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ナポレオン3世の野心・ワインの格付け

プリンス・ナポレオン 『1855年パリ万博報告書』 初版 1856年 パリ刊
Exposition Universelle de 1855. Rapports du Jury Mixte International publies sous la direction de S. A. I. le Prince Napoleon, President de la Commission Imperiale. Paris, Imprimerie Imperiale, 1856 <R14-559>
<First edition. 4vo, [12], lxxvi, [2], 1574, [2]pp, contemporary half-calf>

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1855年にフランスで初めて開催された万国博覧会の報告書です。フランスの食文化史において特筆すべき点は、このパリ万博をきっかけとしてナポレオン3世の命令により、ボルドーワインの格付けが行われるようになったことでした。

この万博をきっかけとした格付けによりワインのブランド化に成功し、これまで国内の特定の地域だけで消費されていたワインが、フランスを代表する輸出品として認識されるようになり、世界へ普及する足掛かりとなりました。

敗軍の将のイメージが強すぎて、いまだ無能な君主の代表として扱われるナポレオン3世ですが、ワインのブランド化と世界への普及こそ彼が残したフランスに対する最大の文化的な貢献といえます。

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