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【AoE2:DE】超大型アップデート81058 バランス調整 【和訳と感想】

 今回はAOE2史上最大とも言われる、4月のアップデートに関する記事を書いていきます。

 今まではPUP期間にアプデ内容を詳しく書くことはしなかった公式ですが、今回は量が量ということなのか、事前に内容が公開されていました。
 専用のチームまで組まれているとのことで、運営の本気度が伺えるアップデートです。 

 なお、この記事は正式リリース時に改題して、そのまま文明バランスの和訳パッチノートとしています。
 バランス調整以外の変更点は、次の記事をご覧ください。

原文:Age of Empires II: Definitive Edition – Update 81058

 いつも通り、今回の記事も誤解誤訳の可能性があります。のちに追記修正するかもしれません。
 また現段階では詳しい検証ができていない点もご了承ください。

■全体

・戦士育成所関連

イーグル系列:生産コストが20F 50Gから25F 50Gに上昇
長剣剣士:研究時間が45秒から40秒に減少
重剣剣士:研究時間が75秒から60秒に減少
近衛剣士:研究時間が100秒から85秒に減少
長槍兵:研究時間が45秒から35秒に減少
    研究コストが215F 90Gから160F 90Gに減少
補給:研究時間が35秒から20秒に減少
新技術:ギャンベゾン(城主の時代)
 コスト:100F 100G 25秒 効果:民兵系列の遠距離防御+1
 (研究可能文明はここでは省略、文明毎に記載)

 イーグルがコストアップ、剣士系が研究時間減少ということで、イーグル系は弱体化を受けました。南米系文明は騎士と火薬が使えないので、もう少しなにかほかのテコ入れが欲しいところですが、今回のバランス調整でどうなるでしょうか。

 剣士系は緊急回避的に使いたいユニットなので、研究時間が計35秒も減ったというのはかなりありがたいでしょう。ゴート、ブルガリアは相対的に弱体化です。

 いままでは城主の時代でも槍兵は槍兵のまま使うというケースが多くみられていましたが、これでそれも終わるかもしれません。
 長槍兵もどちらかというと緊急で研究したいユニットなので、この調整は城主のゲームプレイを快適にするはずです。エチオピアのボーナスが相対的に弱体化です。

 ギャンベゾンは剣士に限って言えば、なかなか強力な技術です。以前のアプデの長剣剣士の遠距離防御+1や、チュートンのボーナスを考えれば、ハスカール並みに強く出て行けそうです。チュートンの新戦術になるかどうかが注目しどころでしょう。ちなみにマリは研究できません。

 DEに入ってから、露骨な剣士上方修正を行っている運営ですが、剣士はRTSというゲームの特性上厳しいユニットなので、これでどれほど使用頻度が変わるかはわかりません。ただ、一度は使ってみたいユニットに変わったというのは間違いないでしょう。

 ちなみにギャンベゾンとは、鎧の内側に着込む綿製の服のことで、衝撃を吸収緩和する役目があったといいます。

ギャンベゾンのアイコン

・港関連

漁船:ユニットサイズを0.5から0.4に縮小
貿易船:ユニットサイズを0.5から0.3に縮小
(機動)キャノンガレオン船:
 攻撃力が35(45)から50(60)に上昇
 対歩、弓、馬、マムのボーナスダメージが15から0に減少
 対攻城兵器のボーナスダメージが40から25に減少
 精度が50%から100%に上昇
 攻撃範囲が0から0.25に上昇

 漁船のユニットサイズが小さくなったのは嬉しい変更です。これで漁船同士がぶつかって右往左往することが少なくなるでしょう。貿易船は出番が少ないユニットですが、これだけ小さくなっているのであれば、交易効率にも大きな差が出てきそうです。

 キャノンガレオンの攻撃力上昇は、ダメージ計算をスムーズにするためとのことですが、それ以外のユニットに対しては攻撃力が上昇していることになります。また精度上昇、範囲攻撃獲得ということで、今までより軍事ユニットに大きなダメージを与えられます。
 キャノンガレオンも上方修正が続くユニットですが、研究なしでキャノンガレオンを使えるようになったアップデートの時点でなかなか使いやすいユニットだったので、今後もう少し増えていくかもしれません。

・その他

ELステップランサー:遠距離防御が1から2に上昇
ヘビースコーピオン:研究コストが1000F 1100Wから800F 900Wに減少
迎撃用窓:研究時間が60秒から35秒に減少
土木技術:
 研究コストが400F 200Gから400F 200Wに変更
 研究すると町の人が対破城槌+3を獲得
(精鋭)象弓騎兵:生産時間が34秒から32秒に減少
精鋭象弓騎兵:研究コストが1000F 800Gから900F 500Gに変更
シージエレファント:研究コストが650Fから850Fに増加

