一ヶ月遅れの「春分から夏至の振り返り」
梅雨が明けてからまだ1週間立っていないのに、あっという間に肌が黒くなっていく…日焼け止めを塗っていても流れる玉のような汗にすぐ流されてしまいます。
昨日から大暑。暦通り暑いです。
それでも早朝はまだ半袖だと肌寒いくらい涼しくて、朝露が降りている畑の風景が大好きです。ひぐらしのなく夕暮れも大好き。
今回は、昼間の暑い時間を利用して、
一ヶ月遅れの「春分から夏至の振り返り」をしつつ、
現在の畑の様子から見えてきたこと・考えたことを書こうと思います。
販促などの振り返りもあるんですが、今回は栽培技術に絞って書いていきます。
来年の自分に向けての備忘録、としても書いているので長いです笑
失敗の少ない春
春分から夏至の振り返りをするときはいつも、「よかった点・悪かった点」をまず洗い出し始めます。
今年の作付けを始める前に想像していた以上に「悪かった点」に挙げる項目が少なかった春作でした。
もっと、反省するべきことで埋め尽くされると思っていた…笑
というのも、今年メインで春野菜を育てた畑は、去年と違うところ。
新たにお借りした小諸にある農地でした。
耕す前はわからなかったのですが、その土地は粘土質だが地力がある肥沃な土地。
一方去年メインで野菜を育てた畑は黒ボク土で扱いやすいけど痩せた土地でした。(今年も継続して使わせていただいてますが。)
失敗が少なかったのは、私の技術よりもほとんどその土地のおかげ。
さらに、春に育てる葉菜や根菜は播種から収穫までの期間も短く、比較的栽培も容易なことが多いです。
というわけで、「え〜うまくいってる!」と自分でもびっくりな春でした。笑
そんな中でも、小諸の畑と向き合う中で、その土地の特徴を知らなかったがために失敗したことがありました。
それは春先の風の強さ。
ちょうど周囲に遮るものが何もない土地柄のため、西風が強い。
ですが、東西に傾斜がある土地柄のため、日当たりが均一になることや養分の流亡を防ぐために、南北に畝をたてました。
そうすると、強烈な西風のせいで植え付けたばかりの春野菜が弱ってしまう事態が起きました。
そのせいで、今春はスナップエンドウとグリーンピースの生育がすこぶる悪く、
収穫はできましたが収量を上げることができずに終わりました。
来年は、新たにハウスを建ててハウス内で栽培するか、植え付け直後はすぐに支柱を立てず、寒冷紗などで保護するか。
風対策をしていきたいと思っています。
ちなみに夏野菜の苗は、寒冷紗で覆って対策したため、生育不良を起こすことなくすくすく育っています。
「苗半作」を体感する
もう一つの失敗は、苗づくり。
購入した種の袋の裏に書いてある「播種や定植の目安」のカレンダーがあるんですが、真面目にその育苗期間を守っていたら植え付け時期を過ぎた老化苗が出来上がりました。明らかに、苗の生育が途中から悪くなり、虫食いも増えたにも関わらず、真面目に「カレンダー通り」にやったことが失敗の原因です。
「教科書」よりも「観察」が命。
わかっていたはずだったのに、やってしまいました…
苗作りに失敗したのは春先の野菜では1割に満たないくらいでしたが、苗づくり+植え付け時期が適切だった野菜に対して、苗づくりに失敗した野菜は明らかに生育が悪く、ほとんどが虫に食い尽くされたりしました。
苗のできがその後の野菜の生育や収量の半分を決める、という意味の苗半作。
言葉は知っていましたが、本当にそうだなあ…と実感した春でした。
工夫したこと、その結果
今春新たに取り入れた方法で
やってよかった!と思ったのは、ジャガイモのポリマルチ、土寄せなし栽培。
粘土質の畑、かつ春先に雪・雨の非常に多かった今年。
畑がなかなか乾かなくてとても苦労しました。
土寄せは、畝間を管理機で耕しつつ、株もとに土を飛ばして
ジャガイモが地表面に出てしまうのを防いだり雑草を取り払ったりする役割があります。
黒ボク土などふかふかで水捌けの良い土だったら土寄せのタイミングに苦労しませんが、粘土質だともし雨が降り続いた場合、畑が乾くまでに長い期間を要し、タイミングを逃して草だらけになる…みたいなことが容易に想像できました。
