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著名な人と繋がれる人と、繋がれない人の違い〜アシスタント経験からぶっちゃける〜


こんにちは。スピリチュアルネイティブのタケルです。

今朝、なぜだかふと思い出したことを書こうと思う。

俺は以前、ある著名な人のもとで働いていたことがある。彼の詳細は明かせないが、ひとまずDさんとする。俺はひょんなことからDさんと出会い、気に入られ、仕事を引き受け、しまいにはDさんの会社で働かせてもらえるようになった。

すると、当然のように、同業の知人から「Dさんを紹介してほしい」と依頼されるようになった。Dさんは高齢かつ、いかにも業界のドンって感じの、かなり昭和な気難しい人だったこともあって、知人繋がりじゃないとなかなか辿り着けない人だったし、ただでさえ多忙な人だったから、知人らからすれば、俺がDさんと働くようになったことによって「繋がりができた!」って感じだったんだろう。

ただ、彼らからくる依頼は、正直俺の目から見ても「Dさんは相手にしないだろうなあ…」というものばかりだった。なんなら、Dさんと繋がることそのものが目的化されてしまっていて、自分にしか旨みがなく、Dさんのメリットが何もないようなものばかり。極端に言えば、Dさんを利用して自分が有名になりたいって人が100%だった。

俺としても、Dさんとは信頼関係オンリーで繋がっているわけで、もっと言えばその信頼関係を一生けんめい確かなものにしている最中だった。

そんな最中に、誰の目から見てもつまらない案件をDさんに持っていくなんて、それこそ信頼関係に関わる。俺は当然、クライアントだったDさんとの信頼の方が、いきなり用件だけ投げてくる知人らよりも遥かに大事だったわけだから、そのほとんどを断っていた。

断ったというか、まあ、広報の連絡先を教える、という感じ。実際、Dさんの周りにいる人たちはほとんどそういう断り方をしていた。それくらい、キリがない話でもあった。

すると、断られた側の反応は面白いくらい均一だった。まず、そこで返信が途絶える。俺としては、えっとなる。断られたらそこでおしまいかよ。いくらなんでも一言あるだろ。こっちも忙しい中で、たとえそっちの希望に叶わないにしたって、対応はしてるんだぞ。

その度に、マジで紹介しなくてよかったって思うわけだ。だって、自分が面白くなくなったら返信しないようなやつのこと、そもそも信頼できるか

もっとすごい人だと、こんなのもいた。

「今、自分はとあるビックネームと仕事をしている。そこで、Dさんと彼らを引き合わせたい。こっちはVIPだ。だから直接繋げて欲しい」

いや誰だよビックネーム!笑 と俺は思わず突っ込んだ。「紹介してくれ」と頼んでいる割に、なかなかその「ビックネーム」を明かさないので、俺はますますどういう神経で人に頼み事をしているんだろうと思った。彼の本音としては、「いやタケルは知らなくていいよ」って感じだったんだろうが、人に紹介を頼んでおいて「お前は誰だか知らなくていいよ」って…と、俺はもはや驚きを超えて半笑いだった。

後になってそのビックネームは、まあ確かにそこそこの人であることはわかったのだが、俺は「ビックネーム」だの「VIP」だの、およそ正気とは思えない言語を扱う人をDさんに紹介するなんて、恥ずかしくってできないし、かつDさんと俺の信頼問題に関わると思って、これまた広報の連絡先を教えた(当然、彼からの返信はそこで途絶えた)。

(てかそんだけビックで、かつDさんが興味を持つような相手なら、広報からだってちゃんと通るし、むしろ正門から入ったほうが絶対にいい印象を与えるはずだった。このケースに関しては、逆のパターンもある。Dさん側が、ある著名な人に対談を申し込む場合、Dさんは必ず広報を通した。いきなり間にいる知人に紹介を頼むような、他人に余計な労力をかけたり、自分の著名さを利用するようなことは決してしない人だった)

ある時、俺はとあるTVプロデューサーに上記のことを愚痴ったことがある。すると彼はこういった。

「いますよね、こっちが必死で作った信頼関係にただ乗りしようとしてくる人。そういう人って、"紹介"という行為がどれだけDさんとタケルさんの信頼問題に響いてくるか、想像もできてないんですよ。タケルさんが築き上げたものの価値やそこにかけてる労力が見えてないんです。

で、そこがわかってる人は、まずタケルさんと自分に相応の信頼関係が必要だって、わかってるはずなんですよ。だってタケルさんからしたって、自分にとって信頼もできないような人を、大事な人に紹介するなんて、めちゃくちゃストレスじゃないっすか。

そういう、人の労力が見えてない人は、平気でやらかしますから、もういっそ無視した方がいいっすよ。そういうマナーと思いやりのないやつの企画が、面白かった試しはないですしね」


Dさんと繋がれた人たちは何が違ったか?