 注目の調整内容は、ヘビースコーピオンが安くなったことでしょうか。ヘビースコーピオンを使いたいと思っても、資源が絶妙に足りなくてずるずる研究が遅れるというのは、おそらく誰もが経験したことがあると思うので、これはなかなか大きな調整に見えます。

 象弓騎兵のバフは引き続き行われていますが、ちょっと間違えるととんでもなく強くなるユニットだとは思います。文明バランスの調整次第な部分もあります。
 シージエレファントはお手軽に強かったのが、今回も弱体化していきます。

PUP時からの追記:象弓騎兵のバフが緩やかになりました。30秒から32秒に、800Fから900Fになっています。

■文明調整

・アステカ

(EL)ジャガーウォリア:遠距離防御が1から2に増加
ボーナス:初期金のボーナスを、最初の町の中心を建てたときに獲得するようになった
ギャンベゾン獲得

 イーグル弱体化に比べて、心もとない調整内容です。
 剣士を使う可能性が、どれだけ出てくるかというところです。
 正直まだ使いにくい文明に入ってしまうのではないでしょうか。もし使うなら、聖職者ラッシュを練習しておきたいところです。

PUP時からの追記:ジャガーウォリアの使用感はだいぶ向上しています。歩兵が強化されている現在、アステカの構成の一つに入れる試みをしても良い場面が増えてきそうです。

・ベンガル

新ボーナス:近接騎馬が対散兵+2
大乗仏教:聖職者にも効果が適用されるようになった
補給獲得
ギャンベゾン獲得

 新ボーナスは序盤の斥候の能力があがるのと、ラタ戦車が近接モードで散兵に強くなるのが主な点でしょうか。散兵の処理速度が上がるのは、様々な場面で効果を実感できるでしょう。

 大乗仏教は帝王UTで、町の人の人口占有を10%下げる効果を持っていました。これがどれほど意味がある調整かは、少しわかりません。特殊ルール下で効果を発揮しそうな感じもします。

 補給とギャンベゾン獲得で剣士も使えるようになるかもしれませんが、残念ながら歩兵鎧3を持っていません。あまりにゴートが暴れている場合は選択肢の一つに入るかもしれません。

・ベルベル

ボーナス:移動速度上昇が、暗黒の時代では5%、領主の時代から10%になった

 深い森や遊牧のような、町の人の移動速度が重要なマップで、ベルベルがより優位なポジションを取りやすいために調整されたように見えます。
 イノシシを狩るときには少し気を使う必要があるかもしれません。

・ボヘミア

フス派の改革:研究コストが800F 450Gから500F 450Gに減少

 フス派の改革は帝王UTで、神殿系のコストがすべて金から食糧に置き換わるというものです。
 いまいち存在意義というか、活躍するケースが思い浮かばない、どちらかというとリワーク案件よりの技術かと思っていましたが、効果据え置きで少し研究しやすくなりました。対破城投石に聖職者が使えたらなかなか面白そうなので、もう少しなにかプラスで効果が付いたら活躍するかもしれません。

・ブリトン

チームボーナス:射手育成所の作業速度上昇率が、20%から10%に減少
町の中心:修理時にコスト削減ボーナスの影響を受けるよう修正

 高レートプレイヤーもフォーラムユーザーもナーフが必要と叫んでいたブリトンが、ついに弱体化します。ブリトンの肝となるボーナスなので、なかなか痛い調整です。
 具体的には、通常34秒で生産できる射手が、29秒で生産できていたところ、32秒前後になるということでしょう。5体揃えるまでの時間は、2小屋で生産していたとして大体5,6秒の差がでそうです。城主中盤の兵量にも大きくかかわってくるかもしれません。

 今まで以上に複数小屋での生産を意識することが必要になりますが、最序盤の切り詰めが異様に進んでいる現環境では、受ける影響は大きそうです。

・ブルガリア

ボーナス:初期の町の中心を建設する必要があるマップの場合、石材ボーナスが適用されなくなった
ギャンベゾン獲得

 重剣剣士がメインウェポンになる可能性があるブルガリアは、ギャンベゾンの獲得が強化につながる文明の一つでしょう。
 ブルガリアは帝王UTに加え近衛剣士以外のすべての剣士技術を研究できるので、最終的な防御力は9/6になります。こう見るとなかなか強力です。

・ブルゴーニュ

フランダース革命:
 研究コストが1200Fから650Gから200F+10F/vill 150G+5G/villに変更
 フランダース民兵の生産が、町の中心から戦士育成所に移った
フランダース民兵:
 コストが60F 25Gから50F 15Gに減少
 HPが75から60に減少
 攻撃力が12から11に減少
 遠距離防御が1から0に減少

