第13回:幻想と現実の相互作用
ファイナルファンタジー世界と、我々の住む現実世界、一見交わる事がないように感じますよね。
しかし、度々干渉し合っているのです。今回はそんなお話をしていきましょう。
ファイナルファンタジーと現実の間で起きている干渉とは、一体どのようなものがあるのか?
いくつかの事柄を取り上げてみます。
①食べ物・飲み物
私達人間が、生命を維持する為に必要な飲食料。
とても大切なものですが、ここにファイナルファンタジーは関わってきました。それはプリッツというお菓子やカップヌードルといった食料、コカ・コーラやポーションといった飲料です。
プリッツやカップヌードルは、もはや日本ではお馴染みの、誰もが一度は食べたであろう食料です。そんな食料のパッケージを、ファイナルファンタジーのキャラクターが彩った事がありました。
更にカップヌードルは『ファイナルファンタジーXV』の世界においても度々登場し、かの世界でも文化に溶け込んでいる馴染みの食料だという事が理解できます。
一方コカ・コーラ。
こちらももはやお馴染みの飲料ですよね。
そのコカ・コーラのCMに『ファイナルファンタジーIX』のキャラクターが出演していた他、ペットボトルを買うとファイナルファンタジーシリーズのキャラクターフィギュアが貰えるキャンペーンも開催されていました。
そして、ポーションとは、ファイナルファンタジー世界ではお馴染みの薬で、摂取した者の体力を回復させる効果があります。これが、現実世界で飲料として販売された事があります。
②携帯電話
人間の生み出した、偉大な発明の一つです。そこにもファイナルファンタジーは干渉しました。
一昔前ガラケーが主流の時代に、スクウェア・エニックスは携帯のサービスに力を入れていました。
時を同じくして製作された映像作品『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』では、主人公クラウドはガラケーを持っているのです。そして、そのガラケーは、現実世界でもクラウドブラックという名前で発売されました。
③クルマ
こちらも人間が造り上げた、偉大な発明です。
クルマにおいても、ファイナルファンタジーと現実の相互作用が起きています。それは日産とアウディ。
まず日産ですが、過去に中国で流れていた日産のCMに『ファイナルファンタジーXIII』の主人公であるライトニングやスノウが登場し、クルマを運転している場面があります。
次にアウディですが、『ファイナルファンタジーXV』にルシス王国の公用車として登場した事に加え、現実世界でも世界に1台だけ製造され、展示された後、オークションが行われました。
④アパレル
人々を印象付ける衣服。ここにもファイナルファンタジーは手を伸ばしました。ルイ・ヴィトンやプラダ、ユニクロが良い例です。
ルイ・ヴィトンやプラダにおいては『ファイナルファンタジーXIII』のキャラクターがモデルとなり話題になりました。
一方ユニクロは、現実世界でファイナルファンタジーの様々なデザインが描かれた服を販売しました。
⑤伝統芸能
ファイナルファンタジーと現実の干渉は、なにも物だけではありません。日本が誇る文化の一つである歌舞伎にも干渉は起こりました。
先日から公演が開始された歌舞伎版『ファイナルファンタジーX』ですが、遂に文化にもファイナルファンタジーが進出してきた訳です。
さて、ここまでファイナルファンタジーと現実に起きた干渉の例を見てきました。皆さんもお気付きだと思いますが、干渉した物事は、どれも我々には馴染み深い、長い歴史を持つものでした。
つまり、ファイナルファンタジーはそれぞれの歴史に認められる存在になったと言えるでしょう。
いちゲームに始まり、ここ最近では遂に伝統芸能にまで昇華されたファイナルファンタジー。
この非現実と現実の相互作用は、ファンサービスに留まらず、実益も兼ねていると言えるでしょう。
例えば、カップヌードルを食べた事がない方が、ファイナルファンタジーが大好きだったとします。
するとファイナルファンタジーの世界のキャラクターがカップヌードルを食べているので、試しに自分も買ってみようかな、と思うかもしれません。
したがって日清食品にお金を落とす人が増えて、利益に繋がっていきます。
一方、ユニクロが大好きだけれど、ファイナルファンタジーをプレイした事はない人がいるとします。
すると大好きなユニクロとコラボしているファイナルファンタジーってどんな作品なんだろう、と興味が湧くと思います。そしてプレイしてみようという気持ちが芽生え、実際にファイナルファンタジーを買う可能性があるでしょう。
したがってスクウェア・エニックス(旧スクウェア)の利益に結びつきます。
これが相互作用がもたらす実益です。
相互作用により間口が広がる事で、認知度も高まり、良い効果が生まれるのです。
さてここまでファイナルファンタジー世界と現実世界の間で起きている相互作用について述べてきました。
ファイナルファンタジーシリーズが、今日まで沢山のコラボレーションを実現できたのは、ファイナルファンタジーという大きなブランド力によるものでしょう。
無名の物事が、いきなり有名な物事と相互に作用する事など、出来ません。これはファイナルファンタジーという存在が確立し、多様な分野に認められたからに他ならないでしょう。
そこには涙ぐましい開発陣や関係者の努力がある事も忘れてはなりません。
私は、これからもファイナルファンタジーの歩みを見届けていきたいですし、様々な分野に干渉して、歴史を紡いでいって欲しいと切に願います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!
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