特定社会保険労務士受験奥田塾

特定社労士受験奥田塾の奥田敬明(オクダノリアキ)です。第16回特定社労士試験に合格し、…

特定社会保険労務士受験奥田塾

特定社労士受験奥田塾の奥田敬明(オクダノリアキ)です。第16回特定社労士試験に合格し、第17回から受験塾をやっています。定年退職前製薬会社で法務部長をやっていたので、特定社労士と中小企業診断士を開業しました。受験情報を発信していきます。法学士(大市大)LLM(TEMPLE)

最近の記事

第3回と第4回第2問(倫理事例問題)過去問の解説

 前回の記事で、第2問(倫理事例問題)の解き方を説明したので、今回は、それに従って第2問(倫理事例問題)を解いてみます。第18回、第19回などとは出題形式が全く違うので、よく注意して読んでください。第1問(紛争事例問題)の錯誤のテーマは次回にします。第2問について、各条項別に整理して過去問解説をやると書きましたが、なかなかうまくいかないので、第2問は、過去問の古い順から解説することにしました。予告とかなり違いますが、原稿を書いたり推敲したりしていると、気が変わることがあります

    • 最近の第2問過去問の構造の分析と攻略方法

       今回は、第2問(倫理事例問題)の構造を分析してその攻略に必要な情報提供と私流の攻略方法の手ほどきをします。 目  次 1. 第2問(倫理事例問題)の設問の構造(3つのポイント) (1) (紛争事例問題と同様に)法的三段論法で解く。 (2) 規範として使われる条項は限られているので、全部暗記して、逐条解釈を理解しておく。 (3) 利益相反関係の処理の仕方が問われているので、(個別の条項の底流に流れる)利益相反の概念について理解しておく。    その1:

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      • 最近の第1問過去問の構造の分析と攻略方法

         前回までで、この試験の第1回と第2回の過去問の解説(と若干の練習問題)をしました。第12回からは、第1問(紛争事例問題)の小問の出題形式が、第11回までと違って、だいたい固定しています。(民法の改正前後の違いはありましたが)第19回は、第14回と同じ論点でした。  第1回と第2回の過去問の解説を読んで(自分で解いた上ですよ~)、大体どんな試験なのかについて理解できたと思うので、最近の過去問の第1問(紛争事例問題、今回)、第2問(倫理事例問題、次回)の構造について分析して、

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        • 6月と7月の予定(その後の方針も) 

           次回と次々回は、最近の過去問の構造の分析と攻略方法をやります。 6月14日(第1問)、21日(第2問)をやって、その後(6月28日以降)は、第1問の論点別の解説に該当する過去問の解説を錯誤(第19回、第14回)、懲戒などと順番にやります。河野順一さんの過去問集は、過去問を順番に解きながら、それぞれの回に含まれる論点を解説するというスタイルをとっています。毎回の解説を結構手厚くやっていますし、頻出論点を繰り返し勉強することになっていて、短期間で受験勉強を仕上げたいと考える受験

        第3回と第4回第2問(倫理事例問題)過去問の解説

          練習問題をやってみましょう(回答)。

           ここまでの説明を踏まえて、(再受験の人達には易しいでしょうが)少し練習問題をやってみましょう。説明してない論点も若干含まれています(ややこしいのは省いています。)。今回は回答を書いておきます。私の説明や基本書の何を見ても構いませんが、まず自分で考えて調べてみて、答案作成後に自己点検してください。回答部分は太字にしてあります。 目    次 Ⅰ.第1問(労働紛争事例問題) 1.小問(1)「求めるあっせんの内容」の解答の書き方の練習 ①  解雇無効のケース ②  

          練習問題をやってみましょう(回答)。

          練習問題をやってみましょう(問題)。

           ここまでの説明を踏まえて、少し練習問題をやってみましょう。空欄を埋めてください。説明してない論点も若干含まれています(ややこしいのは省いています。)。次の記事に回答を書いておきます。私の説明や基本書の何を見ても構いませんが、Wordファイルを印刷して、回答欄に手書きしてみてください。回答は、記事の本文に書いておきますから、答案作成後に自己点検してください。 目    次 Ⅰ.第1問(労働紛争事例問題) 1.小問(1)「求めるあっせんの内容」の解答の書き方の練習 ①

          練習問題をやってみましょう(問題)。

          特定社会保険労務士試験第2回過去問の解説(その4)

           本日は、第2回第2問(倫理事例問題)を1回で書きます。やはり、第1回第2問より格段に難しいですね。 初年度であった平成18年度は受験者が殺到して、1回では収まらず、第1回(受験者数3,117名)と第2回(受験者数4,289名)が実施されました。第1回の倫理事例問題を見たら、やはり同年の第2回の倫理事例問題もここで見ておかねばと思います。  まず、社労士会連合会が公表している第2回第2問の出題の趣旨は、次のとおりです(抜粋します。)。 2 第2問について (1)小問(1)

          特定社会保険労務士試験第2回過去問の解説(その4)

          特定社会保険労務士試験第2回過去問の解説(その3)

           第1問の解説だけで(その3)まで来ました。前回の(注)についても書きます。分らなくなったら、基本書で調べたり、前の記事を遡って読んだりして、しっかり理解してください。  前回も書きましたが、第1問の勉強は、格闘技の訓練ぐらいに思って、頭を切り換えて臨んでください。  小問(3)では、解雇をした使用者であるY社の立場に立って、Y社の代理人として、Xについての①新賃金・新人事制度等の企画導入の件、②通勤手当の件の2つが、Y社就業規則の「勤務態度、業務能力、勤務成績等が劣悪で

