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築地精養軒ホテル

北村重昌 『謹呈 築地精養軒ホテル』 非売品 明治44年 東京刊

Kitamura, Shigemasa, With Compliments of the Tsukiji Seiyoken Hotel, Tokyo, 1911<R24-37> 

販売済

17.5x12cm, 76pp, [18pp], original string binding, title embossed on front cover, a photo of the hotel pasted on the front cover

鹿鳴館に先立ち日本におけるフランス料理と西洋文化の普及を担った築地精養軒ホテルの案内書(非売品)です。同ホテルの開業は1872年で、1910年に改築が行われています。本書はその改築直後、3代目オーナー北村重昌の時代に発行されたものです。

築地精養軒ホテルは、岩倉具視に仕えた北村重威により開館。
日本で初めての日本人オーナーによるホテルでもあり、当時珍しかった正統派西洋料理・フランス料理を提供する併設のレストランと宴会場も人気を博しました。

明治初期、まだ西洋風の料理を提供できる店が少なかった当時にあって、
本格的な西洋料理を提供できる同ホテルは、政府関係者が海外からの要人を接待できる店として貴重な存在であり、また料理に加えて同時に服装や振る舞いなど欧米風のマナーを学べるということで、当時の明治政府高官たちも
積極的に通うよう奨励された社交場でもありました。


鹿鳴館が建設されるのが1883年、本格的な宿泊機能を持った西洋風のホテルである帝国ホテルが開業するのが1890年なので、それらに先立つ存在でもありました。


森鴎外がドイツ留学からの帰国後に、単身で女性が鴎外を追って来日するという出来事がありましたが、この所謂「エリス」のモデルとなったといわれる女性が日本滞在時に宿泊していたのがこの築地精養軒ホテルと言われています。



築地精養軒ホテルは1923年の関東大震災の際に全焼して消失してしまいました。現在は明治9年(1876年)に開業した洋食レストラン上野精養軒にそのなごりを残しています。

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