ある元銀行員の話② 支店の事務について

半沢直樹(昨年放送していた続編の方)、先日観終わりました。香川照之さん扮する大和田氏の「おしまいdeath!」も、やっとちゃんと聞けました。やり過ぎくらいの勧善懲悪劇はむしろ清々しくて、様式美を感じました。アンパンマンの大人版みたいな、現代の水戸黄門みたいな。前作が面白かったドラマのシーズン2は大体期待しないで観るのですが、想像のナナメ上をいく面白さでした。

先日、銀行業務について書いた記事の続きです。

前回はお金の扱い方をテーマにしましたが、今回は銀行の支店事務について書いてみたいと思います。

銀行の〇〇本店、〇〇支店と呼ばれる営業店で事務を担当している人達は、後方事務と呼ばれる場合が多いです。主に、窓口の人の後ろにある仕切りをひとつ隔てた向こう側で仕事をしている人達です。最近は窓口のあるエリアと後方エリアが壁で仕切られていて、お客さん側からは後方エリアが見えないような店舗もあります。

この人達が何をやっているかというと、お店の事務全般を担っているのですね。前回触れましたが、お店全体のお金の管理をする出納係のほかに、窓口の人の受付事務のフォローとして、お客さんの記入した書類に間違いがないか、提出書類は正しいものが揃っているか、事務のフローは正しいか…などのチェックをすることもあります。

私が在籍していた時は、一部の窓口業務も後方事務の担当でした。ハイカウンターといって、単純な入出金や両替や振り込みなど、比較的短時間で終わるような手続きを受ける窓口に出ることもありましたし、他にも通帳や印鑑やキャッシュカードを紛失してしまったお客様の受付や事務手続き、口座名義人の方が亡くなった際の受付や、その後の相続手続きも担当していました。

それから、閉店後に現金とシステム上の数字が合っているか集計したり、伝票が全部きちんとあるか数えたりするのも事務担当の仕事です。

銀行が閉まるのは大体午後3時ですが、事務は閉店後が本番です。日中お客さんが多くて忙しければ、その分閉店後の事務も大変になります。殺伐とした雰囲気になることもあります。ちなみに「1円でも合わなければ帰れない」とよく言われますが、コレは本当です。飲食店のレジでは現金とレジの数字がちょっと合わないこともありますが、銀行では許されません。ただ、1円だけ合わない…なんてことはほぼありません。銀行の集計システムというのは非常によく出来ていますので、みんなで探せば合わない原因は必ず分かります。なので横領なんてよっっっぽど上手くやらない限り、絶対にバレます。

もちろん、これらの業務を1人ですべてやらなければならないワケではなく、後方事務の担当者は複数いるので、それぞれ分業制でやっている場合が多いです。支店の規模が大きいほど、その傾向が強いように思います。逆に小さな支店ではお客さんの数は少ないものの、それだけ事務の人員も少ないので、1人で色々こなせるようにならないとお店が回りません。

最近では事務も機械化が進み、それまで手作業だったものが電子化されて事務負担が減るケースが多いようです。そうすると当然、事務担当者の人員も減らしていいよね〜という流れになり、近年では一般職を採用しない銀行も出てきました。私が在籍していた時から、今後正社員は営業に注力し、事務は非正規雇用のパートや派遣、契約社員の方へシフトさせていくように…と言われてきましたし、事務担当者にも一定の営業目標が課されていました。退職してからの動向はあまり分かりませんが、これからますますこのような傾向は強くなるのではないでしょうか。

今回はこの辺で区切ります。書いていてあまり面白みのない内容だったかも…と少し反省しました…。次回は、私が銀行にいて良かったことや大変だったことについて書こうと思います。