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ゲーム攻略情報をブログで出すということ

 AOE2に限った話ではないのですが、攻略情報を得る方法はいくつかあります。
 メジャーなのは企業系サイトか攻略Wikiでしょう。個人運営のサイトも充実していることが多いですし、他には動画を見たり、ブログやTwitter、掲示板といった方法があります。すっかりマイナーになってしまいましたが、攻略本もあります。

 攻略本時代と違って、今では誰もが攻略情報を発信できる時代です。何かを見つけたときややりこんだ時など、その気があればそれを世に出すことができます。よほど新しかったり人口が少ないゲームでなければ、大抵どんなゲームでも攻略情報は何かしらの形で存在しています。

 利用する側であればそれまでの経験からそれぞれの特徴はなんとなくわかっていて、探したい情報や自分の攻略状況、ゲームの性質(人口の多寡、ゲームの新旧や難易度など)に合わせて選ぶことができます。

 では逆に発信する側としてはそれぞれの媒体にどんな特徴があるのでしょうか。どの媒体を選ぶべきでしょうか。海外の少し分かりにくいゲームや流行って欲しいゲームなら、普通に一通りプレイしただけでも攻略情報を出したいと思うこともあるでしょう。ただ攻略情報を調べるという経験と比較すれば、出す側になることは稀であるというのは間違いありません。

 今回は動画、ツイッター、そしてブログでAOE2の攻略情報を出してきた一人として、ブログで攻略情報を出す場合に感じた長所と短所を書いてみたいと思います。
 これからなにか情報を発信しようと考えている方の参考になれば幸いです。

■1.未完成でも良いということ

 大雑把に言うとこれに尽きます。
 ブログはもっとも気軽に情報を出せる媒体です。作業量、修正の効きやすさ、前後の必要情報量という面から見て行きましょう。

・作業量の少なさ

 文を書く、動画を作る、データを載せるといった攻略情報掲載に必要な作業に対して感じる難易度には、もちろん個人差があります。
 動画の撮影、編集、投稿といった作業と、文を書くという作業、どちらもそれなりの根気と能力が必要です。

 ただ両方やってきた私個人からすると、ブログ一本に対する作業量の少なさは魅力です。大体3時間くらいでそこそこの情報が入ったものが一本できあがります。
 対して動画であれば3,4日かかってしまいます。ネタを考える、納得できる絵が取れるまで粘る、素材を作る、動かす、色々調べるとなれば、きりがありません。

 これがまた生声実況だったり、内容がそこまでないものであればまた変わるかもしれませんが、ブログの必要作業量の少なさは一つ大きなポイントです。

・あとから修正が効く

 これはブログやWikiが持つ大きなアドバンテージです。
 動画で間違えたことを言ってしまった場合、それを修正する方法は上げ直すしかありません。Twitterでも一度消して再度投稿する必要があります。

 これがブログであれば、あとからいくらでも修正や追記ができます。もちろん限度がありますし、公平性のためにもその旨を書かなければなりませんが、文章は一番修正しやすいコンテンツです。

 動画でも概要欄に書いたりコメントを残したりもできますが、人によっては読んでくれない人もいます。

 間違った情報を発信してしまうというリスクはどんな媒体であっても関係なくあります。勘違いであったり調査不足だったり検証不足だったり、原因は様々ですので、完全につぶすことはできません。

 それをある程度恐れずに大枠で投稿していけるのは大きな魅力です。

・前後の情報が必要ない

 これは攻略サイト(Wiki)との大きな違いです。
 攻略サイトに必要不可欠なものがデータベースです。それも最新で完全な物です。この出来の良さでそのサイトの価値は決まると言っても良いでしょう。

 なぜならデータと結びつかない攻略情報はないからです。攻略サイトという建物には、データという土台が必要なのです。
 土台があってこそ大きな建物が建つのであり、そこが疎かになっていれば攻略サイトとしての信用を失ってしまいます。他の攻略情報も意味をなさなくなってしまい、ブログの劣化版のような形になってしまいます。

 一方で動画やブログのように、一つの話題に関してのみ言及するコンテンツであれば、データはピンポイントでいいのです。当然情報の鮮度も精度も高めることができます。

 完全なデータがあるサイトは信頼度も高く、その他の情報の価値も上がりますが、書式や検証、そして持続した更新など難易度もその分跳ね上がります。そうなれば到底一人では扱えず、組織的な運営が必要になってきます。

