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英文で使われるラテン語を文法的に解説

こんにちは。ドイツ在住の高校生ふぁそらてです。(高校生の時2020/5/26に書いたものが下書きに眠っていたので編集して公開しました。2022/7/18現在)

突然ですが、英文を読んでいるとe.g.というのを見かけます。e.gは「例えば」の意味です。英語はfor exampleの略 f.e.ではなく、ラテン語のexempli gratiaを省略したe.g.を使います。

他にも時間を表すampm、「~など」を意味するetc.、西暦に使われるAD(anno domini)もラテン語です。

余談ですが、国語の現代文ではアプリオリ、アポステリオリという言葉が出てきます。
アプリオリ=先天的
アポステリオリ=後天的
これらもラテン語由来の単語です。


では、英文に登場するラテン語を一つずつ解説していきます。ラテン語について少し知識がある前提で書いていますので、基本知識の解説は省略させていただきます。基本的な知識を省いたら誰も分からないではいかと思ったので、興味をもっていただいた方が分かるように少しだけ補足をしました。

内容が専門的すぎるので、流し読みでスキだけでもしていただけると大変嬉しいです。

基本的知識の補足(2022/07/18)
名詞の格
1格 主格 nominativus ~は、~が
2格 属格  gentivus ~の 
3格 与格 dativus ~に
4格 対格 accusativus ~を
 奪格 ablativus ~から、~より、~を用いて、(場所)において、など
 呼格 vocativus 名前を呼ぶときに使われる

e.g. 

exempli gratia 

「例えば」という意味で用いります。直訳すると「例のために」となります。gratiaは様々な意味を持ちます。感謝、恵み、好意、優美、喜び、などなど。
exempli は属格(genitivus)であり、属格の後にgratiaが続く場合は、「~のために」、「~のせいで」という意味になります。gratia は奪格(ablativus)です。

am/a.m.

ante meridiem 

ante=~の前に、英語でいうbefore に当たる言葉でmeridiem=正午なので、「午前」の意味になります。ante の後は必ず対格(accusativus)になるのでmeridiem は対格です。

pm/p.m.

post meridiem 

post =~の後に(英:after)の意味で、meridiem=正午なので、「午後」の意味です。文法はante meridiem と同じです。

etc. 

et cetera 

et は「と」、cetera は「他」の意味です。cetera は形容詞ceteriの変形したもので、主格、単数、中性なので、「他のもの」という名詞として使えます。etc.は「~など」という意味で使われます。

AD

anno domini

annus=年、dominus=主(ぬし)という意味を持ちます。annoは奪格(ablativus)、属格(genitivus)です。したがって、anno dominiは「主人の年に」という意味です。dominusは家主という意味で使われることもありますが、ここで言う主とはイエスキリストのことです。

紀元後のADに対して、紀元前の意味で使われるBC(before Christ)が英語なのが不思議だなと思いました。

最近の英文ではBCEとCE、Before Common Era/Common Eraも使われています。どちらを使うべきかははっきりしていませんが、同じ文章の中では基本的に統一すべきとされています。


感想

学校の授業でラテン語を勉強し、文法や構文を考えながらラテン語を翻訳しています。そこで、英語という別の言語の中で使われるラテン語の文法を知りたくなったので考えてみました。分からないところや曖昧なところは調べました。
ここまでマニアックな内容に需要はないと思いますが、せっかくなので公開しようと思いました。

注意書き

あくまで私の知識と調べた結果なので、絶対に正しいとは限らないのでご了承ください。もし詳しい方がいればご指摘いただけると助かります。
今回は5つご紹介しましたが、ほかにもラテン語由来の単語を見かければ更新しようと思います。

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