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土のはなし

土のなりたち


有機農業に大切な「土づくり」の土とはそもそも何でしょうか?
土を専門に研究している土壌学において
「土」の定義
自然物であること
植物が生育している、もしくは生育可能である
とされています。
土の形成は自然環境で行われます。岩石の風化や侵食、川の氾濫、火山の噴火による堆積などの過程が関与します。岩石が風化すると、細かい粒子が形成されます。これに有機物や微生物が混ざり、植物の根が伸びることで土壌が形成されます。川の氾濫による堆積は、水が土壌を運び、堆積物が堆積して土が形成されます。火山の噴火では、火山灰や溶岩が地表に堆積し、これが土の素材となります。これらの自然な過程によって、豊かな土壌が形成されるのです。


 分類方法は、目的や立場によって異なります。建築の場合、地盤工学会基準によって土壌が分類されます。この分類では、土壌粒子の粒径に基づいて区分されます。例えば、砂、粘土、シルトなどが分類され、それぞれの特性や地盤への影響を評価します。
 また、農業では、農耕地土壌分類 第3次改訂版(1995)に基づいて分類が行われます。この分類では、土壌群24、土壌亜群77、土壌統群204、土壌統303などのカテゴリが設定され、農業における土壌の特性や利用に応じた分類が行われます。つまり、土壌の分類はそれぞれの分野で適切な基準に基づいて行われ、その特性や利用法を理解するための有用な情報を提供しています。

現在では、農研機構で日本の農地の土壌の種類をインターネットで検索でくるようになっています。

マップにより、おおや高原が非アロフェン質黒ボク土であることがわかりました。非アロフェン質黒ボク土は火山灰由来の土壌であり、畑作におけるメリットとデメリットですが、

メリット:

水はけが良い: 非アロフェン質黒ボク土は火山灰が含まれているため、多孔質で水はけが良い特徴があります。雨水や灌水が効率よく排水されるため、水の滞留や浸水を防ぎ、根の腐敗や根系の発達を促進します。
養分保持能力が高い: 火山灰由来の土壌は、微細な粒子や養分を保持する能力が高いです。そのため、肥料や有機物を効果的に保持し、植物の栄養吸収をサポートします。また、土壌中に含まれるミネラルも豊富であり、植物の成長に必要な栄養素を供給します。

デメリット:

pHの調整が必要: 非アロフェン質黒ボク土は、火山灰由来のために酸性傾向があります。そのため、作物の栽培に適したpH範囲に調整する必要があります。有機栽培では牡蠣殻を粉にした有機質石灰で弱アルカリ性に土壌改良しています。

自分の畑の土質を調べて、施肥量や潅水する時の基礎にしてください。

地球に初めて土ができたのは、地球の41億年の歴史の中土が誕生したのは5億年前と言われています。最初に陸に進出したコケ類と地衣類によって作られました。他の太陽系の天体には、植物は生息していないので土は存在しないです。なので、地球の特産物ですね。

コラム 

「生育可能である」という定義では、例えば月の砂は、そのままでは植物は育たないですが、栄養を加えれば発芽できるようになりました。

また、火星の土はどうでしょうか?調べてみたところ、やはりそのままでは
植物は育たないですが、生命の存在に必要なだけの栄養成分を発見したそうです。
植物が育つには土だけではだめで、水と空気は加えないといけませんね。

土を育てる

土の素材は自然環境で形成されますが、植物が健康に成長するためには、微生物や植物の活動が欠かせません。植生が豊かな場所では、水と日光が豊富であり、そのような条件の下で良質な土が形成されます。植物の根と微生物の相互作用により、土壌の肥沃度や保水力が高まり、理想的な土壌環境が整います。

有機農業においても、自然を手本にして、有機素材(植物の残渣や動物の排泄物など)を発酵させて堆肥を作ったり、植物を耕すことによって健全な土壌を育てる取り組みが行われています。


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