 フランダース革命という、AOE2では異質な、どちらかというとAOE3のような技術が大幅に変更されました。

 フランダース民兵の弱体化は、フランダース民兵の生産難度低下に合わせたものでしょう。戦士育成所で生産できて、さらにコストも下がっています。

 研究コストの変更はどうでしょうか。
 元の1200F 650Gを今回の調整に当てはめて考えると、町の人100人分の研究コストです。ブルゴーニュは騎馬文明ですので、120人経済だと考えると、研究コストは上昇したと考えられます。
 一方で、"コスパを最大にするために町の人を限界まで生産してから研究しよう"という思考が必要なくなったため、かなり使い勝手は良くなったとみていいでしょう。町の人が100人の時に研究しても、150人の時に研究しても、コスパ自体に大きな変化はないのです。

 まとめると、"スパイクとしての衝撃度は低下した一方で、運用面での柔軟性が増した調整"と言って良いでしょう。特に、既存軍隊と合わせて運用できるようになったのは大きな点です。
 総合的に考えると、今のところ強化のようにも見えます。

 ブルゴーニュを使う上では切り札となる技術ですので、使用感をしっかり確認しておきましょう。
 逆に、対ブルゴーニュ戦では、盤面から革命を判断することができなくなりました。いきなり革命が飛んできて前線が崩壊するということがないよう、後半の経済荒らしはしっかり行っていきたいところです。

・ビルマ

ELアランバイ:研究コストが1100F 675Gから1000F 750Gに変更
ギャンベゾン獲得

 アランバイは調整というよりは、覚えやすくするためにキリの良い数字にそろえたというところでしょうか。
 ビルマも剣士の攻撃力上昇ボーナスを持っているので、ギャンベゾンは有利に働きます。

・ビザンティン

ギリシャ火薬:砲台が5の範囲ダメージを獲得する
ギャンベゾン獲得

 使いどころがいまいち少なかったギリシャ火薬が、砲台強化という大きな効果を手に入れました。
 ビザンティンは防御文明で建物ボーナスを持っているために、比較的砲台の出番が多い文明です。発射レートが遅い砲台が、5ダメージを手に入れたところでどれほどの効果になるかはわかりませんが、基本的に数を沢山建てるものなので、数字以上にキルレートが上がる可能性もあります。
 長期戦になるときは忘れずにギリシャ火薬を研究しておきましょう。

 また、全体の調整で長槍兵の研究コストが低下したので、それも追い風になるでしょう。

・ケルト

(EL)ウォードレイダー:
 体力が65(80)から70(85)に増加
 攻撃力が10(13)から11(14)に増加

牙城:
 攻撃速度が25%増加から33%増加に上昇
 城の近くにいる味方の歩兵を30hp/mの速度で回復させる
ギャンベゾン獲得

 使いどころがなかった城主UTの一つである牙城が、ついに強化されました。
 比較となる回復量としては、マグレブらくだが15hp/m、ベルセルクが20hp/m(噂では40hp/m)、城が12hp/m、城+薬草学が72hp/mです。
 ここから30hp/mの回復というのは、かなり強力な回復量だということがわかります。さらに、研究コストは250F 200Gと最も安い部類です。
 こうなると歩兵限定というところが確かにいい塩梅のように思えます。

 加えてケルトの帝王はウォードレイダーを主力に戦う文明でもあるので、城を建てやすいという利点もあります。
 この研究一つで城の攻撃力が強化され、回復能力が付いたことで、防衛能力は飛躍的に上がったと言っていいでしょう。
 もしかしたら城主ウォードレイダーからの城よせという戦術が開拓されることになるかもしれません。

 範囲や判定がどのようになるか少しわかりませんが、遊牧などの城を建てやすいマップや閉じたマップでのケルトの評価が上がる可能性があります。
 全体の調整でヘビスコが研究しやすくなったのも嬉しいポイントです。

PUP時からの追記:ウォードレイダーがバフを受けました。帝王ウォードレイダーはもともと使えるユニットでしたが、UTも受け取り、さらに活躍しそうです。

・中国

ボーナス:村人+3 -200Fが、村人+2 -150Fに減少
・変更なし

 Sランク文明の一つである中国に調整が入りました。
 見た感じでは弱体化ですが、一口にそう言っていいかどうかは現段階では微妙なところです。序盤内政がスムーズにいく可能性があって、それが序盤と中盤にどれほど影響するかが分からないからです。
 もしくは強さの代わりに使いやすさを手に入れたと言ってもいいのかもしれません。

PUP時からの追記:注目の変更点の一つが削除されました。検証動画によれば多少弱化して初心者も使えるようになるような変更だったのですが、何かの意図で削除されたようです。


