見出し画像

第20回:FF資料の旅4

みなさんは、ファイナルファンタジーの外伝と言えば何を想像しますか?

『聖剣伝説』や『光の4戦士』でしょうか?

今回は、それらの他に存在したファイナルファンタジーの外伝について紹介していきます。

その名は、
『OAV ファイナルファンタジー外伝』
です。

この本は『ファイナルファンタジーV』の200年後を描いた映像作品である、OAV(OVA)版『ファイナルファンタジー』のノベライズです。

ただのノベライズではなく、お話がOAV版とはかなり異なっています。

リバイアサンの登場にはじまり、ネメシスというエクスデスの呪いとも言える魔獣や、カオス十二神将と言ったモンスター達、そしてエクスデスの復活など、OAV以上にファンサービスが見受けられます。

そして、この本の最も注目すべきは、結末は読者が考えるというスタイルを採用しているところです。

なぜ完結せずに、結末を読者に委ねたのでしょうか?その理由を考えてみます。

この本は、学研から学習教材として発行されました。その時点で、一般的なノベライズとは一線を画しているんです。つまり、読者にはなにかしらの学びを与えたかったんだと考えられます。

以前、私はブログで想像の余地について述べた回がありましたが、まさに学研が読者に与えたかった事とは想像の余地なのではないでしょうか。

想像させる事で脳を活発にさせる、これは学研の理に叶っているでしょう。

その場がファイナルファンタジーというのが非常に面白く、やはりファイナルファンタジーの力は凄いと感じます。

一般的に、ゲームと学習は、言わば遊びと学びですから、対極的な位置に存在すると思われがちです。

その考えを、学研はこの本をもって覆そうとしました。本来学習を牽引するはずの学研であり、ゲームという遊びを取り入れるなど考えられないのですが、その度量の広さに脱帽しました。

この事から学研は、ゲームからの学びを当然知っていたという事実に他なりません。ゲーム好きな私からすると、とても嬉しいです。

今でこそ、ゲームは世に認められ始めていると感じますが、この本が出た当時は1994年で、まだまだゲームが日陰者だった時代だと思います。

そんなゲームに焦点をあて、学習教材として扱った学研の選択は素晴らしいですし、時代を先取りしていると感じます。

学研とファイナルファンタジーが生み出した結晶である『OAV ファイナルファンタジー外伝』。
みなさんもどこかで見つけたら、是非読んでみて下さい。そして是非結末を"創造"してみて下さい。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?