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2023/12/06 バードメン

いつかはそうなる

チバが死んでしまった。こう始まっては見たが、実感が湧かないし、今後もまぁ死んだよな、という感じで過ごしていくんだろうなと思う。

ライブにハマる頃にはミッシェルはとっくのとうに解散していたし、バースデイの方もやや聴きつつもライブ行くほどのファンでは無かった。アベがいねーとな!」と居酒屋めいたところでゴネる老人というわけでも無く、ミッシェルというバンドが好きなのであって、個々人がどうと言う事はあまりない。基本的に全バンドそうであるのは、薄情と言われるのだろうか。

とはいえロックの神を上げろと言われればミッシェルだし、一番のロックンローラーを連れてこいと宇宙人に言われたらミッシェルを連れてくるだろう。一番かっこいいのはミッシェルだし、何を聞いても見てもカッコ良さではミッシェルがトップであるのは僕がボケても変わらない。

チバ、と思いを馳せても性格がどうだったとか、よもや顔もああまぁこんな顔だったなとか、どうも人としては殆ど知らないようなもんだった。ただただ、知らなくていいと思ったから調べなかったように思う。人と形とか趣味嗜好とかそんな装飾を使って好きになるとかそんなヤワな好きなんかじゃあない。

少し前銀杏boysのライブに行った時に、ボーカルの峯田さんが、授業中に隠れてニルヴァーナの[Smalls Like Teen Spirit]を聞いた時世界が変わって見えて、周りの皆んなとは違う世界に来てしまった悲しさで胸がいっぱいになった、みたいな(大体合ってるはず)事を言ってたのを思い出す。ざっくり言うとミッシェルは僕のそれなのだ。

出会いはニコニコ動画だった。昔から音楽が好きだった少年の僕は、その辺のバンドを知ってて全部を知っているような、井の中の蛙状態だったように思う。転載動画のライブ映像を沢山見ては、なんかなー」と横目で見てた気がする。今から思わなくても痛い子である。

そんな中偶然見たのがミッシェルのラストライブの最後、[世界の終わり]。記憶の装飾が沢山にある気もするが覚えている限りで書く。大雨の中ファンが雨ガッパを被る、ギターは弦が何本かトんじゃって、たいているスモークがコミカルに壊れてます!と言っているようだ。ボーカルと言えば声もガレガレ、音も飛び飛び、こんなにムキになってまぁ、という有様。そんな映像だったように覚えている。見ながら泣いていた。

熱が血が怒号が、あるいは古い画質が、この世ならざる雰囲気を作り出す。鋭く鋭く研いだダスマカス鋼の包丁の様だった。ストイックでストレートなものは美しく感動をさせる。全然音楽を知らなかった少年はブッ刺されたのだった。

アルバムを買い、聴きに聴いた。多分この辺の影響なんだろうけどアルバムを通して聴くのが好きになった。好きなアルバムはHigh Time。好きな曲、は多いので大学の頃買いた絵に付けた事のあるものとしては[スロー]と[水色の水]だったかね。

死んではしまったが、特別今とは変わらない。これからも聴き続けるだろうし音々はこれから一層美しくなっていく様にも思う。どうか安らかに。

とはいえ若いよ

song
エレクトリック・サーカス

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