・ドラヴィダ

新ボーナス:砲撃兵器の木材コスト-33%
医療部隊:
 コストが350F250Gから300F200Gに低下
 回復量が20hp/mから30hp/mに増加

ギャンベゾン獲得

 ドラヴィダは騎馬が全く使えない関係で、砲撃兵器が生命線なところがあるので、この新ボーナスはかなり嬉しいでしょう。
 投石器は160Wから105Wに、スコーピオンは75Wから50Wに、大砲は225Wから149Wになります。
 進化時の木材ボーナス以外これといった経済ボーナスがなく、苦しい展開になるドラヴィダでしたが、砲撃兵器を運用することで城主以降も長期的な経済ボーナスを手に入れることができるようになりました。

 ドラヴィダは、どちらかというとウルミを使いたいので、ギャンベゾンの影響は少ないかもしれません。

PUP時からの追記:城主UTの医療部隊は象ユニットを自動回復する技術です。騎馬技術が壊滅的なドラヴィダなので、象弓騎兵やアーマーエレファントで使うことを想定しているのだとは思います。象弓騎兵はともかく、アーマーエレファントは出番が多いユニットなので、これだけ安いなら忘れずに研究しておきましょう。

・エチオピア

チームボーナス:塔と前哨の視界+3から、前哨の視界+3、石コスト無料に変更
王家の血統:ショーテルとらくだが騎乗ユニットから受けるダメージ-3に変更
ELショーテルウォリア:生産時間が8秒から4秒に減少

 前哨は近年価値が見直された建造物ですので、前哨の使い勝手が良くなるというのは、なかなか嬉しい調整です。特にエチオピアは投石機関連で前哨を建てたくなる文明でもあるので、積極的に建てに行きましょう。

 射手を主力に戦うエチオピアですが、サブウェポンとしてらくだとショーテルが強化されました。
 わざわざ騎乗ユニットと書いているということは、騎士や弓騎兵から受けるダメージをそれぞれ減少させるということなのでしょう。ショーテルがハサーや騎士と戦って長持ちするのも嬉しいですし、らくだが遠慮なく弓騎兵に突っ込んでいけるようになったり、らくだミラーで少し優位に立てたりします。

 エチオピアは長期戦が見込まれるマップだと、射手をどれだけ揃えられるか、破城投石をどれだけ出せるかという勝負になりがちでしたが、これで帝王の戦い方に幅が出るようになりました。

PUP時からの追記:詳しい検証動画が投稿されたので、そのまとめを載せておきます。


・フランク

ギャンベゾン獲得

・ゴート

新ボーナス:狩猟資源が20%長く続く

 ゴートに待望の経済ボーナスです。
 文面があっさりしていてよくわかりませんが、マヤのような感じで鹿やイノシシの肉が増える系のボーナスということでしょう。

 イノシシはもちろんですが、鹿寄せが定番の昨今の環境では、受け取る肉量は大きそうです。
 イノシシ2匹、鹿3匹を食べた場合、合計1100Fですので、約200Fの資源を余分に受け取れるということになります。

 ポルトガルの苺ボーナスが250W、マヤが全資源+15%ということを考えると少し弱い気もしますが、即効性は高いので、ゴートの速攻戦術がどうなるか楽しみです。

・グルジャラ

クシャトリヤ:研究コストが200F 400Gから500F 450Gに増加
(EL)シュリヴァムシャ:生産コストが70F 20Gから70F 30Gに増加
 攻撃速度が1.75から2.0(1.9)に増加(弱体)

 クシャトリヤは歩兵の生産コストを25%削減する城主UTです。あまりにもお手軽だったので、妥当な調整でしょう。間接的にチャクラムが弱体化します。

 シュリヴァムシャは軽騎兵というくくりのなかでは特殊能力持ちで強かったため、コスト100という中騎兵並みのコストになりました。
 まだまだとりあえず出していいユニットだとは思います。

・フン

無神論:研究コストが500F 500Gから500F 300Wに減少

 無神論は少し前のアップデートで、敵の聖なる箱からの金収入を50%カットするという能力を手に入れています。
 これまでは500Gも消費するということで忘れがちな上に、忘れても良い技術でしたが、これからはフンで長期戦になったときには是非研究したい技術になりました。

・インカ

ボーナス削除:ラマを一匹持って開始する
新チームボーナス:ラマを一匹持って開始する
新ボーナス:軍事ユニットの食糧コストが暗黒の時代-15%~帝王の時代-30%
チームボーナス削除:槍兵散兵の視界+2
ーー
(EL)カマヤック:生産コストが60F 30Gから65F 30Gに増加
補給:削除
アンデスリング:スリンガーの攻撃力+1
スリンガー:弓懸の影響をうけなくなった
ボーナス:石コスト割引は初期の町の中心を建てる必要があるマップの場合適用されなくなった

