2024年3月のプロレス感想

ジュニア・ベニートvsミョンジェ・リー(C4 2024/1/19)

挑戦者のミョンジェ。
彼の強みは物怖じしない破天荒さですね。
ムーブの精度は低いですが、気持ちでプロレスをしているので
見ている人に訴えかける力を持っているレスラーともいえる。
王者のベニート。
タッグとしては何度か見ましたが、シングルの方が適正ありそう。
細身ながらパワフルで、身体能力も高い。
そして観客と心を通じ合わせる、万人に人気が出そうなタイプ。
試合としてはC4らしく、オーソドックスな素地にドア、チェアーと
ハードコア・レスリングをトッピングしていく形。
王座戦とはいえ、名だたるインディーの強豪を抑えて
メインイベントを張るプレッシャーはあったと思いますが、大役を全うしたのは褒めるべきことでしょう。

***3/4

ハンター・ドレイクvsオースティン・ルーク(New South vs. BSP 2024/2/24)

ルークは劇的に伸びましたね。自分を巧く見せる術を覚え、事実巧い。
テクニカル・レスラーとしてあるべき姿へと成長している。
技の置き方もクリアになり、またホームであるH2Oセンターだからこその立ち居振る舞いで感嘆しました。
王者のドレイクも相変わらず線が細いものの攻め口、ヒールとしての
アジテーションには技量を感じ、NSという小さなムラという注釈付きですが
王者たり得ていると呼ぶに相応しいと感じましたね。
ルークがH2O王者であるという点、よくわからない対抗戦という性質上
ぶつ切りフィニッシュなのが残念なだけで、内容は素晴らしかった。

***1/4

マイクDベッキオvs与一(GWF 2024/2/4)

ドイツのレスリングシーンで赤丸急上昇中のベッキオ。
鍛え上げられたヘビー級の身体から、粗そうな印象を受けますがそうではない。
機敏な動きで、まるでクルーザー級かと見まごうほどに縦横無尽。
鈍重な面持ちは全く感じず、新時代のパワーハウスの匂いが漂います。
そんなベッキオに対して与一こと稲村が挑んでいく。
与一は遠征前よりレスラーとしての完成度を上げてきましたね。
試合の中で盛り上がるツボを押さえており
単純なパワー対決という部分から脱し、ドイツの観客にも彼の天賦の才が伝わっています。
ただベッキオの方がこの試合の中では印象の残し方という点において一歩前に進んでおり、
今後、与一が凱旋帰国するにあたってはもう一段階成長する必要がある。
それを見越して与えられたチャンスですからね。

***1/4

ストーム・グレイソンvsリオ・ラッシュ(Freelance 2024/2/9)

いつの間にかヒールターンしていた王者グレイソン。
体格差を活かしリオをいたぶっていきます。
シチュエーションに則っている、という以上のものではないが
その悪漢ぶりに違和感なく入り込んでいける。
リオも復帰後状態はずっと良いですね。
攻防に主眼を置きつつも観客の思いを背負って闘う感傷的なプロレスが出来ている。
そのリオからグレイソンがクリーンにピンフォールを取るのは少々疑問だが
インディー団体の王者としては引き続きまずまずの働きを見せており評価できます。

***1/4

トレ・ラマーvsザッカリー・ウェンツ(COURAGE PRO 2024/2/11)

ウェンツが元NXTスター、現TNAスターとして貫録を見せます。
やはりサイコロジー、理の咀嚼力では一日の長がありますね。
対するラマーはのらりくらりと雲をつかむような自分のペースで甚振り。
試合の運び方という点で予想以上に様になっており、尚且つ既視感が少ない。
後半はこの二人らしい攻防重視の展開に経路変更し、
これもまた技の打ち合いという部分でお手本のような内容に仕上がっている。
個人的にラマーはUnderratedだと思うので、もっとチャンスを与えて欲しいといつも思いますね。

***1/2

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