TNA新時代。個人的に気になっている三つの要素について。

Impact Wrestlingは、先日行われたPPV「Bound For Glory」の中で
団体の名称を「TNA Wrestling」に改称することを発表しました。


TNA Wrestling(以後TNA)は、ジャレット親子によって
旗揚げされた団体として知られており、幾度の体制変更の後
現在のImpact Wrestlingに落ち着いています。

責任者のスコット・ダモールが語るように、TNAが残したレガシーは測り知れないものがあります。

https://www.f4wonline.com/news/impact-wrestling/scott-damore-tna-wrestling-ready-for-second-golden-era-under-true-name

改称に伴って色々と変更される部分もあると思うのですが
今回取り上げるのは、プロレスファン目線で気になっている三つの要素です。

楽曲関係

TNAはデール・オリバーが主となり、レスラーのテーマ曲を作成してきました。
これはWWEやAEWと同じく、お抱えの音楽家がオリジナルの音源を作るという
いわば権利的に差し障りが少ないケースです。
しかし、2017年を最後に独自のテーマ曲は停止しており、現在は業務用音楽から
使用する形に留まっています。
(業務用音楽については下記のnoteが詳しいです)

私が注目しているのはTNAに戻ることで、音楽関係のシステムがどのように変化してくるのか?
という部分です。
団体の規模感・認知度というものは細部にまで宿るものだと私は思うので
レスラーをバックアップする要素として活用できればこんなに嬉しいことはありません。

外交戦略

第一次TNA(便宜上この呼称を用います)において、対外的な提携は極めて重要でした。
もちろん北米におけるパートナーもですが、やはり気になるのが日本マットとの関係性。
新日本プロレスNOAHWRESTLE-1など、様々な団体と縁が深かったTNA。

現在は新日本プロレスとの交流関係が広く知られていますが、
TNAになることでグローバルな戦略に変化はあるのか。
直近ではNJPW、CMLL、MLWが提携を発表したばかり。

TNAにとってはライバルとなる競合他社だけに、この辺も注視していきたいところです。

他団体への出場制限

インディー団体を見るファンにとって憂慮されるのがこの部分。
過去にはTNAがROHへの選手出場を取りやめたという経緯もあります。

http://beye2.com/item_10312.html

現在のImpactは何週かのTV放送をまとめて収録し、PPVのみ生中継する形態をとっています。
ジョナサン・グレシャムの全日本プロレス参戦もこのような背景があったため実現したこと。

TNAになり、出場制限という枷を選手たちに課すことになるのか?
個人的にはインディーへの縛りを加えるなら、年俸保障というガバナンスに基づいた契約行為を遵守してほしいです。
それこそマイク・ベイリー辺りは毎週のようにインディー団体への出場を行っていますからね。

結び

この三つが私が注目する点、というか大部分が懸念事項ですよね。
変化を選ぶということは痛みを伴うわけで、GainをPainとトレードできるかというのが
ダモール船長の航海における一番の課題といえそうです。
まだ明らかになっていない点も多い今回の動きですが
アメリカンプロレスという視点においてTNAは欠かすことのできない歴史の一部ですし
良い変化をもたらすことを願っています。

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