 インカ待望の大幅強化です。
 インカの特徴的なボーナス、初期の無償ラマはチームに配られるようになり、かなり強化されました。

 また食料コスト削減ボーナスは、すべての軍事ユニットに適用されるので、実質長期的な経済ボーナスです。食糧コストだけでみると、民兵は51F、槍兵は30F、カマヤックは55F(調整後)、スリンガーは26Fで生産できます。
 騎馬ユニットが作れないのが残念ですが、槍兵散兵の視界+2というチームボーナスの中ではトップレベルに役に立たないボーナスの代わりにこれを貰ったと思えば、大幅強化と言っても良いでしょう。

 スリンガーが弓懸の影響を受けなくなったのは少し痛いですが、その分城主UTで攻撃力+1を獲得できるようになっています。

・日本

武士:生産コストが60F 30Gから50F 30Gに低下
投擲術:研究コストが750W 400Gから550W 300Gに減少
城塞強化獲得
ギャンベゾン獲得

 窮地に陥った時にすぐに後退できる投擲術は、そこそこ有用な技術でしたが、遠投投石機約3台分の価値があったかと言われると、難しいところがありました。それが研究してもいいかなと思えるくらいにはなっています。
 ただこれが日本の強化かと言われると微妙です。

 城塞強化はありがたい技術です。特に城が軍事の生命線となる日本にとっては大きいでしょう。建築学は持っていませんが、これで標準以上の耐久力は手に入れたことになります。

 武士剣豪が刺さらなかったときのセカンドプランとして、近衛剣士を出せるので、ギャンベゾン獲得も強化につながります。

PUP時からの追記:サージェントがコスト95、ウォードレイダー、ベルセルク、カマヤックがコスト90なので、コスト80は安めのUU歩兵になります。
 後半の内政が強いわけでもない日本にとって、主力の一つが値下げされたのは、かなり大きそうです。武士は生産速度がかなり早いのもあって瞬間的な資源消費量がすごいことになっていたので、この調整は見た目以上に影響しそうです。

・クメール

(EL)バリスタエレファント:象アーマーが-2から0に、騎馬アーマーが-2から0に、兵器アーマーが-2から0に変更
バリスタエレファント:戦闘馬車アーマー+20を追加

 一言でいうと、兵器により弱くなりました。
 アンチ象、騎馬、兵器ユニットからのダメージを減らす一方で、ボヘミアのUUウォーワゴンが持つ戦闘馬車属性が追加されたので、戦闘馬車が受けるボーナスダメージを同様に受けるようになったのです。

 ちなみに戦闘馬車アーマーが受けるボーナスダメージは、破城投石が+75、ホーフニツェと改良型投石機が+50、大砲が+40となっています。
 つまり、例えばバリスタエレファントに大砲の弾が直撃した場合、今までより20のダメージを多く受けるようになりました。

・朝鮮

重亀甲船:射程が6から7に上昇
ギャンベゾン獲得

 亀甲船が地味に強化を受け続けています。ちょうど火炎船3隻分のコストですが、しっかりと働いてくれそうな性能をしています。帝王で制海権を取りたいときには良いでしょう。

・リトアニア

ボーナス:食料150を持って開始するボーナスが、町の中心がそれぞれ食糧100を提供するに変更

 序盤のインパクトが落ちた分、ゲーム全体では受け取る食糧の量が増えました。
 町の中心を増設する時期は騎士増産と被り、なにかと食糧が足りないので、これは嬉しいのではないでしょうか。恐れずに町の中心を増設できるのも助かります。

・マレー

新ボーナス:歩兵鎧が無償
ギャンベゾン獲得

 マレーは量は少ないながらも大きな強化が入りました。
 歩兵が常に鎧を獲得するのは全時代で戦術的なアドバンテージが大きく、さらに歩兵鎧3まで持っているので割引額としても大きくなります。

 ギャンベゾン獲得も、重剣剣士ラッシュが候補の一つにあるマレーとしては嬉しい要素でしょう。

・マリ

(EL)グベト:HPが35(45)から40(50)に上昇
ボーナス:30%の金鉱ボーナスが、15%多い金を収めるように変更された
ティグイ:追加の矢が5本から8本に増加した
ボーナス:建物の木材コスト削減が初期の町の中心に適用されなくなった

