息をしてるのが当たり前じゃないからの話。

先週現世の東京の争いで放送されなかった大河ドラマを待っている最中の出来事だった。
中村靖日さんの訃報。
名前だけで嘘でしょうと思うくらいには、私もある程度のバイプレイヤーの顔と名前が一致するようになったのだと思った。


最も、彼が所属している事務所の名前は昨年森下さんにファンレターを出すために数回書いた。
所属俳優さんに誰がいるかくらいは、さすがにもう把握している。
『ザズウ』の名前をこういった形で聞くことになるとは思っておらず、まだ信じられないという気持ちが本音である。



51歳は若すぎるのではないか。
命は平等だとは思うけれど、どうしてもこういう時にどうしようもない悔しさで「他に連れていく人がいたんじゃない?」などと思ってしまう。
良くないことだけど、そう思ってしまいたくなる。
死神はもう少し人を見る目を養うべきだと思う。


中村さんは、その透明感から切ない顔をするのが上手い人だなと思っていた。
良い人なんだけど、不器用でその優しさを表す方法をちょっと間違えてしまうような役柄はハマっていた。
相棒シリーズが好きでよく見ていたので、その中のシーズン9の17話『陣川警部補の活躍』の万引き犯役が最初に浮かぶ。


色んな作品に厚みを持たせる、主人公の脇を固めてきた俳優さんだった。
これからは「あ、中村さんも出てるんだ」と見つけて嬉しくなる経験も出来なくなるのが寂しい。
本人もきっと悔しいだろうな。


平均寿命はあくまで平均であって、それからずっと遠いのに突然いなくなってしまう事だってある。
今日も明日も生きているという保証は無いのだというのを改めて感じてしまった。
どうぞ安らかに。(了)

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