 前後の情報がなくても良い、つまり未完成でもいいというのは、ブログの大きな利点です。

■2.シンプルであるということ

 情報はしっかりと見つけられるものであることが大切です。そのほかの媒体と違った保存性、利便性、検索性を持っています。主に動画と文章の対比となります。

・検索ワードや見出しが分かりやすい

 SEO対策とも言えますが、文字媒体は動画より何の事柄についての情報かが分かりやすくなります。
 動画の一つの悩むポイントとして、動画時間の長さがあります。2,3分の動画が良いのか、それとももう少しテーマを増やして10分程度にするのか、もしくは何かの題材を取り扱ってそれに付随する形で攻略情報を出すのか、様々な形式と分数があります。

 動画時間が長ければ純度が、短ければ信頼度が落ちます。この動画を見ても大して情報を得られないかもしれないと思われてしまう可能性があるのです。これは大型の攻略サイトとブログを比べた時のブログが持つ欠点と同じです。

 噛み合わせることができるのなら別ですが、とても発信する側と受信する側の労力が見合いません。

 その点文章であれば、情報の核となる部分を得るまでの時間は短くなります。従って一つのトピックについてであれば1000字程度でも信頼度が落ちることはありません。

・長く保存できる

 情報の劣化はどの媒体でも同じ速度でおきますが、媒体の劣化速度はそれぞれ違います。書式や見やすさなどある程度差がありますが、文字媒体では10年前に書かれたものでも今は普通に読むことができます。ところが動画となると、形式が変わったり画質が荒かったりで情報は長く保存できません。
 今現在、1080pが主流で、視聴環境もそれに合わせて整えられています。内容が古いのもありますが、画質の関係で10年前の攻略動画などは、見れたものではありません。動画を上げ始めた4年前は720pが当たり前だったので、そう考えれば比較的新しい解説動画も、相対的に劣化したことになります。

 ブログはサービス終了で一気に情報が失われる可能性もありますが、動画に比べれば形式に差がないのでリフォームしやすいのです。ニコニコブロマガが終わるということでこちらに越してきましたが、例えばニコニコ動画の方が終わるとなった時、ブログ記事は再掲載できても動画はもう一度上げ直す気にはなれません。形態の流行り廃りに影響されにくいのも文字の強みです。

 保存という点ではTwitterも明確な欠点を持っています。
 すぐ流れて行ってしまうのです。私も小ネタやちょっとした動画紹介などをよくしていますが、ログが残ったとしてもそれが目に触れられなければ失われたのと同じです。もっとも断片的である媒体なので、個体として見た時の情報量の少なさも不利です。

 ただこれらの特性があるために、逆にブログや攻略サイトは情報の鮮度を基に疑われているという点には注意した方が良いでしょう。
 いくら書いてあることが正しくても、更新停止していればたちまち疑わしくなります。
 ある程度簡単であるならばなぜ更新しないのか、ということです。攻略サイトが建物ならば、更新停止したものは廃墟です。それは逆に界隈に対する不信ともなりかねないので、注意した方が良いかもしれません。

■3.環境に対する問題

 それなりの情報を発信するのは、出そうと思ったことがある人なら誰にで分かってもらえると思うのですが、そこそこの気力が必要です。それはモチベーションの問題だったり、必要な環境だったりします。ブログはどうでしょうか。

・モチベーション維持

 これは前の話題と繋がってきます。我々はそこそこの労力と気力、技術によって発信された情報が、人の役に立ち、界隈になんらかの影響を与えることを当然期待します。金銭を目的にしている人も多いのかもしれません。
 そしてその結果はモチベーションに直結します。

 こういった活動の主な動力源と発信の労力を比べて、やる気が勝った時に情報は発信されます。いわばリスクとリターンです。

 Twitterは最もローリスクで発信できる媒体です。一方で攻略サイトや動画を立ち上げるのはハイリスクです。期待していたよりもずっと低かったら、低いどころかマイナスだったら、そこでモチベーションは簡単に尽きてしまうでしょう。この事態を我々は恐れます。

 そのためになかなか動画を出したいと思っていても出せなかったり、Twiterや配信のコメントで言うのはできるけどなにか形に残すことはしなかったり、といったことになるのです。

 その点ブログは中庸です。
 大きな労力なく、そして修正しやすいために、ある程度の保険をかけておけばほぼリスク無しで発信できます。

・始動までの難易度の低さ

 動画を投稿しようと思っても、キャプチャーしたり編集したり声を入れたりといった諸々の手順は、全てリスクです。環境を整え技術を学び、時間を投入して、やっと動画ができます。しかも面白いか役に立つかといった保証は一切ありません。