          特定社会保険労務士試験第2回過去問の解説(その3)

          特定社会保険労務士試験第2回過去問の解説(その2)

           今回は、小問(2)の解き方を解説しますが、かなりボリュームがあります。昨年書いた原稿があるとはいえ、かなり時間のかかる作業でした。 小問(2)の問題文 Xの立場に立って、Xの代理人としてY社の行った本件解雇が、解雇権の濫用で無効であると主張する場合に、これを基礎づける具体的主張事実の要旨を解答用紙第2欄に箇条書き(例えば、「①63歳まで雇用を保障する特約のあったこと。」等の要領)で記載しなさい。 〔出題の趣旨〕 Xの代理人である特定社会保険労務士として、Y社に対し

          特定社会保険労務士試験第2回過去問の解説(その2)

          特定社会保険労務士試験第2回過去問の解説(その1)

           今回は、第2回第1問の小問(1)について解説します。私の印象としては、第1回より第2回の方が、かなり難しいですね。実際、合格点・合格率ともに第2回の方が低いですから。  本問では、申請人(中途採用された労働者)Xの勤務態度や勤務成績の善し悪しによる解雇の妥当性(有効性)が争われており、①勤務態度不良による解雇、②職務能力不足による解雇、③職種や地位を特定して中途採用した労働者の能力不足による解雇、④地位特定者の解雇を補強する条件の4つの論点が問われています。第1回と第2回

          特定社会保険労務士試験第2回過去問の解説(その1)

          特定社会保険労務士試験第1回過去問の解説(その3)

           第1問は、その1とその2に書きましたから、本日は、第2問の解説をします。受験生は、配点30点の第2問(倫理事例問題)を苦手にする人が多く、総得点では合格ラインを超えていても、倫理10点の足切りにひっかかって涙を飲む受験生が、チラホラいるという噂を聞きます(実際そうだった人を少なからず知っています。)。だいたい、毎年、キッチリ55点がボーダーラインになっていること自体が不思議なわけですが・・・。  第17回(令和3年度)の第2問が良い例なのですが、社労士法第22条2項に関する

          特定社会保険労務士試験第1回過去問の解説(その3)

          特定社会保険労務士試験第1回過去問の解説(その2)

           前回の続きの第1問(紛争事例問題)小問(2)の解説から始めます。 第1問小問(2)  Xは解雇無効を訴えているので、①「雇用契約上の地位を確認する」、無効な解雇がなければ当然②「支払われていたはずの毎月の賃金を支払え」の2点を請求することになりますが、本問では、Xの退職日が5月31日、Xの6月分賃金の支払期日が6月25日、特定社労士試験日が6月17日でしたから、まだ退職の翌月(6月分)以降の個別の賃金債権が確定して債務不履行に陥っている訳ではない(支払の遅延はない)ので

          特定社会保険労務士試験第1回過去問の解説(その2)

          特定社会保険労務士試験第1回過去問の解説(その1)

           特定社会保険労務士試験がどのようなものか理解し、その受験勉強をするためには、まずは、過去問がどうであったかを知ることが大切ですから、第1回の過去問の解説から始めます。と言いつつ、長い前置きを書きます。 20年弱を経て、第1回から第19回まで変わらない出題形式の概略は、次のとおりです。 1.第1問(紛争事例問題)配点70点と第2問(倫理事例問題)配点30点の大きく2つの設問があります。 2.第1問は、小問(1)~(5)、第2問は(1)と(2)に分かれています。 3.第1問は、

          特定社会保険労務士試験第1回過去問の解説(その1)

          法学入門(概論)などの基本書について

           特定社会保険労務士試験は、法律を使って事例問題の解答を紙に手書きする試験です。社会保険労務士試験では出題範囲になっていない、憲法、民法、刑法、民訴法などの法律の運用能力が問われます。そこで、(一部の法解釈学の既習者を除いて)法律の勉強を基礎からやらないと、最終的に、試験本番で答案を手書きするところまで行き着きません。換言すれば、この受験勉強では基本書による法律の勉強と書く訓練が欠かせません。ただし、この勉強が十分には出来ていないだろうと推測される受験生が、時々、合格したりす

          法学入門(概論)などの基本書について

          ザックリとした話(その2)

           ザックッリとした話の続きを書きます。  第20回(令和5年度)に能力担保研修を受けて受験する方が、効率的に勉強のスケジュールを立てるために、私が第16回(令和2年度)のスケジュルール等を記しておきます(過去3年の塾生に聞いた情報も大差ありません。)。その後、私の経験とその時の反省に基づいて、受講する際の注意点を書きます。 <スケジュール等> ① 月刊社労士で、特定社労士試験の案内の記事を見つけて資料請求し、特別研修の申込を しました。再受験の方は、研修は不要ですが、出

          ザックリとした話(その2)

          ザックリとした話(その1)

           特定社会保険労務士制度がどのようなもので、試験がどのような試験で、どのように受験勉強をして、合格までの道のりを描くのかと言うことのために、まずはザックリとした話を、その1とその2に分けて書きます。第20回が初受験の方は、真剣に読んでください。再受験の方は、過去の記憶を呼び覚ましながら読んでください(今、私のブログを読んでいる人は、ほとんどが再受験組みかな。)。 「社会保険労務士は法律の専門家ではない。」ということを言われた特定社会保険労務士の先輩がおられます。司法書士試

          ザックリとした話(その1)