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第10回:ファイナルファンタジーに見る想像の余地

ファイナルファンタジーシリーズは、度々我々プレイヤーに謎を提示します。

例えば、ガーランドとカオスどちらが先に存在したのか?大魔導師ノアはなぜザンデに人の命を与えたのか?ゾットの塔はどこにあるのか?エクスデスはなぜ、うだつの上がらないギルガメッシュを親衛隊長に抜擢したのか?ジェノバはどこから来たのか?などなど、ファイナルファンタジーでは、作中で明確な答えが出ていない、謎で終わっている要素が沢山あります。

これは、プレイヤーそれぞれに紐解いて欲しいという開発陣からの挑戦状なのではないでしょうか。

何事も答えがあると嬉しいのですが、反面嬉しくないと感じる場合もありますよね。

良い例が未来です。自分がこれからどんな仕事に就き、誰と出逢い、どのように幕を閉じるのか?誰しもが一度は想像し、それがわかっていれば楽だよなぁ、とか、いやいやわかっていてもつまらないし怖い、とか相反する感情を持った事があると思います。

これはファイナルファンタジーにも言える事で、お話の全ての答えが出てしまうのは、嬉しいけど嬉しくないと思いませんか。ちょっとは想像したい、と感じますよね。

想像とは頭を使います。すなわち脳を使います。
調べてみると、想像している時に大きく活動しているのは、脳の前頭葉や頭頂葉らしいです。

前頭葉は、主に思考や判断行動を司り、頭頂葉は、主に知覚や感覚を司るとされています。
この事から、どちらも我々にとっては重要な場所ですよね。

つまり想像の余地がある事で、脳に刺激が与えられ、脳の機能が活発になります。言い換えるなら頭が良くなるのではないでしょうか。

ゲームはボケ防止に良い、と聞いた事がありますが、そのメカニズムがわかったような気がします。

なので、開発陣は、意図的か容量の都合上かはわかりませんが、お話に想像の余地を与える事で、我々プレイヤーの頭を良くしてくれていると捉えても良いのではないでしょうか。

一昔前は、ゲーム脳という言葉が流行りましたよね。ゲームするとゲーム脳になっちゃうからダメよ!と親に言われた方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

ゲーム脳とは簡単に言うと、脳の前頭前野にダメージを与え、頭を悪くさせるようです。しかし、これでは先ほどと矛盾が起こってしまいます。

ただ、別に私はゲーム脳を否定はしません。が半信半疑ではあります。あれだけ話題になったのだから、きっと沢山の実験を経て正確なデータを取った上で、ゲーム脳を定義したのでしょう。それで社会に警鐘を鳴らしたのでしょう。その行動力は私には無いものなので、率直に凄いなぁと感じます。

反面、なぜ2023年現在ではゲーム脳という言葉を聞かなくなってしまったのでしょうか。
ゲーム脳が当たり前になってしまったのか?いや、それは無いでしょう。

スマホの普及やオンラインゲーム、バーチャルリアリティの台頭など、ゲーム脳が危険視されていた当時よりも、現代の方がゲームと密接な時代だと感じています。そんな中、今では私の知る限りニュースを見ても本を見てもゲーム脳は言及されていません。これが答えなのかな、と言えなくも無いでしょう。

私は恥ずかしながら、ゲーム脳について書かれた書籍を読んだ事はありません。なので憶測でしか語れませんが、ゲーム脳を定義するにあたり、想像の余地は考慮されていたのかという事です。

先ほども述べた通り、ゲームにおける想像の余地とゲーム脳の特徴を比べると矛盾が生じてしまいます。この矛盾がある限り、私はゲーム脳については半信半疑として捉えています。

さて、私が言えるのは、想像は大切だという事です。想像とは、無から有を生み出すと同義だと思います。想像には、材料も原価も必要ありません。ただ想像すればよいだけです。それだけで脳が活発になるのなら、やるしかありませんよね。

6月に発売される『ファイナルファンタジーXVI』では、どんな想像の余地をもたらしてくれるのでしょうか。今から楽しみで仕方ありません。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!

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