていたら、未来の住職塾が始まると聞き、それは機会があれば是非触れてみたいなと思っていました。

松本塾長 ありがとうございます。実際に未来の住職塾に触れてみていかがでしたか?

早坂さん 私も今回が二回目の受講なのですが、一回目の受講の時はお寺の事業計画書を三日三晩寝ずに考えて悩みに悩んで提出しました。それを松本さんに見ていただいたら「そんなに色々やらなくてもいいのでは?」と、大半をばっさり切りすてられました(笑)

一同 (笑)

早坂さん 私は「あなたがそんなに色々と考えなくてもいいんじゃない?」と、誰かに背中を押してほしかったのかなと今では思います。
自分なりにそう解釈をして何年間か活動してきた中で、未来の住職塾NEXTが始まって「もう一度、白紙から計画をたててみたいな」と思い、受講したいと考えていました。でも寺族って、お寺を空けるとなると大変な労力がかかるんですね。今お寺を出ていって受講するのは難しいなと思っていたところ、コロナでオンライン化しますということだったので「オンラインならきっと大丈夫」と判断して二回目の受講となりました。

松本塾長 オンラインを体験してみて、変わったと感じたことはありますか?

早坂さん オンラインで受講していてもお寺への来客はあるし電話はかかってくるので、ずっと集中していることは難しかったです(笑)でも講義を録画してくださっているので、あとで足りないところを補完できるのでありがたかったです。

松本塾長 講義と講義の間の宿題はどうでしたか?

早坂さん さっき松本さんが仰っていましたが、宿題グループで取り組むということで、すごくやりやすかったです。宿題自体は「自分をいかに見つめるか?」どうかが大事だと思うのですが、なかなか自坊を客観視することって難しいものです。でも同じ宿題グループの人たちから、ちょっといただいた言葉から新たな視点が見つかったりして助けられたと感じています。

松本塾長 確かに自分で自分を客観視することは難しいので、誰かが壁打ち相手になってくれたり、お互いに鏡の役割を担いあうということはすごく大きいなと思いますね。
実際に最後まで受講してみて、白紙から作ってみた新しい計画書はどうでしたか?自分の羅針盤として機能していますか?

早坂さん 今回、計画書だけではなくて、計画書をいかに実行していくかとスケジューリングをして課題管理表として提出するようになりました。それは計画を実際に日々の活動に落とし込むことに役立ちましたし、スケジューリングを具体的に考えてみることで計画のほうもブラッシュアップできたかなと感じています。

松本塾長 ありがとうございます。コロナが落ち着きましたら、あたらしい計画を進めているお寺にまた是非お参りさせていただきたいと思います。

早坂さん ぜひぜひ、お待ちしております。

松本塾長 早坂さんはご寺族という立場で、住職塾に参加して計画書をつくられましたが、同じようなお立場での受講を考えていらっしゃる方にメッセージはありますか?

早坂さん お寺の環境の中で、僧侶でない人はなかなか自分の存在意義を肯定しにくい部分が大きいと思うんです。私自身も住職塾に通いながら、お寺についての決定権がない自分が何故こんなことをしているんだろう?と思う時はありました。でも、視野が広がることで自分のやれることも見えてきますし、さっき渡邊さんも仰っていたように、自分の羅針盤が形つくられることで「やりたいことを気持ちよくやれる環境」が整えられます。
オンラインになったことですし、お寺の奥様でも子育てや家族の食事の段取りなどをあまり気にすること無く受講できると思いますので、是非一緒に学んでください!

木村共宏講師 ありがとうございます。課題管理表が役に立っているというのは、聞いていて嬉しかったです。やろうと思っていても日々の生活はなんとなく時間が過ぎていってしまいますので、実際に時間割に落とし込むことで進めていくことができます。計画をきちんと進めていくためにどうするか?という観点において、未来の住職塾NEXTからは課題管理表の作成を追加したんですね。実際に役に立っているならば、すごく嬉しいです。

松本塾長 本当にそうですね。渡邊さん、早坂さん、ありがとうございました!

やろうと思ったらその時がチャンス

以上が、今期最後となるオンライン体験会の塾生座談会の書き起こし全文です。
その後の質疑応答の時間にて、参加者からの質問に対する木村講師からの回答も印象的でした。

質問 二回目の受講を検討していますが、今年受けるべきか、来年受けるべきか真剣に悩んでいます。講師の目線からの客観的な助言があればお願いします。

木村講師 内容については毎年、講義スライドを見て改善できるよう手を入れていますので、進化し続けています。じゃあ10年後がいいのか?という話もありますが(笑)私個人の考えとしては「やろうと思ったらその時がチャンス」と常に思っています。私自身の人生においては何かどうしてもやれないような大きな障害がない限りは、やれる時にやるということを繰り返してきました。それが人生においてはプラスになっていると感じています。お坊さんになったきっかけなども含めて全て、綱渡り的な細い線でここまできていますので、ご縁をいただいているのかなと。それをまずは受け止めようと思ってやってきた人生には間違いがなかったなと思っています。

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私(遠藤)も木村講師と同意見です。塾に参加して知識が増えて視野が広がることで、同じことをするにしても臨む気持ちが変わったり、やり方も変化します。また、人とのつながりも増えますので、参考になる情報が増えたり、思いもよらなかった方向性が見えたりもします。つまり、これから一年間の過ごし方が変わるということですね。私もこれまでたくさんの塾生にインタビューしてきましたが、皆さんが口を揃えて仰ることなのできっとそうなのだと思います。
況してや、最初の渡邊さんの受講動機にもあったように新型コロナウイルスの影響によって生活様式や社会環境の変化スピードが加速して、お寺としてもこれまでなかったような様々な判断を迫られる日々。やはり拠り所になるような自分の考えをあらためてまとめておくことや、いざという時に頼りになる仲間(住職塾スタッフ、そして全国の塾生たち)と繋がれることが、大きな意義を持つものだと私は信じています。

「未来の住職塾NEXT R-3」は6月開講です。5月25日まで願書を受け付けていますので、是非とも一緒にこれからのお寺のあり方を考えましょう!

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