あの時、キラキラ輝いて見えた女性達

私は昔、婦人科系の病気で約2週間入院した経験があります。初めての入院に加え初めての手術もあって色々大変だったけれど、家族やお見舞いに来てくれた親族や友人たちには精神面でとても支えられました。

そして、当時の医療従事者のみなさまにも本当にお世話になりました。

当時の近所の内科で「これただの風邪じゃないからすぐに病院行って」と紹介状を出してくれた女医さん。多分、あの時の迅速で的確な判断がなければもっと大変な事になっていたでしょう。それから、40度近くの高熱を出しフラフラな状態で来院した私に対し、にこやかに且つテキパキと受付してくださった病院の事務の方、意識が朦朧とする私の診察と手術を担当してくださった先生、入院時に毎日病室をきれいにしてくださった清掃の方。

中でも、私の一番身近にいて、色々なお世話をしてくださった看護師さん達。当時の私は社会人になってまだ半年も経っていなかったけれど、毎日きびきびと動き、でも患者の私に対していつも優しく接してくれる彼女達は、同じ女性として、社会人の先輩として、とてもキラキラして見えました。

私が当時、看護師さん達にしてもらったこと。例えば、毎朝の採血とか点滴。血圧とか心電図とかもろもろの検査。痛みがひどい時はナースコールを押せば飛んできてくれて薬を入れてくれたり、手術前の麻酔が痛すぎて泣いた私の手を握ってくれたり、手術前後に乗る車椅子を押してもらったり。ナースステーションの前を通れば挨拶してくれる。ご飯を運ぶのも手伝ってもらった時もあったっけ。他にも、私が気付かないところでもたくさんお世話になったと思います。

身近に看護師をしている子もいたので、いわゆる「白衣の天使」なイメージと現実とでは色々ギャップがあるんだろうな…というのは何となく感じてはいました。きっと、体力的にも精神的にもハードですよね。それこそ命のやり取りをするお仕事ですから、些細なミスも許されないでしょうし、時間との勝負な面もあるでしょう。日勤も夜勤もあるから生活リズムを整えるのも大変だと思います。加えて女性が多い環境であれば、女性同士特有の雰囲気やアレコレもあるでしょうから、馴染めないと結構キツそうだな…とも感じます。

私からは見えない苦労も凄くある思うのですが、担当してくださった看護師さん達からは、そんな素振りを微塵も感じませんでした。いつもテキパキ、時に厳しい時もあったけれど、それも患者さんを思ってのこと。毎日の採血、検温の時にも、一言二言話題を振ってくれたり、体調で気になるところはないか聞いてくれたり。そのような気遣いがなければ、私の入院生活はもっと辛いものになっていたと思います。入院中って何となく気分が沈みがちになるので、いつも笑顔で明るく、朗らかに接してくださったことにもかなり救われました。

あの時の看護師さん達は、私から見て本当に輝いていて、当時入社数ヶ月にして突然の長期休暇で会社に迷惑を掛けた自分への不甲斐なさもあったけれど、彼女達はとても素敵で眩しい存在で、強く私の印象に残りました。

その後体調が回復して職場復帰してからも、仕事で上手くいかなかったり、辛かった時には彼女達の姿を思い浮かべていました。私も彼女達のように、強くて立派に働く女性になりたい。地道で泥臭い仕事でも、日々積み重ねていけば、私だっていつかはあんな風にキラキラできる日が来るかもしれない…と。今でも時々、あの仕事ぶりを思い出します。

このコロナ禍で医療に携わる方々の苦労は、私達がメディアなどを通じて知ることのできるものなんてきっと氷山の一角でしょうし、私達の目に見えない、想像以上の苦しさや大変さがたくさんあるのだと思います。頭が上がりません。

私自身にできることは限られていると思いますが、せめて、これ以上医療に負担を掛けないよう、自身の健康管理には気を付けたいと思います。そして、やむを得ず自分が医療機関にかかる際には、協力できることは協力したいし、感謝の気持ちも忘れないようにしたいです。