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倍返しが社会を滅ぼす

世の中には誤解されている言葉が多々ある。
ハンムラビ法典の
「目には目を、歯には歯を」もその一つだ。

ハンムラビ法典よりも古い
世界最古の法典であるシュメール文明の
ウル・ナンム法典は損害賠償について
定めた法律だった。

さらにその後のハンムラビ法典は
ご存知の通り
「目には目を、歯には歯を」で有名だが
これは復讐肯定法ではない。
「目には目(だけ)を 歯には歯(だけ)を」
という復讐制限法だ。

羊が一匹盗まれたら羊を一匹だけ
盗み返しても良いが
二匹以上盗むのは御法度。
しかも可能な限り損害賠償を推奨している。

これはなぜかというと
復讐や私刑というのは
エスカレートしやすい
性質を持っているからだ。

妻が1人殺された→相手の一族を皆殺しだ!
というように。

現在でもテレビやマンガなどで
倍返しとか10倍返しとかいう言葉が
ウケているのをみてもそれがわかる。

心理学の実験でも
復讐はエスカレートしやすいという
結果が出ている。

だから報復や復讐や私刑は制限したり
原則禁止にして法による刑罰を導入する
必要があった。私刑や復讐を放置すると
民が勝手に殺し合い、それが拡大し
社会が不安定化するからだ。

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