 グベトの耐久がちょっとずつ上げられる調整が続いています。初期から10も上がっているので、そろそろ耐久性が実感できるほど変わっているかもしれません。

 調整が続く金ボーナスは目新しい感じがしますが、実質的には埋蔵量+15%、採掘速度+15%ということでしょう。これ系のボーナスの中では最も強力なタイプが登場したことになります。
 この変更により、終盤に加えて中盤戦も強くなりました。

 ティグイは内政荒らしに対抗できるテクノロジーですが、前提として城を建てているということは、自陣の防御が固いということなので、あまり出番がない印象でした。
 城は攻撃力11、クレポストは攻撃力10で5本の矢を放ちます。町の中心の攻撃力は5で8本の矢を放つということなので、そこそこ強力という感じでしょうか。
 また、駐留したときの最大矢の本数も上昇するので、町の中心の防衛力はかなり上がることになります。
 広めに内政拠点を取っている場合や、敵の騎士の群れが飛び込んできそうな場合は、研究してみても良いのではないでしょうか。

 今回初期ボーナスが、軒並み初期町の中心建造後に適用という形に調整が入りましたが、一番影響を受けるのがマリでしょう。
 というのも、今まではマリは唯一、遊牧で町の中心と港を建てた後漁船を一隻建造できたため経済の伸びが他文明と比べて良かったのですが、おそらく今回の調整でそれを失いました。
 プロシーンでも遊牧でマリをピックするプレイヤーは多かったのですが、これで遊牧でマリをピックする理由がなくなってしまったかもしれません。

・ペルシア

ボーナス:初期の食糧50木材50は、初期町の中心建造後に受け取ることができる
ギャンベゾン獲得

 ペルシアもマリと同じような理由で遊牧でピックされる文明でしたが、ペルシアはきっちり資源を受け取れるので、逆に影響は少なさそうです。
 マリに代わる文明として台頭してくるかもしれません。

 ペルシアは唯一長剣剣士までしか研究できないので、ギャンベゾン獲得がもっとも意味がない文明です。

 文明評価ではこれと言って注目されることがなく、低めの評価を受けることが多い文明なので、例えば今回のリトアニアのように、町の中心建造毎に追加資源を受けとるなどの、もうちょっとなにかバフが欲しいところです。

・ポーランド

ボーナス:町の人の自動回復は領主の時代以降になった

 ポーランドのナーフが続きます。
 暗黒時代に発生する小競り合いで優位に立てなくなりました。ただ、そこまで影響はないように見えます。

・ポルトガル

(改良)オルガン砲:
 ダメージが16(20)から7(9)に低下
 副次ダメージがメインの弾と同じに変更
 発射数が、5(5)から6(7)に増加
 命中率が50%から0%に低下
 攻撃分散が0.75から0.25に低下
 対歩兵ボーナスが0から1に上昇
改良オルガン砲:対建物ボーナスが0から1に上昇
ELキャラベル船:研究コストが750F 475Gから700F 525Gに変更
ギャンベゾン獲得 

 オルガン砲に大幅な変更が入りました。
 今までは、メインの弾に表記通りの性能が与えられて、他の弾丸は攻撃力-2されて周囲0.75マスに散乱するという形でした。
 それが今回のアプデで、すべての弾丸が一律同じダメージで、目標の周囲0.25マスにランダムに散乱するという形に変わったのです。

 命中率や分散が絡んでくるために期待値を求めるのは難しいので、よりリアルな感じになったということで良いでしょう。
 より集団で行動する必要があるなどの使用感は変わりそうですが、運用の基礎は今までと変わらないはずです。 

PUP時からの追記:対歩兵兵器としての役割に特化した性能になったようです。遠距離防御が6以上の相手にはほぼ効果がなくなってしまい、対建物能力も落ちました。
 詳しくは検証動画をご覧ください。


・サラセン

狂信:研究コストが500F 450Gから400F 400Gに減少
ギャンベゾン獲得

 狂信はマムルークとらくだのHPを20上げる城主UTです。
 サラセンの軍事を支える強力な技術とはいえ、血統の亜種のような性能で割高に感じていたので、いい塩梅なのではないでしょうか。
 まだ高いので、城主ボタンを押したあたりに研究することになるでしょうか。

・シチリア

ボーナス:畑のアップグレードボーナス+100%が+125%に上昇
ボーナス:建造速度ボーナスが、城の建造速度50%アップ、町の中心の建造速度100%に変更
ドンジョン:
 城塞強化の影響を受けるようになった
 槍兵系も生産できるようになった
 射手、騎兵育成所をアンロックできるようになった
第一次十字軍:
 スポーン数が7から5に減少
 研究コストが300F 600Gから400F 300Gに変更
サージェント:
 領主の時代でHPが45から50に増加
 領主の時代では建造/修理が25%遅くなる
 城主の時代でHPが65から75に増加
ELサージェント:研究コストが1100F 800Gから800F 675Gに減少
ボーナス:初期石100は町の中心を建てたときに受け取るようになった
ギャンベゾン獲得

