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薬剤師国家試験合格率の闇 今や丸裸

さて、今回お伝えするのは、6年制薬学部への進学と切っても切り離せない、薬剤師国家試験合格率についての話題です。薬剤師を職業選択の候補として考慮している生徒さんはもちろん、保護者の方々にも必ず事前に知っておいていただきたい内容です。

「薬剤師国家試験 ストレート合格率」「薬剤師国家試験 合格率 カラクリ」「薬剤師国家試験 真の合格率」などのワードでウェブ検索をかけると様々なサイトやブログがヒットします。最近では真実を正しく伝える記事も増えましたが、一方では読者をミスリードへと導く危険性を抱えた記事も見受けられます。

では、一体どの情報を信用したらよいのでしょうか。

真相を最も如実に示すのは、文部科学省のウェブサイト内「薬学部における修学状況等」です。下記のリンクからアクセスし、各年度のPDFファイルを参照してください。

「6年制学科の就学状況」の欄に記されている各年度入学生の合格率というのが、その年度の入学者のうち6年後の国家試験に合格した者の占める割合を示す、いわゆる “真の合格率” です。(初めから留年や卒業延期等を前提としている人は滅多にいないでしょうから、単に合格率と言われてもそう捉えるのが自然だとは思いますが・・・)

実は、文科省からこのように詳細な情報が公開されるようになったのはここ数年のことで、私が某下位私立薬学部に入学したころは知りようがありませんでした。そのため、大学による悪質な公表値を検証することができず、入学してから徐々に真実を知って絶望しました。私を含む愚かな被害者たちの声によって公表が実現したのだとしたら、それは大きな成果ではないかと思います。

同省はまた、「平成26年度 質の高い入学者の確保と教育の質の向上に向けてのフォローアップ状況」において、次のように述べています。

学生の状況の公表については、受験生がその状況を理解した上で入学することができるようにするなど、社会一般の理解が得られる適切な方法により行う必要がある。

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/03/20/1355031_01.pdf

今日において、各大学が “社会一般の理解が得られる適切な方法” によって情報を公表しているかというと、そうとは思えません。だからこそ前述の資料には必ず目を通していただきたいのです。

ここまでの内容を踏まえ、下位私立薬学部には行くなとまでは言いません。薬剤師に強い憧れを持つ一方で学力が伴わないという受験生にとっては、夢を諦めなくて済む希望となり得る選択肢です。ただし、文科省の示す通り、実態を理解し納得したうえで進んでほしいと経験者は願うのです。

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