アカネの家を作っている話。

衝撃の『マツクランジャタイ』から、あっという間に時は経った。
まだ、私の彼女に対する憧れはほんのり熱を帯びている。
証拠にあの日からスマホのロック画面は今日までずっとアカネさんだ。


冷めない熱は連日続く異常な暑さで更に狂気と化しつつあって、今私はSwitchで発売されたどうぶつの森の有料追加コンテンツ『ハッピーホームパラダイス』でアカネの家を作ろうと目論んでいる。
私の愛は少し方向が怖い。
しかし、これがガス抜き。発散なのである。


設定を整理していく。
大変ありがたいことにXに大まかな演劇の内容を上げてくださっている方がいたので、それを参考にイメージを膨らませていきたい。

まず、大切なのがあの話の時代が昭和であったことである。
私が生で見たことは無い時代のため、少し悩んだが今回はアカネが『木綿のハンカチーフ』をカバーしていたと捉えて、あの物語はこの曲の発売年よりは後である1975年以降のうちのどこかにすることにした。


次に『アカネ』という女性像を深堀りしていく。
私は彼女が働いていたような大人のオアシスについては全くの無知なので、インターネットの画像やYouTubeの動画からかいつまんで参考にしていくことにした。

アカネのいたパブの業態はいったいどんな感じだったのだろうか。
ひとえに『夜のお店』と言っても、どんなサービスがあるかによって細分化されている。
最初、私は踊っていたという所に着目しすぎてフロアでたくさんの人が踊っているクラブのようなイメージを持っていた。
しかし、実際の洋平のセリフは「ストリッパーたちが踊り狂っていた」というものだった。
そうなると自分のイメージは少しピンと来ない、練り直してショー形式のパブに落ち着いた。

これを思いつかなければ辿り着くことも無かったであろう。
普段見た事もない風営法について書かれたサイトから、アカネのいた環境を想像する。
なんでここまで彼女の就業状況について拘るかと言うと、それに応じて部屋の大きさなどを決める手立てにするためである。
就業状況は経済状況に繋がっているものだと私は思っているのだ。


ある程度決まったら、あとは私の空想と希望で全てを決める。
私はアカネはあまり広くないワンルームの年季が入ったアパートに住んでいたと思っている。
ベランダがあって、そこでタバコを吸いながら夕日に照らされる町を見たりしていて欲しい。

さすがにそれだけでは、まだまだ曖昧なのでネットで色々な間取り図を見て部屋のレイアウトを決めることにした。
おかげで引っ越す予定もないのに、私のGoogleの検索候補は一目見たら「この人は引越しを考えている真っ最中だ!」と受け取られかねない文字だらけになってしまった。
しかしこういったこだわりが、リアリティの追求というものである。


部屋の作りはある程度決まったものの、彼女がどんな家具を選ぶかが今度は課題となった。
私が自分の好みだけで家具を選ぶとなると、大体が木目調の素朴な家具とか北欧系の柄が入ったものばかりになってしまう。

でも、アカネはたぶん違う。
アカネの目線で好みを決めなければならないというのが思っているより大変だった。
何かを参考にしようにもさすがにインテリアまではGoogleでも出てこない。
ましてや時代が昭和なのだ、その時代らしい家具を探すのに苦労することになった。
作業は今ここで止まっていて、考えては置いて辞めてまた置いてを繰り返している。

近いうちに私の頭の中に広がる彼女の生活を完成させたい。
数時間のうちに私を虜にさせ目の前から去ってしまった『アカネ』が確かに存在したことを残しておくために。(了)

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