見出し画像

「自然の力」のはなし


有機農業とは、自然の力を最大限に活用して作物を育てる農業のことだと考えています。
自然の力とは、化学肥料や合成農薬に頼らず、自然界が持つ持続可能な生産力と生態系の調和を大切にしています。



土の健康



土の中の微生物っていうのは、土の中に住んでいるバクテリアやカビ、微小な虫などのことです。これらの微生物は、死んだ植物や動物の残骸、落ち葉などの有機物を食べて、分解することで生きています。この分解の過程で、微生物は有機物から栄養分を取り出して、それを土に放出する。この栄養分は植物が成長するために必要なものです。植物はこれらの栄養分を吸収して、健康に成長することができます。

生物の多様性


農地で異なる種類の植物や動物が一緒に生活している環境を想像してみてください。これは生態系の多様性を高めます。多様性が高いと、自然界のさまざまな役割を持つ生き物たちがバランス良く存在することができます。

例えば、植物を食べる害虫がいるとしよう。その害虫を食べる昆虫や鳥などの捕食者も農地にいれば、害虫の数を自然に減らすことができます。これは、害虫による被害を抑えるめに農薬を使わなくても済むということ意味します。
害虫というのは人間の主観です。自然の中で役割があるので「害」というのはよくないですね。

また、異なる種類の植物があるとで、病気が広がりにくくなることもあります。なぜなら、特定の病気強い植物が他の植物を守る壁のような役割を果たすからだ。これにより、植物病気の発生と拡散が自然に抑される。
自然界では一時的に特定の種(生物)が広がっても時間がたてばその状態が収まり他の生物と共存を始めます。そういえば、以前空き地にたくさん生えていたセイタカアワダチソウが最近少なくなったと思いませんか?もともと
外来植物で一時期猛威を振るっていましたが、一種の連作障害で空き地の栄養分を吸い尽くし、またススキなど在来種に置き換わっています。

水資源の保全



地面が水をうまく保つことができるかどうかって、実はすごく大事なことです。地表や土壌が水を保つっていうのは、雨が降ったときにその水がすぐに流れてしまわないってこと。水がちゃんと地中にしみ込むと、土の中に水が溜まって、植物が必要な時にその水を使えるようになります。

でも、土壌が水を保ちすぎると、雨の水が溜まり過ぎてしまって、洪水みたいになってしまうことがあります。逆に、全然水を保てないと、雨が降らない時に植物が水不足になってしまって、乾燥してしまいますね。

だから、排水をうまく管理するっていうのは、雨がたくさん降ったときに余分な水がどんどん流れていかないようにすること。これによって、洪水が起きるのを防いだり、地面がひび割れるほど乾燥するのを防いだりできます。

この方法で、土の中の水の量をちょうどいいバランスに保つことができます。そうすると、植物は健康に育ち、私たちの大切な水資源も守ることができるようになるのです。これが有機農業で目指されている、水資源を大切にする考え方です。


自然(有機)の肥料

堆肥や緑肥とは、自然界から得られる肥料のことです。堆肥っていうのは、野菜の残り物や葉、家畜のふんなどを集めて発酵させたものです。発酵っていうのは、微生物がこれらの有機物を分解して、植物が使える栄養に変える過程のことです。緑肥は、麦類などの特定の植物を育てて、それを土に混ぜ込んで土の肥えを良くする方法です。

堆肥や緑肥は土の中の微生物にも優しく、土壌を健康に保ちつつ、作物を育てることができます。

持続可能な作物管理

作物の輪作とは、同じ場所に毎年同じ作物を植えるのではなく、栽培ごとに違う種類の作物を植えることです。これをすると、それぞれの作物が必要とする栄養素が違うから、土の一部の栄養素だけが使い果たされるのを防げます。例えば、今年はトマトを植えて、ほうれん草などの葉菜類を植える、とかです。

混植とは、畑に一種類の作物を植えるのではなく、複数の違う作物を一緒に植えることです。これをすると、植物が互いに助け合って、病気や害虫が広がりにくくなります。守る効果があるのさ。

このように、作物の輪作や昆植を賢く行うことで、土壌を良い状態に保ちつつ、病害虫の問題も自然に減らすことができます。これが有機農業で大事にされている考え方のひとつです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?