そんなわけで、俺はDさんの近くにいたおかげで、思いがけず不思議な人間模様を観察する機会を得た。では逆に、Dさんと繋がった人がどんな人だったかを、最後に書いてみようと思う。

ある時、俺は日毎からお世話になっているHさんに、Dさんに取材を申し込みたくて、広報にお願いしたが断られた。ただどうしても粘りたいから、力を貸してもらえないか?

と依頼されたことがある。この時俺はすぐさま了解した。なぜかというと、

・そもそも俺は、Hさんにお世話になっていた
・Hさんは業界でも有名な懐の暖かい人で、たくさんの人に慕われる人だった

だから、Hさんの頼みならなんでも引き受けたいと思ったし、かつ、Hさんが俺に恥をかかせないでくれることは明白だった。

俺はなんとかDさんに頼み込んだ。Dさんも、「タケルがお世話になった人か。じゃあお前の顔を立ててやらないとな」と言って、これを承諾してくれた。

取材はうまくいったらしい。ちなみに余談だが、このHさんは数年後、故郷に貢献したいといって地元に帰った後、地元の人たちに推されに推され、そこそこ混戦した選挙区で初出馬、あっさり国会議員になった。そもそもHさんは東京にいた頃から、飯を食うとなれば必ず同郷の人がやってる居酒屋を指定するような人で、一貫して他者思いな人だった。

Hさんが、思わずこの人のためなら動きたいってくらい魅力的な人物であることが、伝わるエピソードかと思う。

もう一つのケースは、Dさんの大ファンであるIさんというアーティストの場合だ。IさんはDさんのことが大好きだとすでに公言している人で、なんとDさんをイメージした作品まで創作しているような人だった。それでいて、Iさんは当時めちゃくちゃ売れっ子だった。

俺はIさんと仕事で知り合った。Iさんは、俺がDさんの元で働いていることを知るとこういった。

「なんて羨ましい! 俺、Dさんの大ファンなんです。タケルさんは、なんて幸運な人なんだろう。ぜひ話を聞かせてください」

Iさんは、本当にDさんのことが大好きでたまらない人だった。けれど、決して俺に「紹介してくれ」とは頼まなかった。当時かなり若手だったIさんから見て、他にも紹介ルートがあったとは思えない。ただ、俺はIさんの熱意や真面目で丁寧な人柄、実際にDさんへの愛情を作品にまで昇華している具体的な説得力、それでいて直ぐには紹介してと頼んでこない自尊心に惚れてしまい、気がつくと俺が勝手に動いて、DさんとIさんを繋げるに至った。

何よりDさん側から見ても、若手で売れっ子なIさんと繋がるメリットはかなり大きいように思われた

結果的にこのご縁は大成功だった。DさんとIさんは世代を超えた親友同士になり、おまけに二人は大きな仕事を成功させ、つくづく俺は両者から感謝され、新たな信頼を得るに至った。

まあ、俺は別に「紹介して貰いやすい人、そうじゃない人」みたいなビジネス自己啓発を書きたかったんじゃないが(単に昔のことを思い出しただけ)、結果的にそういう記事になってしまった。

何かの参考になればいいな。とにかく俺はDさんのそばにいて、これだけは確かだと思ったこと。それは、

・人との縁は、その人に相応しい人だけが繋がれるようになっている

自分もその因果関係に入っていることを思うと、断ってしまった人たちには申し訳ないようだが、そもそもその人と繋がる縁と実力があるのなら、俺経由じゃなくたって叶うはず。それはHさんもIさんも同じだ。

だから俺自身も、憧れの人と繋がりたいと思ったら、まずその人に相応しい人になれる努力と準備をしたいよね、と思って自戒にしてます。

読んでくれてありがとう。



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