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初音ミクのいる世界 - 『MIKU BREAK ver.0.9』

こんにちは。FAVER広報部です。とても久しぶりのnoteになりますが、早速!! 来る2月24日(木)に『MIKU BREAK ver.1.0』のライブが開催、そしてFAVERで生配信することになりました。ただ、まだ『MIKU BREAK』(ミクブレイク)ってなんですか?、という方もいるハズ、、、

ということで、今回はミクブレイクの魅力を多くの方に伝えるため、エンタメ分析家の、まいしろさんに昨年12月に行われた『MIKU BREAK ver.0.9』のライブレポを執筆いただきました。

2021年12月12日、神奈川にあるCLUB CITTA’で初音ミクの新プロジェクトが実施された。

プロジェクトの名前は「MIKU BREAK」。

「ストリートカルチャーと初音ミク」という、異色の組み合わせから生み出されたこのステージは、これまでの初音ミクとは異なる新しい彼女の姿を見せてくれた。

FAVERでは、「MIKU BREAK ver.0.9」と名付けられたこの貴重なステージを、オンラインにて配信。画面越しにも伝わった、この画期的なパフォーマンスの様子をレポートする。


■オンラインライブの枠を超えた臨場感

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今回の「MIKU BREAK ver.0.9」に出演するのは、世界の歌姫「初音ミク」とテックダンスフュージョン集団「CONDENSE」。

初音ミクといえば、これまでアニメやサブカルチャーの印象が強かった。
しかし、このMIKU BREAKでは、ヒップホップ・ストリートダンスなどと組み合わせた異例のステージが見られるという。

どういうパフォーマンスになるのか想像がつかない中、会場は暗転。
ミクの影と、その隣に大きなカウントダウンの数字が映される。

3、2、1…というカウントダウンの後、静かに歩き出した初音ミク。
そのままスプレーを手にとった彼女は、画面いっぱいに何かの文字を描き出した。

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スプレーの音がやみ、会場に映し出されたのは「MIKU BREAK」という文字。そのまま今回の出演者である、初音ミクとCONDENSEの映像があふれ出す。

いま見ているのが現実か映像か、境目がわからなくなった瞬間、流れ出したのは1曲目「Over Lap」だった。

正直なところ、始まる前は「初音ミクのライブをオンラインで観る」というのは体験としてどうなのだろうと思っていた。
初音ミクのプロジェクトを楽しむなら、ライブ映像よりPVを観る方がいいという考えがどうしてもあったのだ。

しかし、このFAVERの配信には、映像にはない「ライブならではの臨場感」が感じられた。映像とステージの切り替え、満足のいく音質、ところどころで映される観客の様子が、オンライン越しの映像を「ミクのライブを観ている」という体験に変えている。

「Over Lap」を歌いきった初音ミクは、もう一度スプレーを手に取り、画面に本日の共演者であるCONDENSEのロゴを描いた。

そして、その暗転したステージ上に、CONDENSEのメンバーが登場。

彼らの前には、背後が透けて見える大きなスクリーンが置かれている。

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CONDENSEのメンバーが「Break the Bias」の激しいダンスに合わせて動くたびに、スクリーン上の映像も動いていく。

映像そのものは派手なのだが、目線はかならず人に向くように出来ている。
あくまでメインはダンスであり、映像は「ダンスを演出する」ためのものなのだ。

CONDENSEのメンバー7人による迫力あるパフォーマンスの後、ステージには再びミクが登場した。メンバーとミクが話しているうちに、CONDENSEのメンバーが映像になってしまったり、ミクが急に移動したり、何やらステージで不穏なことが起きている。

そしてスクリーンに映し出されたのは、目の前の観客たちの姿。ステージに準備されたカメラで観客の様子が撮影され、それが画面いっぱいに映されている。

映像と生身の人間がめまぐるしく変わっていく演出とともに、披露されたのは「Shower」。まさに、二次元と三次元の境目を「BREAK」するパフォーマンスを見せてくれた。

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■音楽を主役にした意欲的なチャレンジ

続いてはMPCと呼ばれる電子楽器を用いたパフォーマンス。
「ダンス!」「音楽!」「楽しい!」といったシンプルでかわいらしいミクの言葉を使って、その場で音楽が奏でられていく。