 高い初期動機がなければ何もできないことでしょう。動画に限らず、攻略情報等に限らず、すべてのファン活動はそういうものです。

 ところがブログとなれば違います。
 文章を書くだけです。

 もちろん読みやすい文章の書き方、伝わりやすい文章の書き方、ネタ選びなど、それぞれコツや工夫が必要ではありますが、特殊な機材は一切必要ないのです。

 ちょっとやってみようかなで気軽にできる媒体がブログです。

・個人でできる

 環境という意味では、規模が大きくなりすぎず、できることが限られている点も魅力です。
 攻略サイトのようにデータベースが必要ないので、誰もが自由に発信することができます。

 また、この手軽さや小規模さは大きな強みがあります。
 いざとなったら"お前がやれ"と言えてしまうのです。本当に言うかどうかは置いておいて、いわゆる"ほならね理論"が通ってしまう環境は、モチベーション維持には大きな強みです。

■4.欠点

 他の媒体と比較した時に悪い点はどこにあるか見ておきます。発信側のリスクが低い分、受け取り手にはそこそこの労力が必要です。

・体系化できない

 これは攻略サイトに対しての大きな弱みです。
 データがあって、攻略Tipsや初心者FAQ、オススメ編成、ボスの攻略方法が載っているというよくある構成であれば、始めてきた人でも安心して情報を入手することができます
 作る方もどこに力を入れる必要があるか分かるでしょう。

 ところがブログは散乱してしまい、慣れるまではどう情報を手に入れたらいいのか分かりません。
 また、上から順番に読んでいけばいいわけではない、そのように読まれるわけではないために、頑張って書いても読んでもらえない記事も出てきます。

・読まなければいけない

 ブログという媒体では、受信側は読まなければいけず、発信側は読ませなければいけません
 動画では見ているだけで半自動的に情報が入ってきますが、文字はそうもいきません。

 読んで欲しい部分が読み飛ばされている可能性も大いにあります。
 少し前に約3行しか認識できないという記事が話題になっていましたが、ネット記事では書籍と同じような書式で書いても読んでもらえないのです。

 また、この時点で5000字ですが、だいたい4000字までで収めた方が良いとも言われています。

・時間当たりに受け取れる情報量が違う

 これは一概にどちらがいいとは言えません。
 消費中の1秒を切り取ってみれば、動画の方が有利でしょう。音も色も付けられるのです。ただ受け手側が自分のペースを確立できないのは動画の欠点でもあります。そのフレームを踏まないと、その情報を得る事はできないのです。

 ブログは実例を見せられないのも弱いです。説得力に欠けますし、受けて側にも説得力がなさそうだと入口で認識されてしまいます

・信頼度が低い

 リスクが低く発信できるのは利点だと書きましたが、それはみんな分かっています。見る側もどれだけ手がかかった代物か、ということは媒体によって分けて考えます。

 やはり攻略サイトで攻略情報を得るのが一般的ですし、動画なら分かりやすく理解できるだろうという期待があります。

 そういった前評判という意味ではブログは負けてしまいます。

■総合すると

 一つ一つの記事はそこまで大きなコンテンツではありませんが、それらをつなげればある程度大きなものになります。

 動画や攻略サイトとは違った利点がブログにはありますし、違った手法で攻略情報が組みあがっていきます。

 攻略サイトの上から下に向かうようなピラミッド型の体系化された情報は分かりやすくはあります。
 しかし、すべてのゲームにとってその形式が最も良い攻略情報の出され方かと言われたら微妙です。

 諸説あったり、歴史があって体系化できなかったりと事情は様々です。私がやっているAOE2はそういったゲームの一つではないかと最近思っています。
 または、将棋などはそうなのではないでしょうか。将棋の攻略サイトを想像してみても、駒の動かし方や基本戦法や囲い方なんかはともかく、その上のことはとても主流のゲーム攻略サイトの形式に当てはめるのは難しいと思います。少し覗いてみると、書籍の紹介やこういう所で学べますといったサイトは良くみつかります。

 長くなってしまいましたが、結論としてゲームによってはブログで界隈の人達が沢山記事を出して、マトリクス的にやる方法が適しているのでは、ということになります。
 特に、攻略サイトよりも盛り上がっているように見える点も、ゲームによってはプラスに働くのではないかと思います。

 ゲームの今の環境を良く見つめ、よりそのゲームが流行るよう、適切な方法を取っていければと思います。


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