FAS業務に臨む際に身につけておきたい基礎知識と関連書籍 -1-

はじめに

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 FASに転職を考えている人、FASの新入社員や中途入社の方、あるいはFAS業務の発注を考えている方に向けて。そもそもFASとは?といった方も下記領域に関わる仕事をするくらいのイメージを持って頂ければ。なお、簿記2級程度の知識&経理業務の基礎的な知識を保有している前提で記載しています。

M&Aの概要

 FAS業務の多くはM&Aに関連するサービスかと思います。FA、DD、VAL、PMIあたりの業務を実施するのであれば、前提としてM&Aの基礎知識は必ず身につけておきたいですね。
 M&Aと一口に行ってもカバーする領域は相当広いので、まずは取引の流れや締結される書類の概要を押さえていくのがいいと思います。M&Aのプロセス概要を知るために、私は「企業買収の実務プロセス」を読んでいました。(実際に手元にあるのは2版です)

 また、以下の書籍もよくお薦めされていますので、書店で手に取ってみて、気に入った方を選んでいただければと思います。私はこっちは読んだことありません。

バリュエーション

 バリュエーション、めちゃくちゃ大事です。株式価値がどのような考え方で算出されるのか理解できていないと、どこかで事故ります。FDDにおいてもバリュエーションへの影響が理解できていないと抜け漏れが出ますし、不要な工数もかかります。最終的には交渉で決まるものではありますが、「一般的にはこのような考え方で決まる」という基本は必ず押さえて置くようにしましょう。
 個人的にお薦めは「バリュエーションの教科書」ですが、DCF法、倍率法(マルチプル)等の言葉が耳慣れない場合は、もう少し簡単な書籍を選んでもいいかもしれません。また、同じ著者の「MBAバリュエーション」と見比べて選んでみることをお勧めします。

 会計士協会から出されている「企業価値評価ガイドライン」も一読の価値があります。無料ですが、評価報告書の骨子等、フォーマットも掲載されています。

https://jicpa.or.jp/specialized_field/publication/files/2-3-32-2a-20130722.pdf

 少し前に出たこちらもお勧め。取引目的のバリューションの理論と実務に加え、裁判目的の評価についても整理されています。辞書的に使うのがいいかもしれないです。

FDD

 正直、FDDの書籍はあまり読んだことがないので、何がおすすめかと言われると、結構悩ましい。基本的にはバリュエーションの考え方を身につけて、社内の過去のレポートなど見ながら、構成、図表、メッセージの書き方を学び、案件単位でブラッシュアップしていくのかと感じています。
 ただし、その中でもあえて挙げるのであれば、「M&Aを成功に導く 財務デューデリジェンスの実務」でしょうか。非常に分厚いので通読するのではなく、辞書的に使うイメージです。

 広く浅くで全体像を把握されたい場合はこちらも参考になるでしょう。

 少し長くなってきたので、続きはまた別の記事で。

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