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香川県さぬき市でのラッカセイづくり

栽培する品種

【Qなっつ】(2023年10月15日、自家採種2回目)


乾燥気味の土壌で育ち、畝の水分を奪わないためナス科野菜やサツマイモなどとの混植に向く。センチュウを抑える効果もある。花が咲くまでしっかりと草マルチするのがコツ。乾燥させて保存するほか、掘りたてのゆでラッカセイもおいしい。

成功のコツ

肥料分が少なく乾いた畑でよく育つ

水はけのよい肥料分の少ない畑を好み、窒素分が多いと樹ばかり茂って実がつかない。過湿を嫌うので水はけの悪い場所では高畝にする。
厚さに強く霜で傷む。5月下旬以降、コムギが開花したら種まきする。ネズミやハトの食害を受ける畑では9cmのポットに種をまき、育苗して植えつけたほうがよい。
センチュウを減らすのでトマトやナス、キュウリなどの株間にまく優れたコンパニオンプランツ。さらに根粒菌で土を豊かにするうえ、生育後は葉や枝が畝を覆って草マルチの役目をする。少肥と乾燥を好むサツマイモとの相性もいい。
ポイントは草マルチ。花が咲くまでに周囲の草を刈って株の下に敷いておくと、草マルチの間に子房柄が伸びてスムーズに土に差さり、その先に実をつける。
秋に試し掘りをし、サヤに網目模様が入って中の実が肥大したのを確認できれば収穫。置きすぎると脂肪柄からサヤが外れてうまく掘れない。保存用には晴天が続いた日を選んで掘り、その場で株を逆さにして干す。食べるときはサヤを外し、煎ってから食べる。
サヤのまま保存したものは、そのまま来年の種になる。

ゆでラッカセイは冷凍保存

掘りたては、ゆでラッカセイにするのもおすすめ。海水に近い3~4%の塩水で40分煮る。ゆでると未熟な実もすべて食べられる。家庭菜園ならではのおやつ。たくさんとれたらゆでて冷凍保存しておく。たくさんゆでた場合は、バジル、ニンニクと一緒にペーストにするとパスタソースになる。殻から出してバターでソテーするのもおいしく、おすすめ。

栽培のポイント

・マメ科ラッカセイ属
・地温がしっかり上がってから直まきする。
・種まき後、鳥害予防のために寒冷紗をベタがけするとよい。

肥料について

肥料はなくてもよく育つ。酸性に偏っている場合は牡蠣殻粉末を入れる。

混植について

ナス科との相性がよく、株間に育てると葉が茂って生きた草マルチの役目をする。根粒菌もよく働いて畑を肥沃にしてくれる。センチュウ避けにもなり、虫が発生してインゲンがまけない畑には、ラッカセイをまいてセンチュウを減らす。サツマイモの株間に育てるのもよい。
早生、晩生、立性など多くの品種があり、在来種もおおい。育てやすいものを選び、品種に応じて株間・畝間を30~45cmほどに調整する。

種まき(5月下旬)

(ダイズの場合)イネ用の粒状育苗培養土をブルーシートにまき、種を培養土で覆って1日おいておくと、発芽率がグーンとアップする。

「現代農業2023年5月号」
2024年5月4日:ラッカセイでも一応やってみる

マルチを被覆しない場合は、畝幅60~70cm、株間30cm。
地温は20℃以上(できれば25℃)必要。
低温では種子が腐敗してしまう。
地中のわずかな水分で十分発芽するので、極端な砂地や乾燥地でなければ種まき後に灌水したり、種子を事前吸水などさせない。
大雨直後の種まきも過湿で発芽不良になることがある。

1粒ずつ直まき。指で2cmくらい押し込み、覆土して鎮圧する。

一般的な品種のラッカセイだと、一か所に2粒まくが、【Qなっつ】で同じことをやると一株ごとの丈が大きくなりすぎて大変なことになるのでやめる。

種をまくときの向きは縦でも横でも問題ない。2023年現在は粒を横にしてまいても問題ないことが分かっている。

絶対にしてはいけないこと

・雨が降った翌日にまくこと
・数日間、雨が降ることが分かっている日にまくこと
・種をまいた日に水やりをすること

ラッカセイの発芽には水やりは必要ない。基本的に畑にある水分だけで充分発芽するようになっている。

2024年5月5日:ポットに1粒ずつ種まき。水やりはしない
2024年5月20日:前回の種まきで発芽率が50%くらいだったので、追加で種を準備した

管理

花が咲くまで草マルチ

草丈10cmの頃、草マルチを外し、中耕し、株元に土寄せして再び草マルチをする。

作業の目安

5月29日種まき→7月5日開花期→7月25日かん水→9月23日収穫

5月15日頃に種をまくと、梅雨期間にかん水することになるのでちょうどよい。

【Qなっつ】の種まき適期は5月下旬(千葉県基準)。
【Qなっつ】は適期より早まきすると地上部が茂りすぎてツルが絡んでしまい、管理しにくくなるので、種まき期を厳守した方がよい。

2022/06/19様子

開花受粉後、子房柄が伸びて地中に潜る。このとき周囲が草で覆われることのないように、花が咲く前に草を刈り、草マルチをしっかりと完成させる。

開花(7月上旬)

開花が始まったら株元へ土寄せし、開花期後20日ごろから定期的な潅水をする。
土壌が乾燥していると、空莢が発生しやすくなる。
開花期後20日(盛夏期)以降は、畝の乾き具合を見ながら、10日間隔で2回程度、十分な量の灌水をする。

2022/06/25開花を確認

子房柄は草マルチの間から土に差さり、その後肥大してサヤをつけマメ(実)ができる。

収穫(9月下旬)

2023年9月19日

収穫の目安として【Qなっつ】は80日。

収穫予定の10日前に試し掘りして、サヤがしっかり膨らんで網み目が入っていれば、株を引き抜いて収穫。
とり遅れて霜が降りると、子房柄が枯れて切れてしまい、収穫しにくいうえマメも傷みやすい。ネズミの害のあるところでは特に、被害が拡大する前に、一気にすべて掘りとる。

ただし果菜類と混植した場合は、果菜類の収穫が終わってから掘る。先にラッカセイを掘ると果菜類も枯れてしまう。

ゆでラッカセイならいつ収穫してもよいが、乾燥させて保存するに晴天が3日続いて土が乾いた日に掘り上げる。葉つきのまま逆さにして10日以上畑に置き、完全に枯れるまで乾燥させる。よく晴れた日に取り込んだら、サヤをむしって保存する。

種とり

来年の種には保存用に収穫乾燥させたなかから、育ちのよいものをあてる。保存は必ずサヤのままで。外すと種の寿命が半年ほどになってしまう。

低湿な冷暗所で保管する。
ラッカセイ種子は翌年は発芽率が極めて低下するので、必ずその年に使い切ってしまうこと。

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