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行かないでください - 送別会スピーチ原稿

とうとうこの日がきてしまいましたね。最後の最後、退職直前まで当事者意識を忘れず、本気で仕事に取り組む様子は、社会人の鑑だと思いました。さみしいですが、次の新天地でも今以上のご活躍をお祈りしてます。
ーーなぁんて、私が言うと思いましたか?

さきほどの総会から始まり、この後もYOSETTIだかなんだか知りませんが、みんなからテンプレ的なメッセージを贈られると思います。
「{送別する相手}さんと一緒に仕事ができてよかったです!」
「新しい職場でも頑張ってください!」
「{送別する相手}さんがいなくなるとさみしい!」
などという美辞麗句には、もうお腹いっぱいでしょう。

なので、{自分}なりの激励の言葉として、敢えて今日は塩対応で送別させていただきます。

{送別する相手}さん、あなたはこの会社で、何を成し遂げましたか?
何も成し遂げてないでしょう?

むしろ、**年春頃から**年初めにかけてユーザの新規獲得が落ちたきっかけを当時の{マーケティング}責任者として目の当たりにしながら、気づけなかった、そこに手を打たなかった張本人だとさえ言える。

そして、その落ち込みを回復させなければならないタイミングで長期休暇に入り、不十分な引継ぎで更なる失速を招いた。

あまつさえ、優しすぎるその性格は、新卒で入った{過去の退職者の名前など}を甘やかし、なんかイメージと違った、指示されるのは嫌いだという、THE"イマドキの若者"的理由で休職、のち退職という脆弱な人材を生み出しました。

{↑その他何かしら失敗エピソード3つで差し替えて下さい}

したがって、責任を取っていただきたい。
(ポーズ)
言い換えるなら、行かないでほしいです。

今すぐに、この場で、内定が決まっている新しい会社に電話をかけて、やっぱりごめんなさい、やり残したことがあるので、現職に残ることにします、と伝えてください。みんなの前で。

それくらい、行かないでほしいです。

「井の中の蛙、大海を知らず」という諺があります。
新卒で{会社名}に入社し、{会社名}の中で純粋培養されてきた{送別する相手}さんはまさに井の中の蛙と言っていいでしょう。
外の大海は、{自分}のこの塩対応の送り言葉とは比にならないくらいの塩分濃度です。耐えられるはずがありません。
話せば聞いてくれる社長、説明すればわかってくれる上司、怒号が日常的に飛ぶこともなければ、ロジックを超えた理不尽な理由で物事が決まることもほとんどない、激甘砂糖水の井戸で育った蛙が、海でやっていけるとは到底思えません。
(自社のいいところ、甘いところで差し替えて下さい)

だから、行かないでください。
もし、それでも、どうしても海に出るというのなら、「井の中の蛙、大海を知り、龍と成ってまた必ず井に帰る」それくらいの意気込みを今日この場で誓った上で、出ていってください。

最後にもう一度言います。
行かないでください。

長い間お世話になりました。ありがとうございました。

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