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なんちゃって浜松弁講座

私の父方の祖母は静岡県浜松市に住んでいます。小さい頃は夏休みや冬休み、春休みのたびに祖母の家に遊びに行っていたし、私だけ1週間とか2週間、泊まらせてもらったこともあります。その他、家の事情で祖母が私の家に1ヶ月とか2ヶ月くらい滞在していたこともあって、祖母と接する機会は多かったです。

祖母は育ちも浜松で、そのまま地元で結婚した人です。なので完全なる浜松人。話し言葉はもちろん、浜松弁でした。

静岡県は横に広い県なので、同じ県内でもエリア毎で文化が結構異なります。そのため静岡県民の中に「自分は静岡県民である」というアイデンティティーはそんなになくて、「清水出身です」「沼津住みです」とか、○○市などのエリアへの帰属意識のほうが高いような気がします。御殿場市に住む人と浜松市に住む人とでは、いわゆる「ジモトーク」はまず弾みません。

というわけで、方言も県内で地域差があります。伊豆と、静岡市や周辺地域と、浜松やその近辺とではちょっとずつ違います。今回は、私が祖母から聞いてきた浜松弁を少し紹介します。私自身は関東の出身なので、知り尽くしているわけではなくあくまで「なんちゃって」ですが…。

①「〜ら、だら」「〜に、だに」

おそらく私が一番聞いてきた方言だと思います。「〜ら、〜だら」は、「〜だよね?」とか「〜でしょ」というニュアンス。「〜に、だに」は、「〜だよ」というニュアンスで使われます。

(例文1)
「明日からの遠鉄(浜松ローカルのデパート)のセール、行くだら?」
→明日からの遠鉄のセール、行くでしょ?

(例文2)
「お姉さん、来週こっち来るって言ってたに」
→お姉さん、来週こっちに来るって言ってたよ。

②はあ

この「はあ」は、ため息ではなく「もう、既に」という意味で使われます。

(例文)
「あれ、ここに置いてあった本は?」
「はあ、向こう片付けちゃったに」
→もう向こうに片付けちゃったよ。

③衆ら

「衆(しゅう)ら」=「人たち」。「あの衆ら」で、あの人たち、になります。

小学校低学年くらいまでは「衆」という漢字も言葉の意味も分からなかったので、会話で聞こえてくる「あの衆らは〜」という言葉は「あのシューらは」に脳内で変換され、前後の文脈からなんとな〜く話の趣旨を理解しているような感じでした。

④ちんちん

念のため申し上げておきますが、イントネーションは平坦に読みます。間違っても、頭の「ち」にアクセントをお付けにならないよう。これは「(主にお湯が)熱い」という意味で使われます。

(例文)
「お風呂がちんちんだよ」
→お風呂のお湯がすごく熱いよ。


まだまだありますが、とりあえずこの辺りで区切ります。女優の長澤まさみさんは静岡県磐田市という浜松市の隣の市のご出身なので、上記の方言は日常的に使われていたことと思います。同じく女優で浜松市出身の鈴木砂羽さんと、ラジオで遠州(浜松一帯エリア)弁で会話されているものが動画サイトにあったので聴いてみたのですが、「これこれ!」という感じでした。お二人ともナチュラルに方言で、可愛らしかったです。

他には、アイドル「ももいろクローバーZ」の赤、百田夏菜子ちゃんも浜松出身なのですよね。彼女の浜松弁はまだ聞いたことがないけど、きっと可愛いのでしょうね。聞いてみたいです。