 シチリアの城建造速度は(文明バランスを考慮するにしても)ちょっとリアリティに欠けるレベルだったので、それに調整が入りました。緊急回避的に城を建てるときには注意しましょう。

 開発はどうしても、シチリアにはサージェントとドンジョンで戦って欲しいようで、様々な強化が入りました。
 まず、ドンジョンが戦士育成所の代わりとして機能するというのは大きいでしょう。まずドンジョンで一当てして、そのあとシフトするというような選択ができるようになりました。終盤は苦しくなったら槍を出すという選択を取りやすくなったのも、嬉しい変更点です。
 コスト据え置きでこの変更は大幅強化と言って良いでしょう。

 移動速度が遅くていまいち扱いづらい印象を受けるサージェントですが、実は剣士系と移動速度は一緒です。もともと剣士系を上回る耐久が、今回さらに強化されたので、重装歩兵として少し荒い使い方ができるようになりました。
 ELサージェントの研究コストがぐっと下がったのも、追い風になるでしょう。
 サージェントを"強い剣士"ととるか、"使いやすいチュートンナイト"ととるか、"使いにくいが生産しやすいベルセルク"ととるかで、評価が分かれてきそうです。

 第一次十字軍はネックだったコストが調整されて、マイルドな性能になりました。
 コストが高い、町の中心が5つ揃わない、サージェントの足が遅い、ばらばらの位置から生産されてくる、人口スペースがなくなるなどの要素があって、時機を逸しているイメージしかないので、スパイクとしての威力は落ちますが、元ある兵に増強する形で手軽に使えるようになったのは良い変更かもしれません。

PUP時からの追記:ほかの畑ボーナスの劣化版だったので、これで少しはマシになりそうです。

・スラヴ

ボヤール:生産コストが50F 80Gから60F 70Gに変更
親衛隊:研究コストが1200F 500Gから900F 500Gに減少
ギャンベゾン獲得
ボーナス:補給とギャンベゾンが無償になった

 ボヤールはDEになってからずっと生産難度が下がり続けていますが、騎士と似たようなバランスになったため、これでまた生産難度が下がりました。
 金80は重いけど、金70は許せるような気がするのは不思議です。

 親衛隊は歩兵が範囲ダメージを与えるようになる帝王UTです。
 スラヴの歩兵はサブウェポンに入るかどうかというところだったので、それに高額な技術を入れたくはならなかったのですが、それが少し落ちて研究しやすくなりました。
 欲を言えば800F 400G程度まで落として欲しかったところですが、これでどうなるか楽しみです。

 今までは劣化ゴートなボーナスでしかなかった補給無償が、ギャンベゾンも無償になり、少し差異がでてきました。
 後半まで城を建てる余裕がなかったときは、思い切って歩兵+砲撃兵器の運用をするのもありかもしれません。

・スペイン

宗教裁判:宣教師の射程+1が追加
コンキスタドール:遠距離防御が2から1に減少
新ボーナス:研究した技術毎に金20を獲得
ボーナス:建築速度ボーナスは初期町の中心には適用されない
ギャンベゾン獲得

 コンキスタドールに弱体化が入り、主に町の中心や敵射手隊の範囲に入って無理やり狩りに行くときのリスクがあがりました。

 注目の新ボーナス、金+20の威力はどれくらいでしょうか。通常のゲームでスペインが城主入りまでに研究するであろう技術は次の通りです。

機織り-時代進化-斧-引き具-手押し車-馬鎧1-血統-鍛造-時代進化(9個)

 各技術で起こる変化を順に見ていきましょう。
 まず、民兵が金を掘ることなく(最近は2体がトレンドですが)3体出せます。時代進化でも金が入手できるなら、10だけ金を掘る形で軍兵にも適性があることになります。
 射手が使えないので、ボーナスを活かした軍塔も候補に入ってきます。その場合は矢羽根を入れますが、矢羽根はスペインの場合もともと金が不要なので、純粋に金20を手に入れます。建造速度ボーナスもあるので、軍塔の適性がぐっと上がったように見えます。

 単純に斥候をする場合でも、機織りから機織りから手押しまでで5つの技術を研究しているので、金100を入手します。金20のために技術を研究する必要はないでしょうが、金に割り当てる人数を減らすことができるのは大きいでしょう。

 オーダーが整備されれば、城主序盤で騎士2体分くらいの差は出てきそうにも見えます。スペインは序盤が苦しい関係で長らく最強文明から一歩引いた位置にいた印象でしたが、これでどうなるか楽しみです。