なので、なんとか土寄せをしない栽培方法がないかと思って試してみたのがポリマルチ、土寄せなし栽培でした。
高く畝をたてた後に、ジャガイモを植え付けていき、その上からマルチを被せます。
ジャガイモの芽が出ると、マルチが盛り上がってくるのでそこを穴を開けて生育を促します。
芽の出るタイミングは、長野では遅霜の危険性がある時期なので、
天気予報を見ながら、気温が下がるタイミングではマルチが盛り上がっていても、穴を開けない、など霜対策もできたので非常によかったです。
ここ数日、ジャガイモほりをしていますが出来も上々。
草取りの手間も減るので、このやり方は続けていきたいなと思っています。
一方で、この土寄せマルチなし栽培をやってみて、うーん、ちょっと失敗したかも…?と思っているのが長ネギ。
マルチをはり、30cmほどの長さの穴をあけ、長ネギを差し込むだけで土寄せなしで綺麗なネギができる!とネットで見て今年初めて試してみています。
理由はジャガイモと同様で、非常に粘土質な元田んぼの畑に植える必要があったから。
失敗した理由は「そもそも粘土質の畑は、30cmも穴を開けるのが困難だから」
百均で購入したペグで穴をあけ、そこにねぎを差し込む方法をしたんですが、
3000本、それをやるのがとっても大変、。穴を開けるのが大変だし差し込むのが大変。途中で折れてしまったり、浅くなってしまったり。
先日、試しに長ネギを取ってみましたが、軟白部分が短くやはり差し込み不足…
今後、刈草などを畝の上に敷いて、土寄せがわりにできないかやってみようと思っています。
来年は、もっと高畝にすることとネギの根っこを短く切って差し込みやすくすること、ペグではなくもっと長い棒を使って差し込むこと、など試してみようと思っています。
夏野菜は今、どうなんだい?
今は夏野菜がぐんぐん生育中。梅雨が明けて高温が好きな茄子などはどんどん元気になってきています。
ですが、
春作失敗が少なかった分、油断したツケが夏作にもうすでにでできている現在。
というのも、春、あまりにも失敗が少なかったので
「夏作の元肥、少なくてもいけるっしょ〜」と施肥を少なめにしたのでした。
でも、夏野菜を育てている畑の南側は、作付けを始める前にはスギナが多く生えていた痩せている場所でした。
それなのに、北側で育てた春野菜よりも肥料を少なめにしてしまうという…
葉物だったら作付け期間が短いので誤魔化すことができたかもしれませんが、夏野菜は基本、長期に渡って収穫を行うもの。野菜の中でも一番難易度が高いです。
そのため、きゅうりが窒素不足で葉色が薄くなり、実の形が悪くなったり、
オクラの生育が悪かったり…と問題が出てきてから
慌てて追肥したりなんだりと、対処する日々です。
なすやピーマンの仕立て方も、今youtubeを見ながら勉強しています…笑
長く採るための管理をしっかりしていきたいところです。
トマトは逆に、施肥をほとんどしていないのに草勢が強くなり過ぎてしまい、
(地力のある畑の性質上、しょうがないのかな…)
こちらも本を見て勉強しながら管理作業に追われています。
今年の冬、本を読んでたくさん知識を得たはずなのに、
夏忙し過ぎて仕立て方とか、色々を忘れちゃうんですよね…
やりながらでしか学べない自分の性格上、
問題が起きてから対処する、みたいなやり方で
今作を乗り切っていくことになりそうです。
「走りながら、考える。」
今夏のテーマはこれでいきます。
あ〜自分アホだな〜と思いながら、日々畑に出たり家で勉強したりしています。
ネット上に農家の先輩が懇切丁寧に知識を共有してくれる現代に感謝🙏
今年の失敗を挽回するのは来年、になるのが農業。
失敗と対策・そして予防法を忘れないためにメモを残しつつ、こうやってnoteに残しつつ。
じっくりじっくり農家としての技術を磨いて成長していきたいものです。
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