ラノベの「カラー口絵」以外の選択肢
ライトノベルのイラストは、カラーイラストの表紙と文中の挿絵のモノクロイラストに加えて、表紙をめくってすぐに見える口絵のカラーイラストがある。文中の一節・セリフが添えられたカラーイラストで、本編中のワンシーンを抜き出しているのだが、これは読者が本文を読む前に必ず目に入ってしまう。もちろん重大なネタバレが描かれているものは少ないが、作品としてこれは最適なページの使い方なのだろうか。他の可能性を提案したいと思う。
そもそもライトノベルは一般小説とは違い、漫画のように透明のラッピングをされた状態で書店に並んでいることが多く、購入まで中身は見れないから、口絵で作品の面白さをアピールするという効果はあまり期待できない。
同じ内容のイラストでも、挿絵は文章と同じタイミングで目に入るが、口絵は文章中でそのシーンが来てもページを戻らないとイラストが見れない。映像に比べて、書籍はページをめくるだけで前後の内容を見れるというメリットがあるが、それでも物語は「流れ」を作ることの要素が大きいと思う。カラーイラストは確かに情報量も多くダイナミックだが、ページを1枚ずつめくっていく流れの中で挿絵が視界に飛び込んでくるのは作品体験としてのタイムラグがない。
カラーイラストをモノクロの挿絵にすれば、イラストレーターの負担的に表現できる場面が増えるというメリットもある。カラーイラストを1枚描く労力でモノクロイラストを2枚描けるとしたら、その分だけ映像化できるシーンが増えるということだ。まあ労力換算はそんな単純な話でもないと思うので2倍とまではいかないだろうが。
ただ、表紙以外にカラーページがないと味気ないと思うのもまた事実だ。ライトノベルのキャラクターはカラーありのデザインを知ってこそ感じ取れるニュアンスがあるのもまた事実だと思う。髪の色などはその最たる例だろう。文章と挿絵だけでは「勝ち気でさっぱりした性格の少女」としてしか認識できなくても、「カラーイラストを見たら実は水色の髪でギャップ萌え」。そんなことが起きなくなってしまう。例えがわかりにくいのは許してください。
そこで、冒頭のカラーページを「イラスト付きのキャラクター紹介ページ」にしてはどうだろうか。1人1ページで顔アップと立ち絵・簡単な紹介文。バトル系なら使用武器の説明とか入れて、ラブコメなら箇条書きでプロフィール(好きなもの・嫌いなもの・etc)とか入れれば完璧だと思う。これなら本編の内容にも殆ど触れないし、カラーイラストよりは描き手の負担も少ないだろうから挿絵の増量にも期待できるし、作品の疾走感も損なわれないし、カラーページがない寂しさも生まれない。
結構満点に近い回答出してると思うんですが、業界の方見てたら雇ってください。ただ自分は今の形態のラノベに合理的な理由があるかどうかとかは知らないので、カラー口絵にちゃんとした合理的な理由があったらごめんなさい。素人のボヤキだと一蹴してください。よろしくお願いします。
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