 建造速度ボーナスが初期町の中心に効かなくなったのは、遊牧ではマリの次に影響がありそうですが、遊牧スペインはそれ以外にも強みがあるので、こちらはなんとなく公平に見えます。

・タタール

(EL)ケシク:生産時間が16(14)から17(15)に増加

 微妙な変化ですが、ケシク弱体化は妥当に思えます。

・トルコ

砲術:研究コストが450W 500Gから600F 650Gに増加

 前のパッチで石が必要なくなって研究難度が下がっていましたが、今回大きく増加しました。個人的には効果に見合っているように感じます。

・チュートン

(EL)チュートンナイト:生産コストが85F 40Gから85F 30Gに低下
ギャンベゾン獲得

 チュートンのメインウェポンは騎士なので、剣士を積極的には使いたくなりませんが、近距離防御が城主で+1、帝王でさらに+1のボーナスを持っているので、シナジーはあります。
 これでチュートンが剣士をフルアップさせた場合の防御力は、6/6となります。

PUP時からの追記:重騎兵並みのコストだったチュートンナイトのコストが低下しました。しかも食糧ではなく金コストが減少したのは、かなり大きいでしょう。
 今までは出せば出すほど不利になるような印象があったユニットですが、強化に次ぐ強化でそろそろなにかチュートンとの噛み合いを見せてくれそうです。

・ベトナム

紙幣:研究コストが600W 350Gから550F 200Wに減少

 紙幣は最近効果が変わった帝王UTで、木を切る人が金も出力するようになる研究です。
 金を得るために大量の木材と金を使ううえに、ベトナムが弓文明ということもあって判断をややこしくしていましたが、これですぐに研究しても良い研究になりました。
 ベトナムは城が忙しい文明なので、早めに2つ目を建てるか、無駄なくやりくりする必要があります。

・バイキング

首長:
 町の人、貿易ユニット、聖職者を攻撃している間金を生成する効果が追加
 研究コストが700F 500Gから600F 450Gに減少
狂暴化:ボグスベイガーに置き換え削除
新技術:ボグスベイガー(帝王の時代)
 コスト:650F 500G 効果:射手系、バイキング船の攻撃力+1

 首長は歩兵に対騎馬能力を付与するものでしたが、それにさらに、ケシクの略奪のような能力をつける効果がつきました。
 開発者によれば、町の人を倒した場合は金5、聖職者と交易ユニットからは金20を手に入れるようです。
 正直ケシクにしても副次的な効果な上に、歩兵は荒らしには少し不向きなのでどうかなという気もしますが、とはいえバイキングは帝王での騎馬適性が低いので、結果的に恩恵を受けられそうです。

 新技術で射手の攻撃力をあげる研究を貰いました。
 詳しい検証動画がだされるまで分かりませんが、射手の攻撃力+1は弓懸に匹敵するという意見を持つ人がちらほらいます。弓懸が奪われ、帝王陸戦最弱の一角と言われているバイキングですが、これで少しだけ戦いやすくなるかもしれません。
 ただ個人的にはコストに見合っていないように感じるので、リカーブボウのように射程+1がついて評価が滅茶苦茶高くなる未来を待っています。

 ベルセルクの回復をあげる強力なUTだった狂暴化ですが、標準搭載になるとのうわさもあります。もしそうなら、大幅強化といって良いでしょう。

■まとめと感想とお知らせ

 今回はここまでです。
 今回の傾向をまとめると、Sランク、CDランクに置かれるような文明を中央によるように調整し、使われていないユニークテクノロジーを軒並み強化し、尖っていて使いづらかったテクノロジーを丸くしたという感じになります。
 歩兵環境をどうにか作ろうとしている感じもします。

 文明の使用感が大きく変わりそうですが、興味を惹かれる変更はありましたか?
 個人的には(多すぎてもうすでに半分ほど忘れましたが)ケルトの牙城と、スペインの新ボーナスが熱いと思いました。攻城兵器が好きなので、ヘビスコの研究費が下がって、ケルトやスラヴが帝王序盤で戦いやすくなるのは嬉しいです。あとスペインは昔ながらの強豪校というようなイメージを持っているので、これで活躍してくれればと思います。

 肝心のリリース日ですが、個人的な予想では早くて4月7日(イースター直前)、いつも通りのペースなら4月末、下振れで5月1週中盤あたりだと思っています。イースター周りは毎年新発表があるので、新DLCの情報もあるかもしれません。それも楽しみにしておきましょう。

文明バランス以外の変更点は次の記事をご覧ください。


 それでは今回は以上です。ここまでお読みくださりありがとうございました。面白かった、役に立ったという方は"スキ"ボタンのクリックやフォロー、サポートなどよろしくお願いします!

 

 

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