そして、それと対になるような演出で披露されたのが、楽曲「だんだん早くなる」のビートボックスアレンジだ。MPCが機械ひとつで音楽を奏でていたのに対し、こちらはひとりの人間が楽器も使わずにステージで音楽を奏でていく。

どちらも余計な演出をいれず、「音楽」を主役に機械と人の対比を見せてくれた意欲的なステージだった。

続いて披露されたのは、ボカロ曲の中でも特に人気のある楽曲「千本桜」。

あらゆるステージで演奏されてきたこの曲だが、MIKU BREAKでは、これを荒々しいラップ調にアレンジ。ビートボックスとかけあわせ、ユーモアのあるダンスを取り入れることで、ここでしか聴くことができないMIKU BREAKならではの「千本桜」を見せてくれた。

そのままの勢いで始まったのは「Move Your Body」。
これまで見せてきた動きのあるダンスからは一転。楽器を手にしたメンバー達が、ステージ上で演奏を行なっている。

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CONDENSEのメンバーは、ダンス・演奏・テクノロジーにあわせた演出すべてにおいて、一切手を抜いていない。「ストイック」という言葉が非常に似合う集団だ。こういった彼らの高いプロ意識が、このストリートカルチャーとミクという異色の組み合わせを可能にしているのだろう。

静かになったステージに、ぼんやりとした光の影のようなミクが立っている。先ほどまでとは違う、しっとりとした演出のなかで始まったのは「らしさ」。

ゆったりとした空気の中、スクリーンには「初音ミクかわいい」「888888」といった、これまでミクに投げかけられてきたファンの言葉が映されていく。

生身のアーティストではないミクは、これまで多くのアーティスト・ファンに愛され、支えられることで成長してきた。そんなミクの歴史をなぞるような、リスペクトを感じる暖かなステージとなった。


■観客と一体となって盛り上がった大盛況のライブ

穏やかな空気を切り裂くように、始まったのは勢いのあるチューン「SPACE Mix ver.」。ミクとCONDENSEのメンバーが、抜群に息のあったダンスを見せてくれる。

今回のMIKU BREAKでは、映像とテクノロジーをクリエイティブファームのTHINK AND SENSEが手掛けている。ダンスに合わせて入る映像の演出は、まさにここというタイミングで出てくるものばかり。

細かい演出のこだわりによって、「SPACE Mix ver.」のパフォーマンスは、最も「いまミクがここにいる」と感じさせてくれるものとなっていた。

そしてむかえた、ラストソング「 BREAK OUT」。

スクリーンには衣装を着替えたミクが現れ、会場の観客たちはスマートフォンのライトを振って彼女をむかえる。

終盤にも関わらずキレが一切落ちないCONDENSEのダンスと、ミクとの完璧なシンクロで会場は大盛りあがり。

最後まで歌い終えたミクは、観客にむかって「MIKU BREAKをこれからもよろしくね!」と告げ、パフォーマンスを締めくくった。

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これまでの初音ミクを大事にしつつ、決してそのイメージにとらわれず、新しい彼女の姿を見せてくれた「MIKU BREAK ver.0.9」。

今後はさらにアップデートした「ver.1.0」を実施予定ということで、こちらも目が離せない注目のパフォーマンスとなりそうだ。

エンターテインメントとしての楽しさだけではなく、今後の大きな飛躍の可能性を感じたMIKU BREAKプロジェクト。ぜひ、次はあなた自身の目でステージを目撃して欲しい。

■2月24日(木)17:00〜生配信の『MIKU BREAK ver.1.0』視聴チケットはFAVER.tvで発売中 【こちらをクリック】■

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■MIKU BREAK公式サイト
https://mikubreak.com

■MIKU BREAK公式Twitter
https://twitter.com/MIKU_BREAK


■イベント名
:MIKU BREAK ver.1.0
■主催:クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 / 株式会社ティーアンドエス
■著作権表記:©CFM / ©T&S


まいしろ
エンタメ分析家。データ分析やインタビューを通して、なんでもないことを真剣に調べてみた記事をたくさん書いてます。よく書いているのはエキサイトニュース、デイリーポータルZ、LINE MUSICなど。漫画・アニメ・ゲームなどについても書きますが、音楽と映画が特に好き!

Twitter:  
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