マツクランジャンタイ ~あぁ再演だぞう~の話。(ほぼ国ちゃんへの賛美編)

6月25日火曜日。
私はお笑い芸人のランジャタイとマツモトクラブによる公演『マツクランジャタイ』を見に行った。


事の始まりは2023年末頃。
自分でもよく分からないきっかけで急にランジャタイを好きになって、2人のエッセイ本を購入した。

「せっかくこんなに好きになったし、生きてるうちに1度はランジャタイを見たい気がする!」

…といつしか、そんなふうに思っていたのだった。


私は時々このような思いつきで好きになって、せっかくだから生で見ておきたいと言い出すことがある。
私はそれを『人生の思い出パッキング』と呼んでいる。
いつか、私が生きるのを終える時に「せっかく生きてるし◯◯したい」の思い出をこの目を通してたくさん詰めておきたいのだ。



そんなことを考えていながらXを眺めていると、『マツクランジャタイ』という公演の再演が決まったという投稿が流れてきた。

偶然にもそのエントリー開始がそれを知った日。
これ幸いと即決でエントリーした。
まぁ、でも東京は平日で2公演あるとはいえ1日のみ。
加えてランジャタイは今をときめく人気芸人だと聞いている。
当たらないだろうという博打気分だった。


予想に反して、当選。やったぜ。
かくして私はランジャタイに会えることになったので、今日まで何とか生き延びていたわけである。
あ。もちろん、マツモトクラブさんにも会いたかった。
R-1のネタすごく好きだったし。


『マツクランジャタイ』というくらいだからツーマンで交互にネタ見せをしたりコラボコントをしたりするような公演だと思っていた。
しかし、一昨日くらいにふとXを覗くとどうもそうでは無さそうだと知った。
「え、漫才とコントやるんじゃないの…?」
その時の私はそう思ったが、とにかく生でランジャタイが見られれば何でも良かったのでそれ以上は知識を入れずに今日を迎えた。


私のランジャタイの印象と言えば、「あぁいう男子…小学生の時にクラスに2~3人はいたな」とノスタルジックな記憶を呼び覚ますようなネタをやり続けて上り詰めた芸人である。
特に目立つ方、国崎和也(国ちゃん)はそのタイプでそこに伊藤幸司(伊藤ちゃん)が一緒になって楽しんでいるような。
とにかく見た目は大人、中身は小学校低学年男子のような人であると理解している。
(失礼なこと言ってたら本当すみません)

かたや、マツモトクラブさんは演技派で俳優としても充分通るのではないかと思うようなストーリーの中でピンネタを繰り広げる芸人さん。
そんな2組の芸人さんに一体私は何を見せられるのだろうかと、期待と不安が入り交じった状態で会場へと入った。


結果、私は「今日で人生を終えてもそれほど悔いは無いかもな」と思うような経験をしてしまった。
今日で全ての公演を終えたし、振り返ってももう許されるだろう。


第一部はランジャタイの2人が出版したエッセイ、国崎☆和也著『へんなの』と伊藤幸司著『激ヤバ』に収録されている話のいくつかをコントに仕立てたものであった。

それぞれが自分の役を演じるのかと思えばそうではなかった。
伊藤ちゃんの役を国ちゃんが。
国ちゃんの役をマツモトさんが。
その周りの様々な脇役を伊藤ちゃんが。
それぞれ演じていたのである。

ここで最初の驚き。
国ちゃんの伊藤ちゃん役が想像以上に上手かったのである。

いくら相方として長く一緒にいるとはいえ、あんなに姿勢から仕草から似せられるものだろうか。
あの絶妙な猫背と手を下ろしたままの立ち姿の再現度に「面白い」よりも「え、凄くね?」が先に来てしまった。

1番最初のコントは伊藤ちゃんのエッセイより『バレンタインデー』が原作のコントだったのだが、私は声を聞くまで舞台上にいるのが伊藤ちゃんだと思っていた。
伊藤ちゃんの馴染みの髪型のカツラと私が見ていたのが前から5列目という位置ということも相まって、尚更分からなかったのである。

この時点でもう私はこれまで見てきた国崎和也という人間のイメージが完全に変わった。
普段、見ている側を振り落とすようなコントをYouTubeに上げてたり。
審査員が頭を抱えるような漫才をやっている人とは到底思えない。
「『鬼の手』や『名探偵ナコン』はなんだったのよ笑」と思った。


そんな、伊藤ちゃんをそっくりに演じたと思えば『まことちゃん』というコントでまたガラッと変わった印象の演技をする。
これまでも分からなかった国崎和也さんという人間が更に私は分からなくなった。


極め付きは第二部のコントである。
あれはコントではなく、良い舞台を見た!と声を大にして言いたい。
本人たちとしてはコントって言って欲しいかもしれないけど。

国ちゃんは「アカネ」という名前の大人のお店で歌う口の悪い歌姫を演じたのだが、噎せ返るような色気に溢れていて私は思わず目を見張った。
ウィスパーとハスキーが混じった声は、これまで聞いた事がない気怠げな雰囲気を醸し出して思わずドキリとした。
なんなんだ、一体幾つ顔と声を持っていると言うんだ。

残念なことに、上手側の席がご用意された私はあまりアカネの喋る顔を見ることが出来なかったのだが。
それでも、金髪のボブヘアから時々チラリと見える横顔にまたドキリ。
ツンと少し上を向くと美しいEラインが強調されて、そこにいたのは私の知っている国ちゃんでは無く美人歌姫の「アカネ」であった。
きっと彼女からはタバコと良い女の香水が混ざった香りがするのだろう。


キャラクター設定として『女が好き』と紹介された時には、「もう何でも良いから抱いてくれ、アカネさん…!」と無意識にも思っていた。

なぜあんなにも女性の仕草が上手いのだろう。
それと目だ。目の演技が上手い。
本当はもっとたくさん書かなきゃいけないことがあるのに、私は国ちゃんの演技力とアカネさんの色気のことばかり考えている。

(この辺は別に読まなくていいのだが、私は『女装している男性』に対してとてつもなく好意を持つ癖がある。
私も女性なのに、女性として好きになってしまう。
ちょっと複雑だが、好きになったら性別を気にしなくなるタイプなのだ。)

本当はもっと振り返って書きたいのだが、あまりにも国崎和也さんという人に魅了されてしまってあっという間に2500文字を超えてしまった。
全体の感想は別記事に分けたいと思う。
国崎和也さん、可能性を秘めに秘めた男である。
これからもどんどん自由にやりたいことをやって、ファンを魅了して欲しい。

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